給湯器の保証期間はどのくらい?メーカー保証や延長保証の仕組みを解説

給湯器の保証期間はどのくらい?メーカー保証や延長保証の仕組みを解説

給湯器を購入する前には、あらかじめ保証期間がどのくらいあるか確認しておきましょう。メーカーの無償保証だけでなく、延長保証を利用することによって、給湯器を長く安心して使い続けられます。

本記事では、給湯器の保証期間が何年か、メーカー保証や延長保証がどのようになっているのか、などについて解説していきます。

給湯器の保証期間は何年?

製品付帯のメーカー保証期間は約1~2年

給湯器を購入したときに、製品そのものに付いているメーカーの保証期間は、一般品が1年、BL認定品が2年です。

保証期間内であれば、通常の使用状況で発生した故障に関しては無償で修理してもらえます。

BL認定品とは

BLとは、ベターリビングの略称です。一般社団法人ベターリビング財団の定めた水準を満たし、優良住宅部品(BL部品)であると認められた製品を「BL認定品」と呼びます。BL認定品には、次のような「BLマーク証紙」が貼られています。

BLマーク証紙
出典元:優良住宅部品(BL部品)認定制度|一般財団法人ベターリビング

給湯器本体の前板に、このマークがついていればBL認証品です。また、製品の型番の末尾からもBL認証品かどうかを確認可能です。

メーカー名 BL認定品の型番の表記
リンナイ 型番の末尾に「-E」の表記がない
ノーリツ 型番の末尾に「BL」の表記がある
パロマ 型番の末尾に「L」の表記がある

たとえば、ノーリツの型番「GT-C2462PAWX-BL」の給湯器は末尾に「BL」の表記があるため、BL認定品です。

保証の対象にならない故障もある

故意に給湯器に損傷を与えるなど、過失による故障に関しては無償修理の対象になりません。また、落雷や台風などのように自然現象で故障をした場合も保証の適用外となります。

通常の使用状態ではなく、外から力が入ったことによる故障や天災による故障に関しては、保証の対象にはなりません。

一般的なガス給湯器の保証の仕組み

一般的なガス給湯器の保証には、給湯器メーカーが保証する「メーカー保証(無償)」と「延長保証(有償)」、給湯器販売会社が独自に保証する「延長保証(無償または有償)」があります。

メーカー保証

メーカー保証は、リンナイやノーリツなど購入した給湯器のメーカーが保証する保証制度です。

基本的なメーカー保証期間は1年または2年ですが、給湯器の所有者登録を行うとメーカーによっては無償保証期間をさらに延長することができます。

所有者登録による延長保証

所有者登録とは、メーカー側が所有者に対して製品を安心・安全に使うために情報の登録を促しているものです。登録することによって点検時期に通知が届くようになります。

登録の方法は、製品に同梱された所有者票に情報を記載して返送するか、またはQRコードを読み取ってインターネット上で情報を入力することで完了します。

所有者登録による延長保証の期間はメーカーによって異なります。

メーカー名 所有者登録による延長保証の期間
リンナイ 登録によって保証期間を3年に延長可。
ノーリツ 無償の延長保証はなし(有償はあり)
パロマ BRIGHTSシリーズのみ、登録によって保証期間を5年に延長可。

ノーリツのように無償の延長保証がないメーカーもあれば、パロマのように所有者登録をすると5年まで無償の延長保証がつくメーカーもあります。購入の際には、所有者登録を必ず忘れないようにしましょう。

製品保証だけでなく出張費や技術料も含まれる

メーカーの無償保証は製品保証だけで、出張費や技術料は有償になると思っている人もいますが、それは違います。

少なくともリンナイ・ノーリツ・パロマの3社に関しては、無償保証期間中に製品の不具合によって修理する必要がある場合、修理代・技術料・出張費・部品代すべて無償で修理をしてもらえます。

給湯器メーカー別の延長保証(有償)制度

メーカーの無償保証とは別に、保証料を出せばメーカーの製品保証をさらに延長することもできます。以下の表でメーカーごとに有償延長可能な期間を確認してみましょう。

メーカー名 有償による延長保証の期間
リンナイ 5年・7年・8年・10年
ノーリツ 5年・7年・10年
パロマ 5年・7年・8年・10年

保証内容には、メーカーの無償保証期間中と同様に、修理代、技術料、出張費、部品代が含まれるので、延長保証期間中に製品による不具合が生じた際にはすべて無償で保証してもらえます。

保証料金の限度額は、修理料金の累計額が本体価格相当までとなっています。ただし、有償の延長保証に入ったとしても無償のメーカー保証期間に上乗せされるわけではありません。

たとえば、ノーリツの10年保証に入った場合、無償保証の2年に10年をプラスして12年保証になるわけではなく、あくまで購入後10年保証になります。

リンナイの延長保証(有償)

リンナイでは、「ワランティV」という延長保証プランを実施しています。給湯器関連の保証料は、機種や保証期間によって違い、5,500円~48,000円(税込)です。

機種 5年保証 7年保証 8年保証 10年保証
ガス給湯器
(ユッコシリーズ)
5,500円 9,500円
10,000円(※)
14,000円
16,000円(※)
23,200円
24,000円(※)
給湯暖房機 7,000円 9,500円 23,400円 48,000円
給湯器
(ユーアールシリーズ)
6,500円 10,500円 16,500円 24,000円
ハイブリッド給湯器 6,900円 12,800円 10,450円 16,500円

※機種によって価格が違います。

ノーリツの延長保証(有償)

ノーリツでは、「安心プランS」という延長保証プランを実施しています。給湯器関連の保証料は、機種や保証期間によって違い、4,840円~55,440円(税込)です。

機種 5年保証 7年保証 10年保証
温水機器 4,840円~8,140円 5,500円~12,540円 27,940円~41,140円
暖房熱源 4,840円~10,340円 5,500円~13,640円 27,940円~55,440円
ハイブリッド なし なし 44,330円

パロマの延長保証(有償)

パロマでは、「ほっと安心システム」という延長保証プランを実施しています。給湯器関連の保証料は、機種や保証期間によって違い、3,300円~16,500円(税込)です。

機種 5年保証 7年保証 8年保証 10年保証
ガス給湯器 3,300円 4,400円 8,800円 14,300円
ガスふろ給湯器 5,500円 6,600円 11,000円 16,500円
給湯暖房熱源機 5,500円 6,600円 11,000円 16,500円
暖房専用熱源機 5,500円 6,600円 11,000円 16,500円

メーカーによって延長保証料は大きく異なります。給湯器を購入する際にメーカーの延長保証を受ける場合、保証金額も含めて比較検討した方がいいでしょう。

給湯器販売会社の延長保証

給湯器販売会社から給湯器を購入する場合は、その会社の延長保証制度を受けることもできます。

給湯器販売会社の延長保証制度の内容はさまざま

給湯器販売会社が行っている延長保証制度の内容は、会社によってさまざまです。メーカーの延長保証制度をそのまま利用している会社もあれば、独自の保証制度を設けている会社もあります。

給湯器販売会社の中には、給湯器だけでなく住まいのトラブルをぜんぶ保証するといったように、特徴ある保証制度でアピールしているところもあります。

保証の範囲は会社によって異なるので、購入時の製品代金や工事費だけでなく、先々のサポートも見据えて給湯器を選ぶ必要があるでしょう。

まず確認したいのが製品保証と工事保証

給湯器販売会社の延長保証制度を検討する際に、まず確認したいのが「製品保証」と「工事保証」です。

基本的に給湯器販売会社の延長保証には、製品保証と工事保証があります。たとえば、製品保証・工事保証ともに10年保証のある販売会社から給湯器を購入すると、購入後10年間は修理代・技術料・出張費・部品代すべて無償で修理をしてもらえます。

しかし、どちらか一つの保証しかない場合、保証されていない部分については有償となります。

工事10年延長保証付には、製品保証は含まれない

給湯器販売会社のWebサイトなどで、「工事10年延長保証付」と書いてあるものを見かけることがあります。これは工事に関する保証だけで、製品保証は含まれていません。

製品保証が付いていない分、価格が安く設定されているため、「10年保証」という部分だけを見て購入してしまう人もいるので注意しましょう。

給湯器販売会社の延長保証制度を確認する際は、製品保証と工事保証の両方が付いているかどうかを必ずチェックすることが大切です。

無料で延長保証がついてくる給湯器販売会社もある

給湯器販売会社の中には、無料で延長保証が付いてくるところもあります。この場合、当然ながら保証料が料金に組み込まれていますので、若干価格が高いと感じても実はお得というケースもあるでしょう。

延長保証料が有償の会社と無償の会社を比較する場合、メーカーの延長保証料を目安に同じ条件にした上で比較する必要があります。

製品保証がメーカー保証のみの給湯器販売会社もある

給湯器を激安で販売する代わりに製品保証が「メーカー保証のみ」という給湯器販売会社もあります。

長期保証が必要なければそれでも問題ありませんが、安さにつられて保証期間の短い給湯器を買ってしまい、後で故障をしたときに後悔しないよう注意しましょう。

給湯器の有料延長保証は必要?

給湯器の有償延長保証は本当に必要なのでしょうか?これは人によって考え方もさまざまで難しい問題です。

ほとんどの場合、給湯器がメーカー保証の1~2年の期間に壊れることはありません。メーカーの無償保証期間はおまけ程度に考えておいた方がいいでしょう。

購入後7~8年を過ぎて不具合が起きるケースが多い

購入後7~8年を過ぎた頃になると、部品の一部に不具合が起きるケースが増えてきます。不具合が起き始めると2度3度と修理が続くこともあり、このような場合には間違いなく延長保証が役に立ちます。

10年間給湯器が一度も故障しない可能性もある

いま製造されている給湯器は、以前の製品よりも耐久性が高くなっています。たとえ10年間の延長保証を付けても、10年間一度も故障しないという可能性は十分に考えられます。

10年間不具合がまったく起きないとすると、保証料を払っただけでまったく何の恩恵も受けずに終わることになりますが、延長保証は生命保険と同じようなものです。

「10年間の延長保証を付けた方が安心」というのであれば、延長保証を付けた方がよいでしょう。

部品の保有期間は製造打ち切り後10年

補修用の性能部品の保有期間は、製造打ち切り後10年となっています。給湯器は次々と新機種が出るので、発売後2~3年で製造打ち切りになることもあり、たまたま製造を打ち切る直前に購入すると、10年以上経った給湯器は修理そのものができない場合もあります。

給湯器の寿命(設計上の標準使用期間)自体も10年ほどと言われているので、「10年以降に故障したら交換する」と考えるのが妥当な判断です。

延長保証に入るか否かは考え方次第

延長保証に入るか否かは、最終的に購入する人の考え方次第ということになります。

「心配だから入っておきたい」という人は、入っておいた方が安心でしょうし、「10年ぐらいは壊れないだろう」と考える人は、入らないという選択肢もあります。

予算も含めて自分にとってベストの方法を選びましょう。

まとめ

今回は、給湯器の保証制度について解説してきました。昨今では、給湯器販売会社は価格競争が激しくなっており、各社一斉に安さを競い合っている状況です。

少しでも安い金額をアピールするために、保証の部分で調整している会社もあるので、その点については冷静に判断する必要があります。

どんな保証内容なのか、そもそも保証は必要なのかといったことをじっくり考えた上で、給湯器の購入を検討するようにしましょう。

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