給湯器の号数とは?ライフスタイルに合った号数サイズの選び方も解説
給湯器は大小さまざまありますが、そのお湯を出す能力のことを号数といいます。どの号数を選択するかによって当然、使い勝手も異なってくるので要注意です。給湯器は毎日使うものだからこそ「キッチンで誰かが洗い物をしているとシャワーの水力が落ちてしまう」というような不便は感じたくないものですね。ライフスタイルに応じた適切な号数サイズの選び方などについて詳しく解説しましょう。
給湯器の号数とはどういう意味?
給湯器選びの際のひとつのキーワードともいえる号数ですが、そもそもどういう意味なのでしょうか。
給湯器の号数はお湯を出す能力のこと
給湯器の号数は簡単にいうと、お湯を出す能力のことです。号数サイズが大きいほど大量のお湯を供給できる給湯器ということになります。
具体的には給湯器の号数とは1分に25℃のお湯をどれだけ出せるかを表現している数値です。25℃のお湯を16号の給湯器で1分間に16L、24号の給湯器で1分間に24L出せます。
給湯器の号数品番から確認できる
現在使用中の給湯器の号数を知りたい時は本体に貼られたシールを見てください。そこにRUF-2400SAWやFH-241AWDといったアルファベットから始まる英数字が記されていますが、これは給湯器の型番になります。
型番はメーカーごとにさまざまな形式がありますが、必ず先頭がアルファベットになっていて、それに続く数字2ケタが給湯器の号数になります。たとえば、型番がGT-2422SAWXなら号数は24号というわけです。
給湯器の号数を選ぶポイント
給湯器の号数が大きければそれだけお湯を出すパワーがあることがわかりました。「大は小を兼ねる」とはいえ、号数が大きい給湯器ほどお値段も高くなります。適切な給湯器を選択するにはどうすればよいのでしょうか。
まずは給湯器の号数ごとの能力を理解
1分間に25℃のお湯を何L出せるかと聞いても、具体的にはどんな能力なのかピンと来ない人も多いでしょう。号数ごとに何ができるのかを簡単にまとめました。
10号 | キッチンだけの給湯 |
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16号 | 1年中シャワーを利用できる |
20号 | キッチンとシャワーを同時に使えるが冬は厳しい |
24号 | 1年中キッチンとシャワーを同時に使える |
28号 | シャワー、キッチン、洗面所で同時に使える |
冬の使用量を目安に選ぶ!
同じ号数の給湯器でも夏と冬では出せるお湯の量に違いがあります。夏は水道水の水温も高めなので、お湯を作るのに少ないエネルギーですむからです。ところが、冬は逆に水温が下がるのでお湯を沸かすのに大きなエネルギーが必要となり、給湯量も減ってしまいます。
冬は給湯器が出せるお湯の量が少なくなるにもかかわらず、生活の中で必要なお湯はむしろ増えるものです。夏を基準に給湯器を選択すると冬に「お湯が足りない!」ということにもなりかねません。冬の使用量を参考に給湯器を選ぶようにしてください。
世帯別おすすめ給湯器の号数
給湯器の交換をする際、現状とくに不便がないなら同じ号数を選択するとよいでしょう。使いにくさを感じていたり、初めての給湯器購入だったりする場合、家族の人数に応じて適切な給湯器を選ぶようにしてください。
単身世帯には16号
単身世帯では基本的に2つの場所で同時にお湯を使うこともありません。したがって、年間通じてシャワーを問題なく利用できる16号程度で十分でしょう。ただし「キッチンで洗い物をしながらお風呂のお湯もはりたい」という時には16号以上の給湯器がおすすめです。
2人世帯には20号
2人世帯でも共働き夫婦で生活時間帯がずれているような場合、16号でまかなえることもあります。しかし、2人世帯では「1人が料理をしている時に、もう1人は入浴」といった場面もあるでしょう。
そうなると、年間通じてキッチンとシャワーを同時に使える20号が少なくとも必要です。冬場でもキッチンとシャワーの同時使用に支障のない24号であれば、より安心でしょう。
4人家族には24号
4人家族にはキッチンとシャワーの並行使用が年間通じて問題ない24号以上がおすすめです。20号でも適応できないこともありませんが、お湯はり中にキッチンでも使おうとすると水圧が弱まってしまうというような不便さはあります。4人以上の家族の場合、3つの場所で同時に利用できる28号程度のパワーは欲しいところです。
給湯器の号数サイズ変更時はここに注意!
「家族が増えたので給湯器の号数をアップしたい」という人もいれば、その逆に号数をダウンしたい人もいるでしょう。号数を変更する際にはどんな点に注意すればよいのでしょうか。
ガスメーターの能力を確認
給湯器に号数があるように、じつはガスメーターにも号数があるのはご存知でしたか。一番小さいのは2.5号になり、その他にも4号、6号、8号などがあります。ガスメーター本体にNBまたはLBと数字1ケタからなる英数字が記されているはずですが、この数字がガスメーターの号数です。
ガスメーターの号数が大きいほど、大きな号数の給湯器に対応できます。たとえば2.5号のガスメーターでは10号の給湯器までしか使えませんが、4号のガスメーターなら16号~20号の給湯器、8号のガスメーターなら24号~28号の給湯器が利用できるのです。
マンションの規約をチェック
戸建ての場合は、ガスメーターの能力いっぱいまでの給湯器を設置するのに何の問題もありません。しかし、マンションでは全世帯のガス供給量に限界があるため給湯器の号数アップを禁止している場合もあります。
マンションで給湯器の号数をアップしたいと考えている場合、まず規約を確認するか管理組合や管理人に相談してみましょう。ガスメーターの号数だけをチェックして給湯器の交換してしまうのはNGです。
号数が大きい=高額とは限らない
基本的に給湯器は号数が大きいほど高くなりますが、メーカーによっては「24号よりも28号の方が安い」といった逆転現象が一部見られるケースもあります。ひとつ大きい号数にしようかどうか迷っている時には、よく比較検討してから選ぶようにしましょう。
また「号数が大きくなるとそれだけガス代もかさむのでは?」という心配もありません。なぜなら、使うお湯の量が同じだと給湯器の号数にかかわらずガス代は変わらないからです。ただし、号数をアップしてお湯の出がよくなるとどんどん使ってしまい結果的にガス代が上がるということはあるので、無駄遣いに注意してください。
まとめ
給湯器の号数とは単に本体の大きさだけではなく、お湯を出す能力を表現しています。号数ごとにキッチン専用だったり、キッチンとお風呂のお湯を同時に供給したりと給湯能力はさまざまです。
もし、給湯器の買い替えや購入を検討しているなら、まずは普段の生活の中でどのようにお湯を使っているのか今一度見直してみましょう。その上で、必要なお湯を過不足なく供給してくれそうな号数を選んでください。
その時に基準にしたいのが冬場のお湯の使い方です。季節ごとにお湯の使用量が違う場合は注意しましょう。また、家族構成によっておすすめの号数も異なってきます。適切な号数がよくわからない方は、専門業者に相談してみるのもひとつの方法です。ぜひ、問い合わせてみてはいかがでしょうか。