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老後にインプラント治療を受けるデメリットは?注意点も解説

老後に自分の歯が少なくなってしまい、インプラント治療を受けようか迷っている高齢者の方も少なくありません。

インプラントは高齢者にとってもメリットの大きな治療法である一方、ご本人の体調や身体状況によっては老後の治療であることが引き起こすデメリットも存在します。

今回は、老後にインプラント治療を受けるデメリットについて、メリットや注意点などをあわせて解説します。

現在、インプラント治療をお考えの高齢者の方は、ぜひ参考にしてください。

老後にインプラント治療を受けるデメリット

早速ですが、老後にインプラント治療を受けるデメリットを見ていきましょう。

インプラント治療ができない場合がある

老後にインプラント治療を受けようと思っても、主に下記の理由でできない場合があります。

  • 顎の骨の量・厚さ
  • 持病の影響
  • 体力面の問題

顎の骨の量・厚さ

インプラントは顎の骨に直接埋め込み、疑似的に歯を作る治療法です。

よって、土台となる顎の骨の量が少ない、または厚みに問題がある場合には治療が受けられない場合も。

顎の骨に問題がある場合は「骨造成手術」を行い、骨の厚みを十分に確保してから行われます。

ただし、加齢の影響で骨の造成がうまくいかない場合はインプラント治療を受けられない可能性もあります。

よく主治医と相談して治療方針を決めることが大切です。

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持病の影響

高齢の場合、一例として下記のような持病の影響でインプラント治療がうけられない可能性があります。

  • 高血圧
  • 各種心疾患
  • 脳卒中
  • 糖尿病
  • 呼吸器疾患
  • 骨粗しょう症
  • 自己免疫疾患 など

インプラント治療において、これらの病気がリスク要因となるのは高齢者に限ったことではありませんが、老後にインプラントを行う場合は特に病気をコントロールしながら手術を受けることとなるので、身体への負担がかかります。

もちろん、これらの病気にかかっているからといって、絶対に治療を受けられないわけではありません。

持病がある方も、まずは主治医に病気があることを含め、インプラント治療が最適か、相談するようにしてください。

体力面の問題

老後にインプラント治療を行う場合、体力面も大きな課題となります。

インプラント治療は「歯の治療」とかんたんに捉えられがちですが、実際には「外科手術」です。
麻酔も使うほか、骨に穴をあけたり、歯茎を切ったりと決して簡単なものではありません。

体力面に不安がある場合、インプラントの手術に耐えられない、もしくは耐えられてもメンテナンスに通えないケースを考えると、治療が難しくなります。

体力面で不安がある場合、今の生活状況をしっかりと歯科医師に伝え、相談する必要があります。

定期メンテナンスと日常的なケアが必要

インプラント治療は一度受けたら終わりではなく、定期メンテナンスと日常的なケアが重要です。

手術が成功し、インプラントがうまく埋められても、高齢でメンテナンスに通うのが面倒になってしまうと危険です。

老後にインプラント治療を受ける場合、きちんとメンテナンス面も問題なく受けられるかも考えて治療判断をしましょう。

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自分で受診できなくなるとケアが難しくなる

老後にインプラントを受けた場合、高齢になってくると自分で歯科医院を受診することが難しくなることも十分に考えられます。

自分で受診できなくなった時、メンテナンスをどのように行っていくかは、老後にインプラント治療隤受ける方の課題です。

骨とインプラントの結合に時間がかかる

インプラント治療では、顎の骨に直接インプラントを埋め込むため、骨とインプラントの支え部分が結合するのに時間がかかります。

高齢で治療を受けると、骨の再生や結合に時間がかかり、インプラントの定着が難しいことも。

老後にインプラント治療を受ける際は、骨の結合に時間がかかるということを頭に置き、治療を受けましょう。

免疫力低下で細菌感染のリスク

高齢になってくると、風邪にかかっただけで肺炎をこじらせてしまい亡くなる方もみえます。

このように、老後は免疫力が低下しやすく、インプラント治療により細菌感染がおこるリスクがあるのです。

細菌感染を起こすと治療後にインプラント周囲炎になり、インプラントの定着がうまくいかなくなるリスクも。

老後だからこそ、細菌感染には特に注意し、ケアを怠らないことが大切と言えます。

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老後にインプラント治療を受けるメリット

老後にインプラント治療を受けるメリットも、多数存在します。
ここでは、老後にインプラント治療を受けるメリットをご紹介します。

食事を楽しめる

インプラント治療を受けると、入れ歯やブリッジなどの他の治療で疑似的な歯を用意するのと比較し、しっかりと食事を噛んで楽しめます。

もちろん、「歯根膜」の有無があり実際の歯と同一ではありません。
無理な力で噛むことは控えたほうがよいですが、硬すぎるものを食べたり、強くかみしめたりしない限りはふつうの歯と変わりなく食事が楽しめるのが大きなメリットです。

老後に歯を失っても、インプラント治療によってふたたび食事が楽しめるようになった方が多数います。

不安なく会話ができる

インプラント治療を受ければ、欠損した歯を取り戻すことができるため、会話の際にしっかりと発音し、話すことができます。
歯がない状態では会話がしっかりとできずに自信をなくしてしまう方もいますが、インプラントを埋め込むことで不安なく会話を楽しめるのはメリットです。

審美性に優れ若々しく見える

インプラントは外見が本物の歯のように見える造りをしているため、審美性に優れ若々しく見えるというメリットがあります。

入れ歯などはどうしても見た目が本物の歯とは異なるため、歳をとっている印象を与えてしまうこともありますが、その点インプラントなら見た目にも美しいため、堂々と人前に出ることができます。

認知症予防につながる

しっかりと噛むことや、楽しく会話を楽しむことは、脳への刺激となり認知症予防に繋がります。

平成22年の厚労省研究班が行った研究分析によると、咀嚼機能が弱い方や歯がないのに義歯を使っていない人は、歯が20本以上残っている人に比べ、認知症のリスクが1.9倍にまで高まることが分かっています。

参考:神奈川歯科大学プレスリリース「歯を失うと認知症のリスクが最大1.9倍に」

インプラント治療をうけ、しっかりと噛める義歯を手に入れることで、認知症のリスクが軽減されます。

身体機能を維持しやすくなる

しっかりと噛む力は、身体機能や健康維持に深く関係していると言われています。

スポーツ選手などはかみ合わせを非常に重視しており、力を発揮するにはしっかりとした歯があり、咀嚼できることが重要です。

インプラント治療を受けることで、しっかりと咀嚼する力を維持できるため、身体機能の低下を予防できます。

インプラント治療が老後の生活にもたらすもの

老後には、虫歯や口内環境の悪化により歯を失う方も多く、歯を失うことで身体機能が低下したり、食事や会話を楽しめなくなってしまったりするケースもあります。

実際に、咀嚼機能が弱くなったことにより、認知機能が低下し、認知症になってしまう方もいます。

老後の歯の欠損によって様々な困りごとが出る

歯はただ単に食事を食べる時のツール、というわけではありません。

食べること以外で歯が持つ機能として代表的なものとしては

  • 発音を助ける
  • 顔の形を整える
  • 身体の姿勢やバランスを保つ
  • (食べ物を細かく噛み砕くことで)消化を助け、胃腸の負担を和らげる
  • ものを噛むことで脳に刺激を与える

などが上げられます。

スポーツや重い荷物を持つ時など身体の能力を発揮するときにはしっかりとしたかみ合わせが必要となるほか、咀嚼にしてもただノドをスムーズに通るようにするためだけに行っているわけではありません。
食べ物を細かくし、飲み込んだ先で、食べ物を消化しやすくする胃腸を助ける役割も果たしています。

歯があることがめぐりめぐって、話す・噛むだけにとどまらず、身体のバランス感覚や体内での消化・栄養の伝搬まで、からだ全体に渡る機能の維持にも役立っているのです。

インプラント治療によって老後の困りごとを軽減できる可能性

歯の欠損で老後に困っている方は、インプラント治療によってしっかり噛む力、話す力を取り戻し、QOLが向上する可能性があります。

治療を迷っている方は、まずは信頼できそうな歯科医師に相談してみましょう。

老後にインプラント治療を受ける際の注意点

老後にインプラント治療を受ける際は、下記の点に注意しましょう。

専門性が高い歯科医を選ぶ

老後にインプラントを受ける際は、老後にインプラントを受けるデメリットの章でも解説した通り、細やかな配慮が必要です。

よって、専門性が高く、実戦経験豊富な歯科医であることはもちろん、インプラントの値段だけにとらわれず、しっかりと責任をもって治療をしてくれるところを探すことが大切です。

日常的な通いやすさも重要

インプラントは定期的な歯科医院でのメンテナンスが必須。必ず通いやすさも重視しましょう。

特に、治療直後はしっかりと定着するまでに頻繁に歯科医院に通う可能性もあるため、老後に足腰が弱ることも加味すると「実際に通うことができる距離・環境か」は非常に重要です。

毎日のセルフケアを怠らない

インプラントは自然の歯と同じく、毎日のセルフケアが重要です。特に老後は免疫力が落ち、細菌感染のリスクなども高まります。

口内環境を清潔に保つことが、インプラントを健康的に維持するポイントです。

老後は歯磨きも億劫になり、日常のケアを怠ってしまう方もいますが、逆に老後だからこそ、毎日のケアが重要となります。

歯のセルフケアを日常生活のルーティンに組み込み、忘れずしっかり行うようにしましょう。

自分でメンテナンスできなくなった際の対策を考えておく

あまり考えたくない話ではありますが、老後はだれしもずっと健康でいられる保証はありません。

中には、インプラント治療を受けたにもかかわらず、自分でのメンテナンスが難しく口内環境が悪化してしまう方も。

万が一、セルフメンテナンスや通院が難しくなった時にはどう対処するのか、歯科医師や家族とじっくり話し合って相談しておくことがおすすめです。

まとめ

老後のインプラント治療は「生活の質」向上の選択肢の一つ

老後のインプラント治療には、メリットだけではなく、デメリットも存在します。

持病や全身の状態によっては治療自体ができないことがありますので、人によって「ベストな治療法」は異なるもの。

とはいえ、歯が欠損したまま老後をずっと過ごすよりも、インプラント治療を受けしっかりと歯で噛んで食事を楽しんだり、運動や会話を楽しめたりする方が、生活の質を上げられる……というケースも多くあります。

最終的には信頼できそうな歯科医師に相談し、自分にとって最適と思える治療法を選んでくださいね。

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