給湯器からお湯が出ない、ぬるい原因とは?確認すべき状況と対処方法を解説

給湯器からお湯が出ない、ぬるい原因とは?確認すべき状況と対処方法を解説

給湯器の電源が入っているのにお湯が出ない、ぬるい湯や水しか出なくなって困るという状況は突然やってきます。このような条件でお湯が出ない場合には、給湯器そのものの故障や異常の発生が疑われます。

また、誤検知やガスメーターの遮断によって一時的に給湯できない場合もあり、「お湯が出ない=故障」とは言い切れません。症状によっては自己対応できますが、故障が疑わしい場合や原因不明であればメーカーや給湯器業者に点検を依頼する必要があります。

この記事では、給湯器からお湯が出ない・ぬるい湯や水しか出ない原因、対処方法、メーカーや業者に修理を依頼する場合の費用目安などについて解説します。

給湯器からお湯が出ない、ぬるい原因

給湯器のお湯が出なかったり、ぬるい原因

ガス給湯器を使用していて、お湯が出なかったり、お湯がぬるい状態になってしまう原因は、主に以下の8つがあります。

原因によっては自身で復旧することも可能ですが、機器に故障や不具合の疑いがある場合は、メーカーサービスや給湯器業者への依頼が必要になります。

元々の水温が非常に低い(冬など)

冬場や寒冷地などで起こりやすい現象として、給湯前の水温が低すぎることでお湯が十分な温度に到達しないことがあります。

このような場合は、給湯するお湯の量を減らすなどの対処をすれば、お湯が出ない状況が改善することがあります。

給湯リモコンで温度設定を極端に上げるなどの対処を試すと、急にお湯が熱くなる恐れがありますので注意してください。

給湯リモコンの設定温度が低すぎる

給湯リモコンの設定温度が低すぎると安定せず、設定温度よりも極端に低くなってしまい、お湯が出ないことやお湯がぬるくなる場合があります。40℃を希望している場合の目安としては、50℃前後に設定すれば40℃前後のお湯は出やすくなるでしょう。

なお、設定温度を上げてもお湯がぬるい場合は、リモコンや給湯器そのものの不具合も考えられます。

混合水栓の不具合

混合水栓が故障すると温度調整がうまくいかず水の割合が高くなり、お湯が出ない状態やお湯がぬるくなってしまいます。そのため、リモコン側で設定温度を上げても温度が変わらないことがよくあります。

混合水栓とは?

混合水栓とは、給湯器で沸かしたお湯と冷水を混ぜて温度を調節する、赤や青の色表記が付いている蛇口のこと。

混合水栓の交換は自身で対応することも可能ですが、取り外す部品が多い上、組立作業などに専門知識が必要なので、基本的には専門業者に対応を依頼しましょう。

循環フィルターの詰まり

浴槽の側面にある循環フィルター

浴槽のお湯が出なかったりぬるい場合は、循環フィルターが目詰まりしている可能性があります。浴槽の循環フィルターにゴミが溜まると循環が悪くなり、安定して温かいお湯が出なくなります。

循環フィルターとは?

循環フィルターとは、浴槽内の足元に位置する側面に取り付けられた丸い金属製部品で、温水と冷水が出入りする部分のこと。

循環フィルター部分は、異物などで詰まりが発生してしまわないよう、定期的に掃除してください。

循環フィルターの掃除手順

準備するものは、浴槽用の中性洗剤・歯ブラシ、網目の細かい部分については小さめのブラシがあると便利です。

  1. 金属メッシュフィルターを左右どちらかに回転させて取り外します。外せない場合は、取扱説明書を確認してください。
  2. 取り外したフィルターを歯ブラシで洗います。擦っても汚れが取れないという場合は、中性洗剤を使用してください。
  3. 金属メッシュフィルターなどを水ですすいで汚れを流します。
  4. 取り外した金属メッシュフィルターを元の状態に戻して完了です。

水圧の不足

キッチンや浴室など一度に複数の場所で給湯を使おうとした場合、一部の場所のみや全ての場所でお湯がぬるくなったり、お湯が出ないという状態になることがあります。

同時に複数の場所でお湯を使用すると給湯の水圧が低下し、温度に影響を及ぼします。多く設置されているハンドル水栓は、水栓を回して温度調節を行うため、水圧の変化により温度が変化します。

また、古い共同住宅やアパートは全ての配管が接続されているため、隣家がお湯を使用している間、自室のお湯が出にくくなったりすることがあります。単純に時間をずらして利用するなどして対処できます。

給湯配管の凍結や損傷による水漏れ

給湯配管が凍結してしまうと、当然のことながらお湯が出ないという状況になってしまいます。

経年劣化などによる配管の損傷や接合部のゴムパッキン部品の緩みで水漏れなどが発生し、お湯が出なくなっていることもあります。

配管類が凍結する原因ですが、水は0℃で凍るので外気温が0℃を下回ると給湯器や水道管が冷やされ、配管内にある水が凍ってしまいます。

また、給湯器に接続されている水道管は外気温の影響を受けて凍結しやすく、破裂の原因になっています。

洗濯機の水の元栓が開けっ放し

毎日使う洗濯機に供給する水の元栓は、動かしていない時でも開けっ放しにしている家庭は非常に多いと思います。

洗濯機寸前まで来ている水が他の水道に入り込んでしまい、給湯温度をぬるくしているということも稀に起こります。

給湯器が故障・経年劣化による寿命

経年劣化などの寿命によって給湯器が故障していたら、お湯が出なくなったり、ぬるくなることがあります。10年以上、同じ給湯器を使い続けている場合は、いつ壊れてもおかしくないです。

故障したとしても交換可能な部品はありますが、給湯器の部品は販売後10年で生産終了となり、修理を希望しても部品がない場合がほとんどです。無理に使い続けようとしても、他の箇所や部品が破損することも多いので、給湯器の寿命として交換対応する必要があります。

給湯リモコンにエラーコードが表示されていないか

お湯がでない際にエラーコードが表示されているか

お湯が出なかったり、設定温度よりも明らかにお湯がぬるい場合は、まず給湯リモコンにエラーコードが表示されていないかを確認してください。

給湯機器で異常や不具合が発生して検知された場合、リモコンに2桁または3桁の数字でエラーコードが表示されます。

リモコンに表示されているエラーコードの数字によって、どのような内容の不具合が発生しているのかということを詳しく知ることができます。

発生しているエラー内容によっては、リモコンの電源オンオフなど簡単な操作で復旧できますが、専門業者による対処が必要なエラーコードの場合もあります。

エラーコード毎の不具合内容は、以下の記事で紹介しています。

給湯リモコンのエラーコードを解消

給湯リモコンのエラーコードを解決することで、給湯機器の不具合が解決できるケースも多いです。特に誤検知の場合、リモコンの電源オン・オフで症状が回復することがあります。使用している給湯器の説明書や当サイトの解説記事などを参考にエラーコードを解除してみましょう。

給湯機器のリモコンにエラーコードが表示された際は、以下の手順でエラーが解除できるか試してください。

  1. すべての給湯使用を止める
  2. リモコンの運転スイッチを「切」る
  3. リモコンの運転スイッチを再び「入」れる
  4. エラー表示が消えているか確認
  5. お湯が正常に出るか試す

上記の手順でエラー表示が解消されていれば、多くの場合でお湯の温度を正常に戻すことができます。

何度もエラーが出る場合は、給湯器自体が故障している可能性が高いので、専門業者に点検・修理してもらうことをおすすめします。

蛇口からお湯も水も何も出てこないか

蛇口からお湯も水も何も何も出てこない場合ですが、水道管などの凍結や自然災害・工事による断水が発生している可能性が考えられます。

水道管の凍結や損傷有無を確認

一切お湯も水も出ない場合は、配管の劣化や損傷、水道管の凍結などによって発生していることがあります。凍結している場合は、溶けるのを待つ、配管にタオルを被せて人肌程度のぬるま湯を掛けるなどの対応をします。劣化による配管損傷の場合は、業者に依頼する必要があります。

断水の発生有無を確認

自然災害が起こった直後や近隣で水道工事などが行われている場合は、断水が発生してしまうことがあります。どちらも対処しようがなく、復旧まで待つしかありません。

自然災害の後では、断水エリアに該当していないか自治体などのサイトから情報を確認しましょう。

一部の場所のみお湯が出ない場合

蛇口(水栓)の温度設定を確認

お風呂や洗面所だけなど、一部の場所だけ水は出てもお湯にならない場合は、蛇口(水栓)の温度設定が水になったまま使用していることがあります。

また、一部の蛇口でお湯が出ない場合、その場所の水栓自体に不具合や異常がある可能性が高いです。

給湯リモコンの温度設定を確認

お風呂やキッチンだけなど、一部の場所のみお湯が出ない場合は、給湯リモコンの温度設定や操作に間違いがあったり、運転スイッチがオフになったまま使用していることがあります。

全ての場所でお湯が出ない場合

水道の元栓が閉まっている可能性

全ての場所でお湯が出ない場合は、水道の元栓や止水栓が閉められたまま使用していることがあります。元栓は水道メーター付近にあり、止水栓はシンク下や洗面台下で確認できることが多いです。

給湯器そのものに問題がある可能性

全ての場所でお湯が出ない場合は、給湯器そのものに問題がある可能性が高いです。不具合やエラーコードなどが解消できない場合は、メーカーや給湯器業者に相談してください。

ガスが止まっていないか、元栓は開いているか

ガスメーターが遮断されていたり、元栓が閉まっていて供給が止まっている場合、ガス給湯器ではお湯が使えません。まずは、ガスが使える状態なのか確認しましょう。

ガスメーターの遮断有無を確認

ガスメーターの遮断が発生していないか確認します。ガスの長時間使用や震度5相当の地震による揺れ、ガス管の圧力低下などでガスメーターが遮断されることがあります。

ガスメーターの遮断が発生している場合は、ガスメーターの復帰ボタンを押すと約1分後には復旧します。

参考リンク:東京ガスネットワーク : ガスメーターの復帰方法

ガスの元栓の開閉状態を確認

ガスの元栓が開いているか確認します。ガスの元栓が閉じていると、そもそもガス機器全般が使えません。

ガスの元栓は、つまみが縦向きになっていれば開いていて、横向きの状態になっていたら閉まっている状態です。

プロパンガスガスの残量を確認

家庭用のプロパンガス(LPガス)の残量は、目視で把握することはできません。プロパンガスを利用している方は、残量があるか確認するために契約中のガス会社に連絡してみましょう。

電気系統で問題が発生していないか

電気系統で問題が発生している場合、電力供給がされずに機器が動作しないため、お湯が使えません。電力供給源が絶たれていないか確認してみましょう。

給湯リモコンの電源が入っているかを確認

給湯リモコンの電源がオフになっていると、当然のことながら給湯できません。給湯リモコンの運転スイッチをオンにしてお湯が出てくるか試しましょう。

ブレーカーが落ちていないかを確認

気付かないことはほとんど無いと思いますが、ブレーカーが落ちた場合も電力が供給されないのでお湯が出なくなります。落ちたことによるものだった場合は、ブレーカーを上げることで復旧します。

給湯器本体の電源プラグが抜けていないかを確認

相当イレギュラーなケースとなりますが、給湯器本体の電源コンセントが抜けていると、リモコンの電源さえも入らない状況になっています。何かしらのトラブルや、第三者のイタズラによって抜かれていることも十分考えられます。

給水・給湯配管から水漏れ、凍結していないか

冬場は、給水・給湯配管などで凍結が発生している可能性が高く、凍った影響で損傷することがあります。給湯器から出ている屋外配管(給湯配管もしくは給水管)に損傷や水漏れはないか、凍結していないか確認しましょう。

凍結した配管が損傷していない場合

凍結しているものの損傷はない場合、配管に大きな負担を掛けないよう以下の対応をします。対応する際、凍結している屋外配管や水道管に負担をかけると、損傷してしまう恐れがあります。

  • 屋外配管にお湯などは掛けずに溶けるのを待つ
  • 屋外配管にタオルを被せて人肌程度のぬるま湯を掛ける
  • 屋外配管にタオルを被せてドライヤーの温風をあてる
  • 屋外配管にタオルを被せてホッカイロをあてる

凍結や経年劣化によって配管が損傷していたり、給湯配管もしくは給水管から水漏れが発生している場合は、専門業者への交換依頼が必要です。

蛇口や水道が凍結している場合

蛇口や水道の凍結部分に熱湯をかけたり、蛇口を閉めたまま水道管の凍結部分を温めることはやめましょう。凍結した蛇口や水道管を温める際は、蛇口の栓を開けたまま行います。

お湯が出なくて修理が必要な場合にかかる費用相場

凍結が原因で、給水配管の損傷や給湯器内部の電子回路・熱交換器が故障してしまった場合、修理にかかる費用(出張費・技術料・部材費)は大きく異なります。

以下では、それぞれのケースごとにかかる費用の目安を紹介します。

給水配管の交換または修理の費用目安

対応内容 費用目安
給水配管の交換・修理 10,000~20,000円前後
配管接続部のパッキン交換 5,000~10,000円前後

給湯器以外の配管が破損した場合は、配管を交換して解決できることが多いため、水道業者などでも修理対応が可能です。修理費用も5,000~20,000円前後になります。基本的には、給湯器業者に依頼する方が良いでしょう。

配管接続箇所のゴムパッキン部品交換などの軽微な作業の場合は、5,000~10,000円前後の料金です。

熱交換器・電子回路(基盤)の交換または修理の費用目安

対応内容 費用目安
電子回路(基盤)の交換・修理 40,000~50,000円前後
熱交換器の交換・修理 30,000~60,000円前後

給湯器内部に残った水が凍結してしまい、凍った影響で損傷した箇所から溶けた水分が漏れ出ることがあります。すると、内部の配線や接続部などに水気が到達し、漏電や短絡が発生することで熱交換器・電子回路が故障します。

このような状況になっている場合は、電子回路(基盤)の修理代もしくは熱交換器の交換費用として、30,000~60,000円前後がかかります。使用している給湯器のメーカーや給湯器業者に依頼しましょう。

メーカーサービスに依頼した場合の費用目安

リンナイのサービスマンに点検・修理を依頼した場合の費用目安は、出張料と技術料の金額を含み、11,000~55,000円(税込)前後です。修理対応などが不要だった場合や、修理や部品交換が必要で部品代が加算される場合など、状況次第で料金は大きく増減します。

ノーリツのサービスマンに点検・修理を依頼した場合の費用目安は、出張費用と故障診断料金を含み、15,500~50,000円(税込)前後です。故障診断の結果、複数箇所の部品交換対応などが生じると、料金は増額することがあります。

凍結による給湯器損傷は自己負担

給湯器の購入時に付帯するメーカー保証がありますが、凍結によって給湯器が損傷した場合は、保証期間内でも修理費用が発生してしまいます。

まとめ

今回は、給湯器からお湯が出ない原因、お湯が出ない場合に確認すべきこと、状況別の対処方法、修理や交換にかかる費用の目安などについて解説してきました。

お湯が出ない・ぬるい原因は複数ありましたが、致命的な不具合となるものは、配管の損傷や凍結・給湯器自体の故障でした。

リモコンの設定ミス・循環フィルターの詰まり・元栓の確認不足・イタズラによる給湯器の電源コンセント引き抜きなど、ヒューマンエラーであることも多いです。

思い当たる原因を全て確認した上で対処しても、一向にお湯が出ない状況が改善しない場合は、使用している給湯器メーカーや給湯器業者に相談しましょう。

当サイトおすすめの給湯器業者ランキング

給湯器のトラブルで業者に
依頼を検討している方はこちら