給湯器から異音がする原因は?変な音の種類別に対処方法なども解説

給湯器から異音がする原因は?変な音の種類別に対処方法なども解説

突然、給湯器本体や周辺から変な音がするような場面に遭遇したら、使用を止めて原因を探る必要があります。

給湯器から発生する音には、正常な音と異常な音の二種類があります。異常音を無視すると、不完全燃焼やガス漏れなどを放置しかねないので危険です。

正常な運転音ではないと判断できたら、安全に給湯器を使用するためにも専門業者による点検修理を受けてください。

この記事では、給湯器で変な音が発生する原因、注意が必要な異音、正常な音、異音発生時の危険性などについて解説します。

危険性が高い給湯器の異音の種類と発生原因

給湯器から聞こえると注意が必要な異音の種類

故障の恐れがある代表的な異音は以下の5つです。特に、10年近く使用し続けている給湯器から、低く唸る音・甲高い音・爆発する音などの異音が発生したら要注意です。

  1. ボンッ音
  2. キーン音、カーン音、ドン音、ガン音
  3. ピー音、ピーピー音、ヒュー音
  4. ゴーッ音
  5. ポコンポコン音

それぞれの異音で、どのような不具合や異常が発生している可能性を示すのか、確認していきましょう。

ボンッ音

不完全燃焼やガス漏れの可能性

給湯器からボンッのような爆発音が鳴ったら、命に関わるような危険度が高い状態です。異音が発生する原因は、内部にある部品の経年劣化などによるもので、爆発的に着火が起こっている恐れがあります。

また、ボンッという爆発音の後でガス臭や排気口から黒煙が出ている場合は、不完全燃焼やガス漏れの可能性が非常に高いです。使用を続けると、一酸化炭素中毒や事故の原因にもなります。すぐに給湯器の使用を中止し、設置業者や給湯器業者などに点検を依頼してください。

キーン音、ドン音、ガン音

ウォーターハンマー現象

キーン、ドン、ガンなどの異音は、蛇口(給湯バルブ)を閉めた後に発生することがあります。また、配管からキーンといった金属のきしみ音がすることがあります。

水道の蛇口を急に開閉した際に、管内を流れる水の速度が急激に変化し、管内の圧力が急激に変化したときに発生する音です。ハンマーで金属を叩くような音がすることから、ウォーターハンマー現象や水撃作用と呼ばれています。

ウォーターハンマー現象が多発して、そのまま放置していると配管や給湯器自体のダメージが蓄積していきます。ある日突然使えなくなり、給湯器周辺に大きな損傷を与える場合があります。

ウォーターハンマー現象が頻発する場合は、設置業者や給湯器業者などに点検を依頼してください。

ピー音、ピーピー音、ヒュー音

ファンモーターの不具合

ピーッ、ピーピー、ヒューという笛のような甲高い音の異音が鳴ることがあります。この異音は、燃焼状態の異常、ファンモーターの不具合や故障、またはガスと空気の不均衡によるものです。

ピーッ、ピーピー、ヒューなどの異音が発生した時は、給湯器の内部にある部品が経年劣化などによって故障している可能性があります。ただし、異音が一過性で毎回のように鳴らない場合は、給湯器自体に致命的な問題がある可能性は低いと考えられます。

また、エラーコード610が表示された場合、ファンモーターの故障によるエラー停止の可能性があります。リモコンのオンオフ操作でエラーコードが消えない場合やピー音が続く場合は、設置業者や給湯器業者などに点検を依頼してください。

ゴーッ音

給排気口が異物で遮られている

ゴーッという異音は、給排気口が異物で遮られている場合や清掃やメンテナンスが不十分なために、大きな騒音として発生することがあります。

台風の後などで急にゴーッという異音が発生することもあり、強風などでホコリやゴミなどの異物が給湯器内に入ったり、虫やネズミなどの侵入が主な原因と考えられます。

放置すると十分な空気の流れや排気が確保できず、給湯器の能力を低下させるほか、不完全燃焼の原因などになります。

ポコンポコン音

循環パイプや熱交換器の不具合

ポコンポコンという異音は、循環パイプの勾配に異常がある、熱交換器に異物が詰まっているなどの不具合がある場合に発生する異音です。

この音は、「沸騰音」や「釜鳴り」と呼ばれる現象です。循環パイプが折れ曲がっていたり、不適切な洗浄や入浴剤の使用によって異物がたまってしまうことが原因です。

また、寿命などで風呂釜自体に問題がある場合、同様の音が発生する場合があります。

正常な給湯器の音の種類と発生原因

給湯器から聞こえてくる音の全てが異音というわけではありません。正常な音もあるので、安全か危険かどうかの聞き分けが重要になります。

  1. ブーン音、ウィーン音
  2. クックックー音
  3. グワン音、ウーン音、キュルキュル音
  4. ジュージュー音、シューッ音
  5. ピヨピヨ音、ピロピロ音
  6. カタカタ音、ガタガタ音

それぞれの音がどのように発生しているのか、安全な状況もあわせて確認していきましょう。

ブーン音、ウィーン音

ファンモーターが回転している

ブーン、ウィーンという音は、給湯器本体から聞こえてくる正常音です。

給湯器内部のファンモーターが回転している音で、給湯開始時から聞こえる正常な作動音です。出湯を停止しても約3~5分間はファンモーターが回り続けており、このような音はしますが徐々に止まります。

正常な音である可能性が高いため、基本的には気にする必要がない音ですが、音量が大きいような場合には故障や不具合の前兆かもしれません。あまりにも音が大きければ、メーカーや給湯器業者への点検・修理依頼を検討しましょう。

クックックー音

モーターが稼働している

給湯器のクックックーという音は、蛇口など給湯栓の開閉操作を行った後に聞こえる正常な作動音です。

給湯器の点火時、早くお湯の温度を安定させるためにファンモーターが作動している音です。給湯時の運転中に限らず、運転停止後も数分間はモーターが回り続けることで、このような音がします。

グワン音、ウーン音、キュルキュル音

ポンプが稼働している

グワン、ウーンという音は、給湯器内部の循環ポンプが稼働することによって聞こえる正常な作動音です。お湯の温度低下を防ぐためにポンプが作動している時に聞こえます。

振動音のようなので違和感がありますが、故障ではありません。お風呂に入っていると、微かな振動を伴って聞こえてくることもあります。

特に冬の寒い日などには音が大きく聞こえることがありますが、給湯器本体や配管の凍結を防ぐために循環ポンプが作動している証拠なので、心配ありません。不凍液ヒーター作動時も同様の音がすることがありますが、異常ではありません。

ジュージュー音、シューッ音

遮熱板で結露水が蒸発した

ジュージュー、シューッという音は、給湯器の使用中に熱交換器の影響で発生した結露水が、遮熱板などに落ちて蒸発した音です。正常な現象で蒸発音なので問題ありません。

ただし、給湯器の付近だけでなく水回り設備の付近も含めてシューという音がしている時は、既に給水・給湯管から水漏れを起こしている可能性が高いです。水道の元栓を閉めて音が止まる場合は、確実に水漏れを起こしています。

被害を最小限に抑えるためにもまずは止水を行い、業者を呼んで適切な処置をしてもらいましょう。

ピヨピヨ音、ピロピロ音

給湯器の稼働音

ピヨピヨ、ピロピロという音は、給湯器の電源を入れて耳を澄ますと、聞き取りにくいですが微かに聞こえます。

運転時に鳴りやすい給湯器の作動音となっており、正常な音なので問題ありません。給湯器の作動音なので、電源をオフにすると聞こえなくなります。

カタカタ音、ガタガタ音

何かの振動の影響・異常回転・異物の混入

カタカタ、ガタガタという音は、給湯器や周辺から聞こえる場合があります。基本的には、正常・異常両方の可能性がある音となっています。

正常な状態で鳴っている場合は、配管カバー・給湯器本体のビス・エアコン室外機・壁に立てかけられている何かの振動などで、カタカタ音がすることがあります。

不具合が発生している状態で鳴っている場合は、経年劣化によるファンモーターの異常回転・異物の混入・内部の部品の劣化などで、複数の原因があります。

音が鳴っていても正常に給湯できるようであれば、致命的な問題はないと判断できますが、念のために業者へ点検を依頼しておくと良いでしょう。

給湯器から変な音がした場合に確認対応すべきこと

給湯器から異音がした場合に対応すべきこと

給湯器から変な音がした場合、すぐに確認対応すべきことは大きく分けて4つあります。

  1. 音の種類を確認する
  2. 給湯器リモコンのエラーコードを確認する
  3. ガス漏れがないか臭いを確認する
  4. 給気口・排気口を遮るものがないか確認する

実際にどのようにして対応すべきなのか、その対処内容を確認していきましょう。

音の種類を確認する

まず、注意深く異音やノイズが聞こえるか、音の種類を確認してください。

故障や不具合による異常音か、正常音かを判断するのは難しいかもしれませんが、業者に依頼する際の情報として必要です。

音が給湯器のどこから聞こえるのか

音が聞こえるのは、給湯器の前からなのか裏からなのか確かめてみましょう。

また、お風呂に入っている時だけ聞こえるのか、部屋の中にまで響いてくる大きな音なのかどうかも問題です。逆に給湯器に耳を当てなければ聴こえないような小さい音という場合もあります。

給湯器の音が出るのはどういう時か

給湯器の運転開始直後や停止後などに鳴ってやがて消えていく音の場合、通常の作動音であるケースも少なくありません。

しかし、給湯器本体が振動している時に出る音や、追い焚きの時だけに聞こえる音は注意してください。どういう条件の時に聞こえるのか確認しておきましょう。

給湯器の音の変化

給湯器からの音が一定で特に変化がないなら、あまり心配ないかもしれません。ただし、音が高くなったり低くなったり、変化しつつ唸りを上げているようなら要注意です。給湯器からの音がどのように変化するのか、一定の時間、確認してください。

音を確認して異常音だった場合は、事故防止のために給湯器リモコンの運転スイッチを切り、使用を中止しましょう。メーカーや給湯器業者に点検・修理を依頼してください。

給湯器リモコンのエラーコードを確認する

給湯器に異常や不具合があると、お湯が出なくなったり、給湯器のリモコンに2桁や3桁のエラーコードが表示されることがあります。エラーコードは、番号によって給湯器のどこで不具合が発生したのかを示しています。

リモコンにエラーコードが表示されると戸惑うかもしれませんが、まずは落ち着いて各エラー内容ごとの復旧方法を試してみましょう。なお、使用している給湯機器の説明書で内容を確認できれば、最適な対処方法が分かりやすいです。

ガス漏れがないか臭いを確認する

給湯器本体から異音が聞こえてくる場合は、ガス漏れがないかどうかガスの臭いが発生しているかを確認してください。

給湯器の使用中にガスの臭いがしたら、すぐに給湯器の使用を中止し、電源を切ってからガス栓を閉めてください。使用を中断して、ガス栓を閉めてもガス臭がする場合は、ガス漏れや不完全燃焼が発生している可能性があります。

換気は窓を全開にして行い、爆発を誘発しかねない換気扇の使用は絶対にやめてください。安全を確保した後、ガス会社または業者に点検・修理を依頼してください。

業者が到着するまで、たばこやマッチなどの火気を使用したり、照明のスイッチを切り替えたりしないことも重要です。

給気口・排気口を遮るものがないか確認する

給湯器の周辺から異音が聞こえてくる場合は、給気口・排気口を遮るゴミなどの異物がないかどうかを確認してください。

給湯器は水を沸かしてお湯を作りますが、その際に発生する熱を排水口から排出します。温度は最新機種でも50℃を超え、古い機種では200℃近いものもあります。排気口付近に可燃物があると、異音だけでなく排熱により引火する恐れがあります。

また、設置時に小さかった樹木が大きくなり、枝葉がコンセント口を塞ぐ場合があります。異物を取り除いても改善しない場合は、メーカーや業者に点検・修理を依頼してください。

異音が発生している給湯器を使う危険性

火災に繋がるような事故に繋がる異音もある

異常な音がする給湯器をそのまま使用すると、取り返しのつかない重大な事故に繋がる恐れがあります。発生している音が異常なものだった場合は、後回しにしないようにしてください。

正常な音を知った上で、給湯器が危険な異音を発していたら、速やかにメーカーや給湯器業者を呼んで給湯器の点検修理を受ける必要があります。

日頃から掃除・メンテンスすることも意識

異音が発生する不具合が少しでも発生しにくくなるように、日頃から定期的な給湯器の掃除やメンテンスを行うことも大切です。

使用者自身が確認できる安全チェックによる点検でも十分有効なので、分かる範囲で確認すると良いでしょう。点検して何か異常があった際は、メーカーや給湯器業者に依頼してください。

まとめ

変な音が聞こえたら内容確認して最適な対応を

今回は、給湯器で発生したら注意が必要な異音、聞こえても問題ない正常な音、異音発生時の危険性や対処方法などについて解説してきました。

普段はあまり意識することはないかもしれませんが、給湯器は様々な作動音を立てながら動いています。正常な作動音であれば問題ありませんが、異音がした時は注意しなければいけません。

そのうち止むだろうと放置するのはやめましょう。給湯器の異音は一酸化炭素中毒、爆発などの危険を告げるアラートの可能性もあるからです。また、10年近く使用しているような給湯器であれば寿命かもしれません。

給湯器本体や周辺から聞こえてくる音に少しでも違和感を覚えたら、異常な音なのか内容を確認した上で、メーカーや給湯器業者に相談しましょう。

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