水の飲み過ぎは水中毒で死亡する!日本の事例や何リットルで死ぬか紹介
「水を飲みすぎると水中毒になるって聞いたけど、何リットルまで大丈夫なの?」
健康のために意識して水をたくさん飲む方は増えていますが、水の飲みすぎは危険であることをご存知でしょうか?
今回の記事では水の飲みすぎによって引き起こされる「水中毒」の危険性や、死亡事例などを解説していきます。
水中毒になってしまう水の摂取量が何リットルなのかも紹介していますので、参考にして下さい。
この記事を読むと分かること
- 水の飲み過ぎは水中毒を引き起こし死亡する場合がある
- 実際に世界各地で発生した水中毒の死亡例
- 水中毒になる水の摂取量の目安
- 毎日飲むべき水分量の目安
水の飲み過ぎは水中毒で死亡する?
結論から言うと、冒頭でも少し触れたように水の飲み過ぎは水中毒で死亡する可能性があります。
健康や美容のため、あるいは熱中症対策として意識的に水分を取られている方は多いですが、短時間で一気に水分を取ったり、こまめであっても水を飲みすぎるのは危険な行為です。
詳細は後述していますが、水中毒で死亡している人は世界はもちろん日本でも出ているので、水分補給は適度な量に抑えることが大切でしょう。
水を飲み過ぎると体内の塩分バランスが崩れて水中毒になる
水を飲みすぎると血中の塩分濃度が薄まり、体内の塩分バランスが崩れることで水中毒が引き起こされます。
人間の生命活動を維持するためには、体内の水分と塩分のバランスが一定に取れていることが大切です。
しかし、水分を短時間で大量に摂取して水中毒になると血液が薄くなり、「低ナトリウム血症」を引き起こすことで水中毒を発症してしまいます。
芸能人などを真似して大量の水を飲むのは危険
美容のために大量の水を飲むと公言している芸能人もいらっしゃいますが、人それぞれに水分補給の目安量が存在しています。
そのため、安易に真似をすると水中毒になったり、予期せぬ不調が起きる可能性があるため水分補給は慎重に行いましょう。
水を飲みすぎて水中毒になった場合の主な症状
次に代表的な水中毒の症状を見てみましょう。
水中毒を発症すると、段階別に下記のような症状が出始めます。
下の症状が出るほど重症となるので、もし水を飲みすぎて自身や周囲にこのような症状が見られた場合は早急に病院に行くか、救急車を呼ぶなどしましょう。
水中毒の主な症状
- 軽症:頭痛、めまい、疲労感
- 中等症:下痢、頻尿、浮腫
- 重症:錯乱、嘔吐、意識障害、呼吸困難、肺水腫、うっ血性心不全
- 最悪の場合:死亡や重篤な後遺症
水中毒では上記のような症状が引き起こされ、最悪の場合は死に至るケースもあるので非常に危険です。
このように水の飲みすぎは体に良くないため、水分はこまめに適切な量を取るように心がけることが大切です。
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水中毒になった場合は塩分をゆっくり補給
もし万が一、水中毒になってしまった場合、軽症であれば塩分(塩化ナトリウム)をゆっくりと補給しましょう。
ただあくまでも軽症だった場合の話で、もし下痢や嘔吐などの症状が出ていた場合は即座に病院に行きましょう。
塩分補給の方法としては、経口補水液の摂取や梅干し、塩飴といった食品を口に入れるのがおすすめです。
ただし一気に何個も梅干しや塩飴を食べるのでなく、1個ずつ時間をかけて食べていくのが大切です。
一気に塩分を補給すると、今度は食塩中毒になってしまう可能性があるので、ゆっくりと補給しましょう。
実際に発生した水の飲み過ぎによる水中毒の死亡事故の事例
ここまで水中毒の症状やメカニズムを紹介してきましたが、現実として水中毒という症状に馴染みのない方がほとんどではないでしょうか。
そこで実例として、世界各地の水の飲み過ぎによる死亡事故を紹介していきます。
【アメリカ】Wiiが景品となった水飲み大会で女性が死亡
2007年にアメリカのラジオ局が開催した水飲みコンテストで、参加者の女性が水中毒で亡くなるという痛ましい事故が起きています。
このコンテストはトイレや嘔吐を我慢して最も多くの水を飲んだ参加者に対し「Wii」を贈呈するという企画で、225mlの水を15分間隔で飲まなくてはなりませんでした。
参加した女性の1人がコンテスト終了後に頭痛を訴えて自宅に戻り、その後死亡しています。
検視官によってこの女性が亡くなった理由が水中毒であることが断定され、結果としてラジオ局は彼女の遺族に対し1675万ドル(約15億円)の支払いを命じられました。
水を大量に飲むコンテストの危険性を、開催者や参加者が充分に理解していなかったことで起きた事故だと言えるでしょう。
コンテスト関係者の誰か一人でも水中毒の危険性を訴えていたら、このような悲劇は免れていたかもしれません。
【日本】宮崎県宮崎市の病院で女性患者が水を飲み過ぎ死亡
2012年には、日本の宮崎県宮崎市で当時36歳だった女性が水中毒によって死亡するという事故が起きています。
女性は統合失調症を患っており、治療のために入院を開始しました。その同日に病室の洗面台で大量の水を飲んだことが原因で水中毒となり死亡しています。
遺族は水道の元栓を占めなかった病院側のミスであるとして損害賠償を求め、結果として病院側は遺族に対し2600万円の支払いを命じられました。
過失を認められているということは、病院側に女性の情報に関して連係ミスがあったことが推測されます。
精神疾患による症状として水を大量に飲んでしまうという例もあり、その場合は患者が自分の意思で水分量をコントロールすることは難しいでしょう。
この事例のように、水中毒にならないよう周囲の方の理解やサポートが必要なケースも存在します。
1日何リットルの水を飲むと水中毒になる?致死量は?
1日で6リットル以上の水を飲むと致死量
結論から言うと、1日に6リットル以上の水の摂取は致死量とされています。
また、6リットルまでいかずとも3リットル以上の水分補給は季節や体重にもよりますが、飲み過ぎです。
水中毒で死ぬことはなくても、体調不良や頭痛などの症状が出てしまう可能性は高いでしょう。
詳細は後述していますが、1日に必要な水分の量は体重の4%程度とされていますので、それ以上の水分補給は身体に負担がかかるだけでなく、最悪の場合は水中毒を引き起こしてしまうでしょう。
参考:高度8000m、水6リットル、塩小さじ48杯など、あなたを殺す予想外の物
7リットル以上の水を飲んで死亡したケースは多い
実際の死亡事故の例を見てみると、水を飲むコンテストの参加者が死亡した例では短時間で約7.5Lの水を飲んだ後に自宅で頭痛を訴えて亡くなるという事例がありました。
別の例では、フットボールの練習中に合計で約14Lもの水を飲んだ人がその後死亡しています。
このことから、1日に7L以上の水分摂取はかなり危険と言えるでしょう。
また、1L程度の水であっても1時間以内に一気に飲むことは危険ですので、小分けにして飲むことが大切です。
暑い季節は一気に水を飲みたくなってしまうものですが、飲みすぎは危険と隣り合わせであることを覚えておきましょう。
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1日で摂取したい理想的な水分量は?
1日で摂取したい水分量の目安は体重の4%
理想的な1日の水分量の目安は、体重の4%とされています。
例えば体重が60kgの方であれば【60kg×0.04=2.4L】が一日の水分補給量の目安となるでしょう。
そのため、一度ご自身の体重に0.04を乗算して適切な水分補給量の目安を算出してみてください。
ただ60kgで2.4Lという水分補給の量は水だけじゃなく朝昼晩の食品の水分も含まれているので、実際に飲水として摂取するべきなのは1L~1.4Lほどとなるでしょう。
計算が面倒な方は1日1L~1.5Lを目安に水分を摂取しよう
「いちいち計算するのは面倒だ」という方は、ざっくりと1日あたり1L~1.5Lの水分補給をすれば問題ありません。
500mlのペットボトルに換算すると、2本から3本ほど毎日飲むイメージです。
ただ日頃から運動をしていたり、夏場で大量の汗をかいているような場合は、上記よりも適時水分補給の量を増やすべきでしょう。
水の飲み過ぎは最悪死亡する事例や目安まとめ
今回の記事では、水中毒のリスクや死亡事故の例について解説しました。
水を飲む方の中には誤った健康情報に踊らされて、強迫観念のように大量の水を摂取する方もいらっしゃいます。
しかし1度に大量の水を飲んだり、1日を通して10L近い水を飲むといった危険な水分補給の仕方は水中毒で死亡する可能性があるので絶対にやめましょう。
特に夏は暑さによる発汗で、塩分が失われる上に水をがぶ飲みしてしまいがちですが、何事もやり過ぎは良くありません。
1日で1L~1.5L程度の水分補給を目安に、発汗量や運動量に応じて適度な水分補給を心がけていきましょう。
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