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セラミック歯科治療につく「保証期間」の内容と注意点

詰め物・被せ物・差し歯など多用途に用いられるセラミック。歯科医院では、セラミックを使った治療のほとんどが自費診療になるため、「保証期間」を設けている医院も少なくありません。

保証期間内のトラブルは無償で対応してもらえるため、セラミックの脱落や欠け、割れにも対応してもらえます。しかし保証期間は医院ごとに異なり、保証の「条件」というものも存在します。

ここでは、セラミックを使った歯科治療に適用される保証期間について詳しく紹介しています。

セラミック歯の保証期間について

セラミックを使った治療には、保証期間と呼ばれるオプションが付いていることがあります。これは患者さんの歯とセラミック素材をチェックして、治療した歯を健康的に維持するために設けられたシステムです。

万が一の修正治療にも無償で対応

患者さんによっては、セラミックが何らかの理由で破損・破折したり、突然のアクシデントでセラミックを入れた歯が欠けたりするトラブルが考えられます。そのような場合について、各歯科医院では条件を満たした場合について、無償で装着のし直しを行っています。

保証制度が付かなければ、セラミック治療は100%患者さんの負担になってしまいます。オールセラミックやジルコニアセラミックなどの高額な素材を使っている患者さんは、再治療を受けるたびに高額な費用がかかることになります。

しかし保証制度を活用すれば、万が一のトラブルの際にも無償+再診料のみで治療が受けられるので、安心して治療に臨めるのです。

保証期間が歯科医院によって異なる理由

セラミックの保証期間は1年から3年程度が多くみられますが、なかには5年間の保証が付いている歯科医院もあります。

法律では、保証期間の設定や内容の固定は歯科医院の義務ではありません。ただし、保険診療となる歯については2年間維持管理を行うよう定められているため、その決まりに沿って保証期間が設定されていると考えることもできます。

医院ごとに保証の年数が異なるのは、保証期間を設けることで他院との差別化を図るためとされており、10年や20年などの長期にわたって設定することも可能。「保証期間3年目まで、その後は半額保証が適用」など、柔軟な保証内容を強みとしている医院もあります。

しかし長ければ長いほど良いというわけではなく、保証を受けるためには後述する「条件」を満たさなければなりません。条件の多くが「定期的な検診」であり、検診に来院できない場合は保証を受ける資格が喪失してしまいます。

保証内容についても歯科医師が自由に決めることができます。セラミックの治療が何度でも無償になるケースもあれば、「2回まで」と回数を制限することもできます。

セラミック歯の保証期間中の治療内容

無償で再治療が受けられる

保証期間内に突然のセラミックの「脱落」が生じた場合は、医院が全額を負担して再治療を行います。脱落だけであればセラミックを被せる治療のみとなりますが、元の歯や組織に虫歯・歯周病が発生していないかチェックもしてもらえます。

トラブル箇所の修理も無償対応

被せ物が噛み合わせの問題により脱落した場合や、装着できている状態で痛みが出るようなケースでは、セラミックを削って高さを減らし、より自然な噛み合わせに調整します。

セラミックは耐久性の高い素材ですが、まれに欠けや割れが発生することもあります。その場合、トラブル発生箇所のみを修理することは困難なので、作り直しになります。保証期間内であれば、作り直しも無償で行ってもらえます。

複雑なケースは歯科医院と話し合いのうえ検討を

セラミック歯科治療の中でも複雑なケースとして、差し歯や被せ物などをセラミック素材で行った後、歯の奥にある組織(神経など)の根管治療が不十分で、神経の痛みを生じるという例が挙げられます。

セラミックが覆っている部分にトラブルがなくても、その奥の組織が侵されている場合は、一度セラミックを外して根管治療を行わなければなりません。通常、セラミックを被せる前に歯の組織が健康であるかチェックをするのですが、医師が見落としてしまうケースもまれに発生します。

その場合は根管治療からセラミックの被せ直しまでをやり直さなければなりません。ただし、医院によっては根管治療は通常の治療として扱われる可能性があり、保証の対象となるのはセラミックの被せ物治療だけになる可能性もあります。まずは医師とよく話し合ったうえで、根管治療にも応じてもらえるか確認しなければなりません。

他院で根管治療を受け、その後に現在のかかりつけの歯科医院でセラミックを被せた場合は、根管治療を行った医院に相談が必要になることもあります。いずれも複雑なケースとなりますが、現状を正しく伝えることが大切です。

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セラミック歯の保証期間がない場合

再治療や補修が有償になる

保証期間がなければ、セラミックのトラブルはすべて患者さんの負担となります。また、噛み合わせにおけるセラミッククラウンの高さ調節や、インレーの調整もすべて自己負担となってしまいます。

一度で治療が完璧に終えられれば良いのですが、医師の不注意や予測のできない問題が発生する可能性はゼロではありません。セラミックは安い買い物ではなく、歯の本数や素材によっては数十万円にのぼることもあります。

被せ物の形だけでなく、差し歯の埋入角度や患者さんの口腔内と詰め物の相性によってはトラブルが起きる可能性もあるため、保証に入っておくことが一種の安心材料になるのではないでしょうか。

セラミック歯の保証期間の注意点

セラミック歯の最大のメリットは、一度ダメージを受けた歯も元の歯と同じように使えるようになるという点です。素材そのものが堅牢で耐久性があるので、見た目だけでなく実際の歯の機能も取り戻すことができます。

銀歯は口の中に溶け出し、収縮性があるため、歯と金具の間にできたすき間に虫歯が広がる可能性があります。また、医療用プラスチックであるレジンは耐久性に乏しく、経年劣化が激しい素材です。これらのマイナス面をカバーしたものがセラミックということになりますが、保証を付ける際には以下の点に注意しなければなりません。

保証書の紛失に注意

セラミック歯の保証は、専用の保証書を発行してもらい、それを保管し続けなければなりません。保証書の再発行ができない医院では、紛失すると再治療は自費になってしまいますので、失くさないように注意が必要です。

再診料について

保証期間中の再治療については、医院ごとの再診料がかかります。

医院ごとの条件を満たしていること

歯科医院が設ける「条件」とは、定期検診(医院ごとに間隔が異なります)・自己の不注意でないこと・外傷でないこと(外傷が含まれる医院もあります)・使用法を守っていることなどが挙げられます。

たとえば、医院から「ものを強く噛まないように」と指示されている患者さんがセラミック歯で氷などを噛んで補修物が欠けた場合、患者さんの責任となり、無償対応は適用にはなりません。「もう歯が使えるから定期検診は受けない」として意図的に来院しなかった場合も、治療の保証が受けられなくなってしまいます。

セラミック歯の保証期間・保証内容は歯科医院に相談を

他にも、「予測のできない変化が生じた場合」のように、想定外の状況には対応していない保証も存在します。クリニックにより保証の程度や期間は異なりますので、保証に入る際にはかかりつけの歯科医院に相談を。

また、条件が厳しすぎるのも患者さんにとっては負担になりますので、今後セラミック治療を検討する可能性がある方はかかりつけの医院や来院可能な歯科医院のホームページで確認するか、直接確認をとってみてはいかがでしょうか。

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