災害時に水の備蓄は1人当たりどれくらい?保存水はウォーターサーバーがおすすめ
ここ数年、日本は地震や台風、記録的な大雨といった様々な災害に見舞われてきました。
東日本大震災以降「もしもの時に備える」という防災意識は高まり、多くの人が水の備蓄を考えているはずです。
そこで今回は災害時に必要な水の量や備蓄方法、保存水にウォーターサーバーがおすすめな理由などを紹介していきます。
この記事を読むと分かること
- 災害時に必要な水の備蓄は一人あたり3L/1日
- 給水車が到着するまでの時間から、最低でも3日分は備えるべき
- 備蓄水におすすめの水
- 備蓄水にウォーターサーバーがおすすめな理由
災害時に水の備蓄は1人当たりどれくらい?
災害時に必要な備蓄水は1人あたり最低9Lとされている
備蓄すべき水量の最低ラインとして、日本では1人につき3日分9Lの水の備蓄が推奨されていています。
これは災害時に給水車が到着するのにかかる時間が3日で、人間が一人当たり1日3Lが必要という根拠の下に計算された量です。
そのため、家族の人数に応じて必要な備蓄水の量もどんどん増加していきます。
首都直下や南海トラフなどこれらの大きな地震が半世紀以内に起こることが予測されていることからも、もしもの備えとして備蓄水を用意している方も多いでしょう。
しかし、防災リュックなどには500mlペットボトルが2、3本程度入っているのがほとんどですので、備蓄水としてはあまりにも心許ないです。
災害時に確実かつ安全に生き延びるためには、何らかの形でより多くの備蓄水を用意する必要があるでしょう。
熊本地震や千葉の水害以降は最低15L、21Lを推奨している
熊本地震をきっかけに、これまで災害時に必要とされる備蓄水の量が1日分3Lから5日分15Lに変更となりました。
また、令和元年に千葉県で発生した豪雨では、ライフラインが回復するまでに1週間を要した背景から、1週間分の水を推奨する動きもあります。
しかし、新たな備蓄水の目安だと3人家族の場合は最低でも45Lも備えておく必要があり、2Lペットボトルにすれば23本とかなりの量になります。
これだけの本数を常時備蓄するとなるとかなりのスペースが必要なので、難しい家庭も多いのではないでしょうか。
災害時に備蓄水、保存水が必要になってくるケース
食事や飲み物として体に取り込むのも当然ながら体の汚れを落としたりと、私たち人間は生活において実に多くの水を使います。
それは古くから変わらないようで、例えば「水に流す」ということわざがあったり、儀式としても穢れなどを水に流すことだってありますよね。
いかに日常において水が重要であるかは今更言うまでもありませんが、それは災害という非常時においても変わりません。
食事や水分補給
水分補給のためには一日におおよそ2Lから2.5Lの水が必要となります。
しかし水分補給以外にも、例えばアルミパウチの食事を温めるだとかそういった食事の用意にも水を使用するため、水分補給の分以上に水を使用します。
最近では水やお湯を使わない非常食もありますが、やはり温かい食事の安心感などは格別であるため、まだしばらくは水やお湯が必要な非常食が主流となるでしょう。
衛生や健康を維持
災害下の状況で最も避けたいのが、病気になってしまうことでしょう。
しっかりと食事を摂取し身体を休める環境が得られないと、もしかすると不安やストレスから体調を崩してしまうかもしれませんよね。
それを避けるためにも、手や身体を洗ったり、歯を磨いたりするために使用する水は重要になっていきます。
災害時の備蓄水、保存水におすすめの水
これから災害に備えて水を備蓄するなら、飲用とそれ以外に仕分けて用意するのがおすすめです。
水道水:飲用以外の目的で清潔な容器に備蓄する
水道水は飲用以外の目的で、清潔な容器やポリタンクなどに備蓄するのがおすすめです。
というのも水道水は備蓄水として用意したとしても、冷暗所保管で3日、冷蔵庫で7日程度しか持ちません。
そのため、「ローリングストック」することが重要になります。
ローリングストックとは?
ローリングストックは、災害時の備えの一つの方法です。
普段食べているものを少し多めに用意して、なくなったらまた買いそろえるというサイクルを繰り返すので、誰でもできる防災対策と言えます。
ローリングストックによって備蓄庫に慣れ、そして使用期限の長い非常食を備える必要がないためうっかり期限切れ、なんてこともなくなりますよ。
水道水を保存水、備蓄水にする方法
水道水を備蓄するためには、まず清潔で蓋が閉められる容器を用意します。ここでは10L程度の水が入るポリタンクがおすすめです。
容器は十分に洗浄してから、空気の入らないように水道水で満たし確実に蓋を閉めます。
水道水には塩素が含まれるため、清潔な容器に入れた水は空気や雑菌を避けることで長期間持たせることが可能となるのです。
そのためつい塩素を避けるために浄水器を使用した水道水を保存したいと思ったとしても、長期保存しても安全という観点から浄水器を使用しない水道水で備蓄水を作るようにしましょう。
ミネラルウォーター:長期保存水を災害用に備蓄する
市販のミネラルウォーターも備蓄水におすすめですが、スーパーなどで売っている普通の水ではなく災害用の「保存水」利用しましょう。
保存水は中身は通常のミネラルウォーターと変わらないのですが、通常よりシールド機能に優れたペットボトルを採用することで、賞味期限が5~10年になっています。
一般的なミネラルウォーターの賞味期限は1年前後であることが多いので、災害時の備蓄水としては非常に適しているでしょう。
ミネラルウォーターは賞味期限が過ぎても飲用は可能
実はミネラルウォーターは賞味期限が過ぎても飲用は可能であるケースが多いです。
過去に立川市が賞味期限が切れた水は飲用に適さないとして捨てて問題になった背景から、各省庁や新聞社で賞味期限が切れた水も基本的には安全に飲める旨を発表しています。
参考:産経新聞 賞味期限を過ぎたペットボトルの水は飲めるか、飲めないか?
多くのミネラルウォーターの表面に記載されている使用期限は、あくまでも年月の経過によって内容量が法の規定値以下となるまでの期限であり、水の品質自体は経年によって劣化する訳ではありません。
国産のミネラルウォーターのそのほとんどは加熱殺菌処理が施された水であるため、品質の劣化が起こりにくくなっています。
とはいえわずかながら空気が入りますし、保存環境によっては100%安全とは言えませんが、賞味期限が切れても基本的には内容量が減るだけで安全に飲むことができます。
長期保管可能な保存水の容器は普通のミネラルウォーターのペットボトルよりも厚みのあるものが使われているので、内容量が減るまでの期間が長くなるために使用期限が長く設定されているのです。
ウォーターサーバー:予備ボトルをローリングストックで備蓄水にする
ウォーターサーバーも、災害時の備蓄水を常備する上で非常に便利です。
ウォーターサーバーは7Lや12Lといった大容量の水ボトルが定期的に2~3本配送されるので、サーバーにセットしてないボトルはそのまま備蓄水として利用できます。
ボトルは順次使っていき、届いたものを備蓄水に回すことで効率的にローリングストックをすることもできるでしょう。
また、ウォーターサーバーのボトルは災害時には取り外して使用することもできます。
大容量なので、配送された予備ボトルと合わせれば家族が数日困らないだけの水を確保できるでしょう。
最近では多くのウォーターサーバーメーカーが避難時にボトルを持ち運ぶことを推奨しているため、日常生活を快適にしつつ非常時の備えとしてウォーターサーバーを導入する方も増えています。
災害時に必要な水の量や保存方法まとめ
今回は災害時に必要な水の量や、その備蓄などについて紹介してきました。
人が生きていくうえで重要な水は、必ず用意しておかなくてはいけないものであるため、リスク分散のためにも一か所にまとめて保管するのではなく分散して何か所かで保管するようにしましょう。
どうしても場所をとってしまいますが、理想としては自宅内でも何か所かに分けて置き、車などの自宅外でも保管するとより非常時の安全につながること間違いなしです。
これを機に、災害対策について今一度検討してみましょう。