給湯器の故障が疑わしい症状11種類と対処方法!壊れる原因を知って永く使うコツも紹介
10年以上、同じ給湯器を使い続けている場合、いつ壊れてもおかしくありません。ある日突然、動かなくなってしまうことも多いです。
給湯器が故障する前には、どのような予兆やサインがあるのかを知っておくことで、点検やメンテナンスによって修理交換対応を先回りして行えるようになります。
この記事では、給湯器が壊れている可能性がある症状、不具合発生時の対処方法、給湯器が故障する原因などについて解説します。
給湯器の故障が疑わしい症状と対処方法
給湯器の故障は、ある日突然やってきますが、壊れる前の予兆もいくつかあります。
例えば、お湯の温度が安定しなかったり、エラーコードが頻発するなど様々な予兆があります。主に以下のような11種類の症状が発生することが多いです。
以上がよくある給湯器の不具合ですが、必ずしも故障というわけではないので注意してください。
お湯にならない
お湯にならない場合は、ガスメーター、ガス栓、水道管の凍結、給水フィルター、給水バルブや給水栓、水栓金具、経年劣化による給湯器の故障などが疑われます。
- ガスメーターが遮断されている
- ガス栓が閉まっている
- 水道管の凍結
- 給水フィルターが詰まっている
- 給水バルブや給水栓が開いていない
- 水栓金具の不具合
- 経年劣化による給湯器の故障
各症状は、自分で対応できるものもあれば、専門家による修理や交換が必要な場合もあります。対処できるものは試した上で改善しなければ、メーカーや給湯器業者に連絡したほうが良いです。
ガスメーター遮断が原因の場合も多い
給湯器以外のガス機器、たとえばガスコンロは点火できますか?もし点火しないようならガスメーターの遮断、安全装置が誤作動してガスが止まってしまい、お湯が出なくなっているのかもしれません。
夏場は使用頻度が少ない給湯器を冬になって多く使い始めると、ガスメーターが通常のガス消費量と比較して多すぎるという判断をします。結果、自動的にガスの供給を遮断してしまうことがあります。
ガスメーターが点滅している場合は、復旧作業を行ってみてください。
参考リンク:ガスメーターの復旧方法(東京ガス)
使用年数が長ければ経年劣化による寿命も多い
また、ガス給湯器メーカーは、給湯器を安全に使用できる期間を10年と目安を示しています。実際、10年経過した給湯器には部品の摩耗や消耗が見られ、故障しやすくなります。
該当部品を交換することで機能は回復しますが、10年以上経過するとメーカーに部品がなく、修理が不可能になる場合も多いです。結果として給湯器の交換が必要になるケースも少なくありません。
温度が安定しない
給湯温度が安定しない場合は、混合栓、ガスメーター、ガス栓、燃焼・制御系の不具合、経年劣化による給湯器の故障などが疑われます。
主な原因としては、以下の様な原因が考えられます。
- 混合栓が故障している
- ガスの供給が止まっている
混合栓は、沸騰したお湯の温度を水を加えて調節する役割を担っています。混合栓が故障すると、水を足しすぎてぬるま湯になってしまうケースがあります。
ガスメーターが遮断されたり、ガス栓が半開きになっている場合は、給湯器にガスが正常に供給されていない状態です。また、給湯器の水流が弱く、燃焼が安定しないケースもあります。
お湯も水も出ない
お湯も水も出ないような場合は、給湯器やボイラーに加え、水道蛇口にも及ぶ問題の発生が疑われます。
給湯器やボイラーの問題は、修理に免許が必要です。安全に復旧するためには、メーカー・ガス会社・給湯器業者など、必ず専門家に相談してください。
また、お湯だけではなく水も出ないなら、給湯器の故障ではなく断水・水漏れの可能性もあります。自治体の水道局サイトも確認してみましょう。
参考リンク:水が出ない(東京都水道局)
異音がする
給湯器から異音が発生すると、ファンモーターを含めた燃焼状態の異常、ガス漏れや内部の異常などが疑われます。
主に、給湯器から以下のような異音が発生している場合は、故障や異常事態になっている可能性が高くなります。事故が発生する前に、業者に修理点検を依頼しましょう。
異音 | 原因 |
---|---|
ゴーッ | ゴミ、ホコリ、害虫、害獣などが入り込んだ |
ボンッ | ガス漏れをして不完全燃焼を起こしている |
ポコンポコン | 循環パイプの勾配に問題発生または風呂釜の寿命 |
ピーピー | ファンモーターが故障して動かなくなる寸前 |
キーン | 配管内の圧力が高い。放置していると給水器の故障、水道管破裂などを起こす |
最も考えられる原因としては、給湯器内部の部品の経年劣化による異音の発生です。
妙な煙が出る
給湯器の排気口や排気トップなどから黒煙が出ている場合は、故障による不完全燃焼の発生などが疑われます。
多くの場合に給湯器の排気口から見える白い煙は、水蒸気(スチーム)です。特にエコジョーズタイプは排気温度が低いため、白煙(水蒸気)が出やすくなります。
白煙が自然に消える場合は問題ありませんが、黒い煙が出たり、白い煙が消えない場合は、機器の故障が考えられます。
異臭がする
給湯器から何かしらの異臭が漂ってくる時、原因は主に下記の3つです。
- プロパンガスの残量不足
- 不完全燃焼
- ガス漏れ
給湯器からガス臭などの異臭がする際は、プロパンガスの残量不足による臭気で支障がない場合と、ガス漏れや不完全燃焼が発生している場合があります。
ガス漏れ・不完全燃焼の発生時は、どこかしらが故障している可能性が高いため、早急な対処が必要です。ガス栓を閉め、窓を開けて換気を行った上で、契約中のガス会社や給湯器業者に連絡してください。
水漏れしている
給湯器から水漏れしている場合は、給湯器内部にある鋼管などの金属部品、ゴム製防水パッキンなどの劣化が疑われます。水漏れは直さないと、水道料金が高くなるほか、事故の原因にもなります。
給湯器本体よりも部品の方が劣化で先に寿命が来ることが多く、消耗によって生じた隙間などから水漏れにつながります。部品によっては交換できる製品もありますが、給湯器の部品は発売から10年経つと製造中止となり、交換したくてもできない場合がほとんどです。
長年使用している給湯器であれば、他の部品も劣化している可能性が高いので、寿命と考えて本体の交換を検討するのが得策です。
湯張りができない
湯張りができない場合は、給湯器の未作動、自動給湯中の超過需要、給湯回路の異常、施工不良などが疑われます。
主な原因としては、以下の様な原因が考えられます。
- 給湯器が作動(点火)していない
- 自動給湯中に別の場所でお湯を供給している
- 給湯回路に異常がある
- 設置業者の施工不良
湯張り時に最初のお湯が出ない場合は、給湯器が作動していない(点火)可能性があります。
自動給湯中に複数の場所でお湯を出した場合は、浴槽への給湯は一時的に停止されて「待機」状態になります。給湯できない、お湯が出ないケースが非常に多くなります。
給湯回路に異常がある場合は、基本的に故障や経年劣化による消耗が原因なので、業者への依頼が必要です。
新築などで給湯器を設置したばかりや、給湯器本体を交換して間もない場合は、業者の施工不良が原因の可能性があります。
お湯が濁る
給湯時などに白く濁ったお湯が出た場合は、お湯の中に混じっている小さな気泡なので問題ないです。
一方、青いようなお湯が出る場合は、銅イオンなどが溶解して排出されている可能性が高いです。特に害はありませんが、気になる場合は水道業者などに相談してください。
また、給湯器の湯垢などが原因でお湯が白く濁っている場合もあります。一般的ではありませんが、適切なメンテナンスが行われないとこのような白濁が起こり得ます。直接的に故障と結びつくわけではないです。
追い焚きできない
ガスふろ給湯器などで追い焚きできない場合は、給湯器内部にあるポンプ等の部品、循環金具、フィルターの不具合が疑われます。
お湯を循環させて温める仕様の給湯器では、一定量のお湯が入っていないと追い焚きができないようになっています。空焚きになってしまう恐れがあり、安全のため停止するようになっています。
循環フィルターに髪の毛や湯垢などが詰まり、お湯が循環しにくくなると、不具合の原因になることがあります。また、小さな異物によって詰まりが発生している可能性も考えられます。
給湯器内部の部品故障かどうか、循環フィルターの不具合なのかを特定するには、業者に連絡してください。
水圧が弱い
給湯器は、お湯を出す能力を号数で示しており、それぞれで処理可能な出湯量が異なります。そのため、性能上の出湯量を超えてお湯を使用すると水圧が弱くなります。
実際にシャワーを使っている間にキッチンで食器を洗うなど、複数の場所で同時にお湯を使うと、水量が減って水圧が弱くなります。貯湯式の給湯器は、使用するお湯の量が通常より多くなると、お湯が出なくなります。
また、シャワーなど特定の場所以外の水圧が特に弱くなっていない場合、内蔵されているストレーナーにゴミや水垢が溜まっており、詰まりが発生している可能性があります。
ストレーナーとは?
ストレーナーとは、液体から固形成分を取り除くために用いる網状の器具全般のこと。シャワー等に内蔵されている。
ここまでに紹介した症状が出た後、対処しても改善しなければ給湯器や周辺環境の点検修理をメーカーや業者に依頼しましょう。
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給湯器が故障する原因
給湯器が故障する主な原因は、長年使用したことによる経年劣化、給湯器の処理能力を超過するような過度な利用です。
給湯器の経年劣化による故障
給湯器の耐用年数は、およそ10年前後です。どんな住宅設備でも長く使っていれば、徐々に消耗や劣化が進み、やがて耐用年数を迎えて故障してしまいます。
また、給湯器内部の部品やパーツは、耐用年数よりも先に寿命を迎えて故障してしまうものが多々あります。
機器内部が短絡したことによる故障
長年使用していると機器内部に埃などが溜まり、湿気などが原因になって基盤がショートすることがあります。
基盤がショートした場合、修理ではなく交換が必要になります。使用年数が長いようなら、部品の交換をするよりも給湯器本体の交換をする方が無難です。
大雨や積雪による給湯器内部への浸水での故障
大雨や積雪によって給湯器内に水気が入ると、精密な部品などが故障する原因になるため、不具合に繋がる可能性があります。
給湯器は、雨などが入り込まない構造になっていますが、大雨の日や天候不良だけ調子が安定しない時は雨水の浸入が考えられます。
施工不良・初期不良による故障
給湯器の施工不良や初期不良が原因で、設置まもなくてもエラーコードが頻繁に表示されたり、突然故障することがあります。
購入してすぐに不具合が頻発する場合は、設置した業者に連絡して対応を依頼しましょう。
冬場の配管凍結による故障
給湯器にとっては、冬場の凍結も故障の原因となりえます。特に雪の降る寒い日には、配管内の水が凍結して配管が破損することがあります。
寒さで配管が凍結破損した場合には、給湯器側と配管の両方で修理対応が必要になります。
給湯器への過度な負荷による故障
給湯器は、号数によって処理可能な出湯量が決まっています。設計上の処理可能な能力以上を要求するような使い方は、給湯器に大きな負荷がかかってしまいます。
特に、家庭用給湯器を業務用途で利用したり、単身世帯向けの号数を家族複数人での利用するなど、通常の使用方法とは異なる場合に故障の原因となります。
給湯器が故障するのを防ぐコツ
給湯器が故障する可能性がある原因をあらかじめ知り、意識して使うことでヒューマンエラーなどで故障しにくく、長持ちさせられるようになります。
以下では、給湯器の交換時期を早めないための対処方法について紹介します。
給湯器を長持ちさせる対処方法は主に9つ
- 給湯器の周囲や上下に物を置かず整理する
- 給排気口を塞ぐ可能性がある位置に物を置かない
- 大雨や雪による給湯器内の浸水が発生する状態を避ける
- 給気口や排気口などの周辺を清掃する
- 水抜き栓などのフィルターの清掃をこまめに行う
- 世帯人数や給湯使用量に応じた号数の給湯器を使う
- 使用前に入浴剤の説明書で注意事項を確認する
- 浴槽内に入浴剤を含む状態で追い炊きをしない
- 定期的に給湯器の点検、メンテナンスを行う
これらの対処方法を行い、給湯器を少しでも長く使えるようにするのは、半導体不足の今とても大切なことです。
ただ、どれだけ丁寧に使用していたとしても、給湯器そのものの寿命が来てしまうとどうにもなりません。定期的なメンテナンスや点検は、受けるようにしておきましょう。
給湯器を長持ちさせようとしても限界はある
給湯器の購入から10年以上経っている場合は、必要な部品の調達ができなかったり、修理後も経年劣化によって別の箇所で不具合が出る可能性が非常に高いです。
基本的には、使用開始から10年前後をひとつの目安として給湯器の交換を考えるようにしたほうが良いです。
まとめ
壊れる主な原因は経年劣化、給湯器の能力以上の運用
今回は、給湯器の故障が疑わしい症状、不具合発生時の対処方法、故障する主な原因、長く使うためのコツなどを解説してきました。
給湯器が突然壊れてしまうリスクを減らすには、故障の引き金になる原因を知った上で、あらかじめ対処しておくことが大切です。もし、不具合が続くような場合には、使用している給湯器の年数を確認してください。
給湯器の状態が良くても、8~10年以上経過していればいつ故障してもおかしくない状態です。8~10年経過した給湯器は、修理するより買い換えた方が安く済む場合もあります。何度も故障して修理代がかかるより、給湯器本体を交換した方が経済的です。
故障の疑いがある場合は、使用している給湯器メーカーや給湯器業者に連絡して、点検時に交換が必要かどうかも相談しましょう。