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セラミックで歯並びを整える方法とその流れ

歯並びや歯の欠損など、歯のトラブルのなかには見た目に関わるものも少なくありません。矯正治療は歯並びを部分的、もしくは全体的に直す治療法として人気がありますが、時間と費用の問題から断念する方も多くみられます。

そこで検討したい治療法に、セラミッククラウンを利用した矯正法があります。ここではセラミック治療で歯並びをきれいにする方法や手順、メリットを紹介します。

セラミック歯科治療と歯並びの矯正

セラミッククラウンは歯への被せ物で、歯並びのほかにも歯の色や歯の形を整えるために使用されます。患者さん一人一人の歯の色や形に合わせて、お悩みに合った治療を行います。

治療の方法としては、歯を少しだけ削って審美性をみながら、自然な歯に近づけるように削った被せ物(クラウン)を上から被せて見た目を美しく仕上げます。

セラミッククラウンはオーダーメイドでの製作が可能で、治療もわずか数週間で終わるため、矯正治療に比べて短時間・安価であることが特徴的。ワイヤーブラケットやマウスピースを使う矯正治療が検討できない場合に利用されています。

セラミッククラウンとは

セラミッククラウンは歯科用の陶材のことで、クラウンは日本語で「冠」となります。つまり、歯科用の陶材を冠のように製作して、歯の上から被せるという意味になります。

陶材と聞くと陶器製の食器をイメージしますが、歯科用の陶材は強度を高く仕上げており、銀歯やプラスチックよりも自然な見た目になるように開発されています。

セラミッククラウンは、外側と内側、表面と芯部分の2つで構成されています。この2つにどの素材を使うかによって歯の見た目や強度、治療にかかる費用が変わってきます。

一例として、硬く丈夫な人工ダイヤモンド素材である「ジルコニア」を使ったジルコニアセラミッククラウンは、表面をセラミックで造り、芯にはジルコニアを利用しています。

陶材特有の白色が歯の表面部分にくるため、白く美しく、さらに咀嚼にも耐えうる強度の歯ができあがります。銀歯のように金属製ではないため、アレルギー体質の方にも安心です。

ジルコニアセラミッククラウンよりも安価なメタルボンドセラミッククラウンは、表面にセラミックを使用し、芯には金属を使っています。こちらは金属アレルギーの方には不向きであり、時間の経過とともに歯が変色するおそれもあるため、長期的に使う歯にはジルコニアセラミッククラウンがおすすめです。

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歯並びを整える際に意識したいセラミッククラウンの特徴

前歯のセラミッククラウン

前歯にセラミッククラウンを適用する場合、もっとも人目につく部位であることから、形・色ともに自然な仕上がりにしなければなりません。

笑ったり口を開けたりした際に周囲の歯から浮かないように、変色の心配の少ない素材を使って治療を行うことが理想的なので、できるだけ自然な色で、欠けや割れの発生しにくい素材を選ぶようにしましょう。

八重歯のクラウン

八重歯部分にセラミッククラウンを使う場合、八重歯という特徴を活かして不自然にならないように仕上げます。

八重歯は笑ったときにワンポイントとして見える歯なので、周囲から浮かないように注意。白すぎない自然な色の素材を使うようにしましょう。

奥歯のクラウン

奥歯にセラミッククラウンを入れる場合、見た目の審美性よりも咀嚼に耐えうる強度を重視します。

また、ものを噛んだときに違和感が出ないよう、噛み合わせにも配慮しなければなりません。素材の強度、耐久性を考えながら治療計画を立てていきます。

欠損部分のクラウン

歯が欠けていたり部分的に抜けていたりすると、そこに入れ歯や差し歯を設置する必要がありますが、一部の歯科医院では歯の欠損部にかかわらずクラウンを被せることが可能です。

抜けている歯が多い場合は、口腔内の機能を向上させるためにインプラントや入れ歯が使われますが、セラミッククラウンを被せる治療も同時に実施し、元の歯に近い状態へと近づけます。

歯の欠損部に対しては、ブリッジ型のセラミッククラウンを被せて一時的な処置を行うことも可能。セラミッククラウンが横並びにつながっており、両側の歯を支えとして、その間に橋をかける要領で歯を安定化させます。

セラミックで歯並びを矯正するメリット

  • 歯並びをキレイにできる
  • 歯の色を自然な色に近づけられる
  • 前歯のすきっ歯が直る
  • 前歯の欠けが直る
  • 変色した前歯がきれいになる
  • 銀歯を白い自然な歯にできる
  • 矯正治療に比べて時間がかからない

セラミックを使って歯並びを矯正すると、欠けた部分がきれいに直るだけでなく、銀歯との入れ替えにも対応しているため審美性が向上します。

矯正治療と違い、長時間器具を装着する必要がないため、数週間程度の通院で治療が完了します。クラウンが完成するまでは仮歯を装着するため、周囲の目を気にする心配もありません。

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セラミックを使った歯並び治療の流れ

カウンセリング・治療計画の策定

被せ物の治療は患者さんの歯の状態により、一人ひとりに合った治療計画を組み立てていきます。まずカウンセリングを行い、実際の口の中の確認や問題点のピックアップ、患者さん自身の悩みのヒアリングを行います。

それらの情報を元に、順に必要な治療を挙げていき、優先度の高いものから治療を始めます。虫歯や歯周病など、早急に治療が必要なものについては、被せ物の治療よりも先に行われる場合が多いのですが、費用面などの問題で治療が前後するケースもあります。

カウンセリングによって話し合い、具体的なスケジュールを策定していきますが、ここでどの素材を使うかについても話し合います。セラミックといってもさまざまな素材があり、メリットやデメリット、価格などを比較しながら患者さんに合ったものを選択します。

治療スタート・仮歯の装着

次に、スケジュールを元にして治療に入ります。被せ物の治療は最初に患者さんの歯型を取って、被せ物の土台となる部分をつくります。

クラウンを被せるために多少元の歯を削らなければなりませんが、大きく削るわけではなく、患者さんの歯の状態に合わせて行います。虫歯もしくは歯の欠け、折れによって歯の土台がつくれない場合は、人工の土台を別に作製して付けることもあります。

こうしてできた土台を元に、被せ物を作製していきます。被せ物の作製には時間がかかるので、できあがるまでの間は「仮歯」と呼ばれるものを装着して過ごします。

仮歯はプラスチック樹脂から造られており、強度はセラミックに劣ります。そのため、仮歯の装着期間中は硬いものを噛んだり、強く歯を噛み締めないように注意しなければなりません。

毎日の歯磨きや、ガムなどの粘着性のある食べ物で仮歯が外れてしまう場合もありますので、その際はすぐに歯科医院に連絡し、新しい仮歯を入れてもらいます。

仮歯にもいくつかの種類があり、強度が高く審美性にすぐれたものもあります。仮歯はあくまでも一時的な処置となりますが、医院によっては仮歯の種類もオーダーできるところがあります。

セラミッククラウンの作製・本装着

セラミッククラウンは患者さんの歯の状態に応じて細かく変化をつけて作製します。

色と形は患者さんの天然の歯に近いものを目指し、周囲の歯から浮かないようにグラデーションをかけていきます。このようにして、約7日から10日程度で審美性の高い歯ができあがります。

セラミッククラウンが完成したら、被せ物を患者さんの歯に装着して、実際の色合いや形、噛み合わせのチェックを行います。ここで違和感がなければ本装着となり、すべての治療が終了します。

セラミック歯並び治療のまとめ

セラミッククラウンは審美性が高く、銀歯やプラスチック樹脂の代替品に利用されており、矯正治療が受けられないときの治療法として検討することもできます。

歯がきれいに並んでいれば自然に口元も美しくなり、笑顔だけでなく表情全体にも良い影響が出てきます。

治療方法や治療期間は患者さんの希望に合わせて行われますが、費用の問題・審美性・歯の耐久性など、詳しく医師と話し合うことが大切です。

治療前のカウンセリングで悩みを相談すれば最適な治療方法を提案してもらえますので、医師とよく話し合って治療計画を立ててみてはいかがでしょうか。

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