給湯器のホース交換は自分で対応可能?手順や各種費用などについても解説
「湯沸かし器」とも呼ばれる小型給湯器は、おもにキッチンなどに設置されています。お風呂もキッチンも……というように複数の場所のお湯を沸かすことはできず、特定の場所のお湯を供給する給湯器です。
小型かつシンプルな機能しかありませんが、給湯器であることに変わりはありません。湯沸かし器の特長はホースがついている点ですが、ホースが劣化してきたらどうすればよいのか、交換は自分でできるのか等詳しく解説します。
給湯器のホースの種類
小型給湯器「湯沸かし器」に接続しているホースは大きくわけて2種類あります。
出湯管
給湯器本体の下から出ているお湯を出すホースです。まず、水道水が給水管を通して湯沸かし器の中に入ります。そして、湯沸かし器の中で沸かされたお湯が出てくるのが、この出湯管なのです。
ガスホース
湯沸かし器にガスを供給しているのはガステーブルなどと同じガスホースです。ガスホースが劣化すると湯沸かし器内部で立ち消えなどが起きて危険なので注意しなければいけません。
給湯器のホースは自分で交換できる?
以上のように小型給湯器「湯沸かし器」にはお湯またはガスが通る2種類のホースがつながっています。仕組みとしてはシンプルなものなので「ホースの交換も自分でできるのでは?」と、思う人もいるでしょう。はたしてDIYでホース交換しても問題ないのでしょうか。
出湯管は自分で交換可能
湯沸かし器の出湯管は自分で取り替え可能です。部品もリンナイやパロマなどのメーカーから簡単に取り寄せることができます。住宅設備機器の取扱があるホームセンターでも購入できますが、出湯管の形はメーカーごとに異なるので注意してください。出湯管の値段は数千円と、リーズナブルですし、交換作業のために特別な工具を買う必要もありません。
ガスホースの交換には資格が必要
一方ガスホースの交換には資格が必要です。湯沸かし器は特定ガス消費機器に指定されているためガス可とう管接続工事監督者、液化ガス石油整備士などの資格を持っていなければ取り付け、交換に携わることはできません。必ず有資格者のスタッフがいる業者に依頼するようにしてください。
給湯器のホース交換を知らせるサイン
給湯器の出湯管ホース、ガスホースを劣化したまま使い続けていると水漏れ、ガス漏れ等の危険が高まります。とくにガスホースはガス爆発のリスクもあるので注意しなければいけません。ホースに次のような異変が見られたら交換時を知らせるサインと思ってください。
ホースのひび割れが目立つ
湯沸かし器の出湯管はビニール製ですが、毎日熱いお湯が通っていること、左右に動かすことが多いことなどから一般的なビニールホースよりも劣化しやすくなっています。ホース表面のひび割れが目立つようになってきたら、いつ水漏れをしてもおかしくない状態です。
ホースから水漏れする
出湯管ホースのひび割れに気づかずにそのままにしていると、やがて水漏れするようになります。水漏れは放置したままで直ることはありません。たとえわずかな水漏れでも発見次第ただちにホース交換するようにしてください。
ホースが変色している
ガスホースは一見頑丈なので何年も同じものを使う人もいますが、やめましょう。ガスホースは6年に1度の取替がおすすめです。時々、ガスホースを曲げるなどしてひび割れがないかチェックしてください。また、何年か使用したガスホースは変色してきますが「ただ見た目が古くなってきただけ」などと放置せずにホース交換しましょう。
ホースは消耗品。劣化したまま使い続けるのはNG
基本的に給湯器のホースは消耗品です。給湯器本体が問題なく稼働していたとしても、ホースは随時交換するようにしてください。給湯器のホースを劣化したまま使い続けていると給湯器本体の不具合の原因になるばかりか、とくにガスホースはガス爆発等の重大事故の危険もあります。くれぐれも放置しないようにしましょう。
給湯器のホースを交換する手順
給湯器の出湯管ホースの交換は特別な工具は必要ありませんし、とくに難しいものではありません。次の手順に沿って交換可能です。
新しいホースを購入する
まずは新しいホースを購入しましょう。出湯管の形はメーカーごとに異なるので、湯沸かし器メーカーから直接購入すれば安心です。ホームセンターや通販サイトで買う場合は、どのタイプの出湯管ホースになるのかしっかりと確認してからにしてください。
ホース交換の前の下準備
ホースの交換作業に入る前に、まず給水バルブを閉じて水の供給をストップしましょう。次に湯沸かし器本体の水抜き栓を反時計回りにまわして外し、水抜きをします。この時、湯沸かし器本体にたまっていた水が出てくるので雑巾等を敷いておいてください。
ホース交換の手順
準備が整ったらいよいよホース交換です。作業の手順は次の通りになります。
- 出湯管ホースを左にまわして湯沸かし器本体から外す。
- 出湯管ホース先端のキッチンシャワーのヘッドカバー部分を抑えながら右にまわしキッチンシャワーを外す。
- 出湯管の中からステンレス管を引き出し、黒いリング状のパッキンを取り出す。
- ヘッドカバーをステンレス管から取り外して、新しく購入した出湯管ホースに取り付ける。
- 新しい出湯管ホースからステンレス管、パッキン、キッチンシャワーを取り付ける。
- 給湯器本体に出湯管ホースを差し込み、ネジが止まるまでしっかりと回す。
動作チェック
新しい出湯管ホースの取り付けが完了したら、給湯器本体の水抜栓を時計回りにまわして閉めます。次に給水バルブを開いて水が出るようにして、湯沸かし器が正常に動くことをチェックして完了です。
ガスホースも購入だけは可能
ガスホースは出湯管ホースのように自分で交換することはできません。しかし、ガスホースを自分で購入することは可能です。ガスホースを買う際には、
- ガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)
- 元栓の形状(ホースエンド型かコンセント型か)
という点に注意して正しいガスホースを入手するようにしてください。
給湯器ホースの交換にかかる費用
実際に給湯器のホース交換をしようとなった時、気になるのはお値段です。いずれにせよ、給湯器本体の交換などとは比較にならないほど安いので「交換時かな?」と、思ったら即実行するようにしてください。
自分で交換する場合
アダプター、シャワーヘッドなどがすべてセットになった出湯管ホースは通販サイトなどで約3,000円で購入できます。ほとんどの給湯器に対応できるように各種アダプター付きでもこのお値段なので、やはりDIYで交換できれば非常にお得といえるでしょう。ガスホースは長さによって値段が違ってきますが、こちらも500円/m程度と高いものではありません。
業者に依頼する場合
出湯管ホース、ガスホースともに業者に交換をお願いした場合、交換作業代が8,000円~10,000円ほどかかります。プラス、出張費を取られることもあり、ホース代などと合計すると25,000円~55,000円と結構な出費になってしまうかもしれません。
まとめ
給湯器のホース交換は、つい忘れてしまう人も少なくありません。しかし、ホースは消耗品なので必ず定期的に交換するようにしてください。交換時を知らせるサインとしてホースのひび割れなどがあるので、見逃さないようにしましょう。
出湯管ホースの交換はDIY可能ですが、ガスホースは有資格者でなければ交換できません。業者に依頼するとなると数万円の出費がかさみますが、安全にはかえられないものです。給湯器を毎日安心して使うためにも、給湯器のホース交換は怠らないようにしてください。