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インプラントと差し歯の違いは?メリット・デメリット治療するならどっち?

インプラントと差し歯の違いをご存じですか?
歯を治療中の方で「インプラントと差し歯どちらがいいのか?」と判断に悩まれている方もいるでしょう。
なかには、インプラントと差し歯が混同している方もみえます。

本記事では、インプラントと差し歯の違いやメリット・デメリット、治療の流れなどを解説していきます。
インプラントと差し歯の違いを理解したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

インプラントと差し歯の違い

差し歯とインプラントは、どちらも虫歯・歯周病や事故などの影響で欠損した歯を補うための歯科治療ですが、治療法としてはまったくの別物です。

失った歯を補うという点はどちらも同じなので、患者さんのなかには、差し歯とインプラントを同一のものと思っている方もみえます。

また、差し歯とインプラントは別のものと理解していても、どこが違うのか知らない方もいるでしょう。

以下に、差し歯とインプラントの違いを解説していきます。

最大の違いは自分の歯根の有無

差し歯とインプラントの違いとして、最も根本的に異なる点は歯の根っこがあるか、ないかにあります。

差し歯は、歯の根っこがしっかりと残っていて自身の歯が使える方に用いる治療法です。
自分の歯の根っこを使って、その上から被せ物を被せます。

一方、インプラントは、すでに歯を失っているまたは、歯の根っこを残すことが難しく抜歯の対象となっている方に適応する治療法です。
インプラントでは歯の根っこの代わりに人工のネジ(インプラント体)を使い、被せ物を被せます。

歯をすべて失った方は、差し歯治療を行うことはできません。
歯の根っこの有無で選択肢が変わることを覚えておきましょう。

歯根がない場合、差し歯にはできない

上述した通り、差し歯は歯の根っこが残っている方が適応症になります。
歯をすべて失った方は差し歯の治療を受けることができません。

歯をすべて失った場合、歯を補う治療法としてあげられるのが以下の3つです。

  • 入れ歯
  • ブリッジ
  • インプラント

なかでも、インプラント治療は審美性が高く、機能面や寿命などトータルでみてメリットが多いことから、近年、選択する方が増えています。

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差し歯のメリット・デメリット

差し歯は、歯の根っこに土台を入れて、被せ物を被せる治療法です。
虫歯や破折などで歯の一部を失って、歯の根っこ部分は十分残っている方が適応になります。

こうした前提をふまえた上で、差し歯のメリット・デメリットをひとつずつ確認していきましょう。

差し歯のメリット

差し歯のメリットは4つあります。

  • 健康保険が使える
  • 外科手術を伴わない
  • 多くの歯科医院で治療可能
  • 治療期間が短い

健康保険が使える

差し歯は保険適応で行える治療方法です。
被せ物の素材によっては、保険適応内で治療することが可能です。

健康保険が使えず、自由診療が原則となるインプラントはどうしても治療費が高めになります。
費用をできるだけ安く済ませたい方にとって健康保険が使えるのは差し歯の最大のメリットでしょう。

外科手術を伴わない

差し歯は、外科手術を伴わない治療法です。

外科手術を伴うインプラント治療は、希望するすべての方が治療できるとは限りません。

一方、差し歯は歯の根がしっかりと残っていれば行うことができます。
外科手術を伴わないので少ないリスクで治療できる点はメリットでしょう。

多くの歯科医院で治療可能

差し歯であれば、近所の歯科医院で治療が可能です。

高精度なインプラント治療を行えるのは、コンピュータによるシミュレーションや安全な外科手術を行うための環境など、一定程度、最新の設備を備えた歯科医院に限られます。

差し歯は外科手術を行わない治療法なので、自由診療の差し歯を選択した場合でも行なってもらえる可能性が高いでしょう。
保険適応の場合、被せ物の素材は銀歯とプラスチックに限定されますが、自費治療を選択すれば金やセラミックなど幅広い素材から選択できます。

治療期間が短い

差し歯の治療期間は1ヶ月〜2ヶ月とインプラント治療と比較して短期間で治療が完了します。

通院に時間をかけられない方、早く治療を終わらせたい方にとって短期間で治療が完了するのは大きなメリットでしょう。

差し歯のデメリット

差し歯のデメリットは以下の4つが挙げられます。

  • 保険治療の場合、審美性に劣る
  • 経年劣化が大きい
  • 歯の根が欠けるリスクがある
  • 自由診療の差し歯は費用が高額

保険治療の場合、審美性に劣る

保険の差し歯を選択した場合、審美性が損なわれる可能性が高いです。

保険治療は、機能回復を目的としているので審美面を重視した治療方法ではありません。
保険適応の差し歯は、銀歯やプラスチックを使用しているので不自然な見た目から、差し歯だと周囲に気付かれやすいデメリットがあります。

経年劣化が大きい

保険適応の差し歯の場合、銀歯やプラスチック(レジン)を材料に作られます。

年数が経過するとプラスチック部分の変色や、銀歯部分は周囲の歯茎にリング状の黒ずみがでる「ブラックマージン」が出現するケースが多く経年劣化が起こりやすい点がデメリットです。

歯の根が欠けるリスクがある

歯の根っこの神経がない場合、歯がもろくなるので根っこが破折して差し歯が使えなくなるリスクがあります。

神経のない歯は、栄養が届かない状態なので枯れ木のような状態です。
大きな負担や、慢性的な負担が掛かると神経のある歯と比較して、破折してしまう可能性は高くなります。

自由診療の差し歯は費用が高額

審美性や機能面を重視して自費治療の差し歯を選択するのも一つの手段です。
しかし、機能面や審美面は向上しますが費用が高額になるので経済的負担が増してしまいます。

口内の状態やかかる費用によっては、インプラント治療に切り替えることも検討対象になるかもしれません。

インプラントのメリット・デメリット

前章でご紹介した差し歯のメリット・デメリットに対して、インプラントのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
以下、おおまかにまとめて紹介します。

インプラントのメリット

インプラントのメリットは4つあります。

  • 天然歯と変わらない高い審美性
  • 天然歯と同等の噛み心地
  • 周囲の歯を削る必要がない
  • 寿命が長い

天然歯と変わらない高い審美性

インプラントの被せ物の材料は、セラミックやジルコニアなどが多く使われます。
セラミックやジルコニアであれば、天然歯に近い見た目にすることが可能です。

治療後も、インプラントを使用していることを周囲に気付かれるリスクは少ないでしょう。

天然歯と同等の噛み心地

インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋めて被せ物を被せるので、自分の歯と同じような噛み心地が得られます。
何でも気にせずに噛めることは大きなメリットと言えます。

周囲の歯を削る必要がない

入れ歯やブリッジを選択した場合、隣接歯や周囲の歯を支えとして利用するので、歯を削る必要があります。

一方、インプラントは周囲の歯を支えとして使用しません。
隣接歯・周囲の歯を削る必要がないので健康な歯を守ることができます。

寿命が長い

インプラントの寿命は長く10年生存率が95%と高い水準を保っています。

日頃のケアと歯科医院での定期検診でメンテナンスを行っていけば10年以上使うことも十分可能です。

インプラントのデメリット

インプラントのデメリットは4つあります。

  • 保険治療の場合、審美性に劣る
  • 経年劣化が大きい
  • 歯の根が欠けるリスクがある
  • 自由診療の差し歯は費用が高額

外科手術が必要

インプラントは外科手術が必要です。
そのため、治療を希望したすべての方に適応できる治療法ではありません。

外科手術をともなうので、糖尿病・骨粗鬆症など基礎疾患がある方や高齢で手術にリスクがあると判断された場合は適応外になります。

手術や治療が苦手な方は、精神的な負担も増してしまうでしょう。

費用が高額

インプラントは保険適応外の自費治療。
治療費は、保険適応できる入れ歯・ブリッジと比較して高額です。

インプラント1本あたりの費用目安は30万円〜40万円と言われています。

治療費は一括で支払うケースが一般的なので、まとまったお金が必要になる点がデメリットとして挙げられます。

治療期間が長い

インプラントの治療期間は3ヶ月~1年が目安。
早く治療を完了させたい方には不向きな治療法になります。

インプラントの治療期間が長くなるのは、インプラント体と顎の骨が結合する待機期間が必要なためです。

待機期間は、顎の骨や口内環境・全身状態にも左右されますが2ヶ月〜10ヶ月ほどかかります。

定期メンテナンスに通う必要がある

インプラントを長く使うためには、治療完了後のケアがポイントになります。

自宅で行うブラッシングも大切ですが、歯科医院での定期検診でインプラントやインプラント周囲に異常がないか確認が必要です。

治療完了後も、定期的に歯科医院に通うことが難しい方にはデメリットになります。

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インプラントと差し歯の費用の違い

インプラントと差し歯、どちらかの治療を真剣に検討する方にとって「金額がどのくらい違うか」はあるいは最大の関心事はかもしれません。

以下に、インプラントと差し歯の費用面での違いを解説していきます。

差し歯は保険治療と自費治療で費用が変わる

差し歯は、保険適応と保険適応外の自由診療で費用が大きく異なります。

保険適応による差し歯治療:1本5,000~1万円程度

保険適応の負担額は、3割負担の方で1本5,000~1万円ほどで治療が可能です。

最低限の機能回復を目的とする分、安価で行える治療法となります。

自由診療の差し歯治療:1本10~15万円程度

保険適応外の自由診療の場合は1本10万円〜15万円が目安となります。

自由診療は一人ひとりの口内の状態を確認したうえで、審美性・耐久性がより良くなる素材を選択、精度の高い治療を受けることが可能です。

自由診療の差し歯は、選択する材料や歯科医院の価格設定によって費用が大きく変わるため、事前の歯科医との綿密な相談が重要となります。

インプラントは自費治療

インプラントは保険適応外の自由診療が一般的で、原則、費用は全額自己負担です。

インプラント治療:1本30万円~40万円

インプラントの費用相場は1本30万円〜40万円と言われています。

インプラントは、高度な技術と最新の設備・機材が必要なので費用は、高額になる傾向があります。

クリニックごとに価格が異なる他にも、治療する部分によって価格設定を変えているクリニックもあります。

ただし「病気・事故などで顎の骨を広く失った」「先天的な異常で顎の骨を1/3以上失っている」などの理由がある方は保険が適応されます。

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インプラントと差し歯の治療の流れの違い

インプラントと差し歯は、治療方法が異なるので治療の流れにも違いがあります。

治療期間に着目してみるだけでも、インプラントが約3ヶ月~1年、差し歯が約1ヶ月~2ヶ月と大きく異なります。

以下に、インプラントと差し歯の治療の流れを順にみていきましょう。

差し歯の治療の流れ

差し歯の一般的な治療の流れは以下の通りです。

  1. 初診・カウンセリング

  2. 口内の検査・治療計画の策定
  3. 虫歯などの治療
  4. 土台の型取り・装着
  5. 被せ物の型取り・装着
  6. 定期メンテナンス

差し歯は、歯の根っこを支えとして使用するため虫歯治療や神経の処置が必要な場合は、神経を取る処置を行います。
神経の処置が必要な場合、通院回数が多くなるケースが一般的です。

虫歯などの治療を終えたら、歯の根っこと被せ物を繋ぐ土台の型取り・装着をします。

土台を装着したら、最終的な被せ物の型取りを行い、準備した被せ物を装着すれば治療完了です。
以上の流れを約1~2ヶ月程度の期間で行うのが通常です。

インプラントの治療の流れ

インプラントの一般的な治療の流れは以下の通りです。

  1. 初診・カウンセリング
  2. 資料取り・治療計画策定
  3. インプラント手術(一次オペ)
  4. 待機期間
  5. インプラント手術(二次オペ)
  6. 仮歯の作成・被せ物の型取り装着
  7. 定期メンテナンス

インプラントは外科手術をともなう治療法です。
手術は、採用する方法によって異なり1回だけで済む1回法と2回行う2回法があります。

1回法は、顎の骨にインプラント体を埋める際に、インプラント体と被せ物を繋ぐ土台(アバットメント)を装着します。
歯茎からアバットメントが見える状態で手術は完了です。

2回法は、手術の際に、インプラント体を埋め込みそのまま歯茎を縫合します。
待機期間を経たらインプラント体と被せ物を繋ぐアバットメントを取り付ける2回目の手術が行われます。
2回目の手術は1回目と比較して簡単な手術なので30分〜1時間程度で完了するケースが多いです。

インプラント治療に不可欠な2~6ヶ月程度の待機期間

また、インプラントの治療期間が長い理由として待機期間があります。

待機期間は、インプラント体と顎の骨が結合するのを待つ期間。
待機期間を設けずに被せ物を被せてしまうと、噛んだ時の刺激を受けて、インプラント体と顎の骨の結合が阻害されてしまいます。

待機期間は、インプラント治療には必要不可欠で顎の骨の状態で異なりますが2ヶ月~6ヶ月が目安とされています。

インプラントと差し歯、どっちが向いている?

ここまでインプラントと差し歯の違いを、さまざまな角度から比較してきました。
どちらの治療法にもそれぞれ一長一短があるため、これらの違いを理解した上でも、自分にはどちらの治療法が向いているか、判断に迷う人がいてもごく当然です。

ここまでの内容をふまえて、差し歯が向いている人はどんな人か、インプラントが向いている人がどんな人かを確認していきましょう。

差し歯が向いている人

差し歯は、歯の根っこが残っていないと行えない治療法です。
そのため、歯を全部失っている方は、差し歯の治療は行えません。

差し歯に向いている人は、治療費を抑えたい方、歯の根っこが十分に残っていて予後が良い方に向いていると言えます。

治療費を抑えたい人

歯の根っこが残っていて、治療費を抑えたい方は、保険適応できる差し歯が向いているでしょう。

歯の根っこが十分残っていて予後の状態が良い人

歯の根っこの状態が良ければ、自由診療の差し歯を選択してインプラントと同様に審美性・機能性の高い治療を受けることも可能です。

一方、歯の根は残っていても、残る歯周辺の状態が悪く、予後に不安がある場合は、歯を抜歯して審美性・機能性の高いインプラント治療を選択するのも1つの手段です。

インプラントが向いている人

インプラントは、歯の根っこが残っていない、歯をすべて失った方に適応される治療法です。
歯がなくなってしまった場合は差し歯は利用できないため、入れ歯・ブリッジあるいはインプラントのいずれかを選択することになります。

天然歯のような見た目と噛み心地をキープしたい人

インプラントは、天然歯と変わらない自然な見た目と、噛み心地が特徴として挙げられます。
保険適応外の自由診療なので、費用は全額自己負担になりますが天然歯のように使いたい方に向いている治療法です。

健康な歯を削らずに残したい人

また、入れ歯・ブリッジは周囲の歯を支えとして利用するので、失った歯の隣の健康な歯を削る必要があります。
周囲の歯を削るのに抵抗がある・負担を掛けたくないと考えている場合、インプラントを検討するといいでしょう。

希望してもインプラント治療できないケースも

ただし、インプラントは外科手術をともなうので、希望しても健康状態によっては治療できない場合があります。
インプラントを検討している方は1度、歯科医師に相談してみましょう。

まとめ

インプラントと差し歯の治療法は大きく異なります。

以下の表にインプラントと差し歯の違いをまとめました。

インプラントと差し歯の違い まとめ
インプラント 差し歯
適応症 抜歯した方 歯の根がある方
治療期間 約3ヶ月〜1年 約1ヶ月〜2ヶ月
費用 約30万円〜40万円 保険適応:約5千円〜1万円
自由診療:約10万円〜15万円
メリット
  • 天然歯と変わらない高い審美性
  • 天然歯と同等の噛み心地
  • 周囲の歯を削る必要がない
  • 寿命が長い
  • 健康保険が使える
  • 外科手術を伴わない
  • 多くの歯科医院で治療可能
  • 治療期間が短い
デメリット
  • 外科手術が必要
  • 費用が高額
  • 治療期間が長い
  • 定期メンテナンスに通う必要がある
  • 保険治療の場合、審美性に劣る
  • 経年劣化が大きい
  • 歯の根が欠けるリスクがある
  • 自由診療の差し歯は費用が高額

インプラントと差し歯は、適応となる方や治療方法・治療期間など違う部分が多くあります。

どちらの治療が向いているのか、メリット・デメリットなど理解したうえで選択するようにしましょう。

どちらの治療が向いているのか分からない方は、歯科医院に行って相談することをおすすめします。

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