給湯器から水漏れが発生する原因と対処方法!修理費用の目安や水道代はどうなるか等も解説
給湯器からポタポタと水が漏れていたり、水漏れが原因で内部の燃焼が正常に行われていない場合には、給湯器の点検修理を受ける必要があります。
給湯器の水漏れを放っておくと、事故の原因にもなりかねませんし、水道代が高くなるなどの悪影響が生じます。
この記事では、給湯器で水漏れが発生する原因、水漏れ時の対処方法、どこに連絡するか、水道料金の高額請求などについて解説します。
給湯器で水漏れが発生する主な原因
給湯器で水漏れが発生した場合、その原因は大きく分けて4つあります。
水漏れだけでは必ずしも故障とは断定できず、給湯器自体は正常な動作を示している可能性があります。以下では、給湯器における水漏れの具体例について解説していきます。
経年劣化
経年劣化による水漏れの原因となるのは、主に下記の2つです。
水漏れ防止のゴム製部品
給湯器は、水漏れ防止のために様々な場所に耐水性の高いゴム製防水パッキンが使用されています。給湯器の水漏れの大半は、ゴムパッキン(ゴム製部品)の劣化です。
ゴムパッキンは樹脂製のため、摩耗により弾力性が失われると隙間ができるという欠点があります。長期間使用すると給湯器の随所でゴムパッキンに隙間ができてしまい、水が漏れやすくなります。
一般的にゴムパッキンの寿命は5~10年です。そのため、この期間の前後で水漏れが発生する場合はゴムパッキンの劣化が考えられます。
給湯器内部の鋼管などの金属
ゴムパッキンのほかに経年劣化しやすいのが、給湯器内部にある鋼管などの金属部品です。鋼管が経年劣化でサビて穴などが空き、結果的に水漏れ発生に繋がります。
鋼管などの金属部品が錆びついて損傷すると、単なる部品交換よりも修理費用が高額になる場合があります。
配管の凍結
寒冷地に多いのが配管の凍結です。水は0℃で凍るので、外気温が0℃を下回ると給湯器や水道管が冷やされ、配管内の水が凍ります。給湯器に接続されている水道管は、特に外気温の影響を受けやすいため、凍結しやすくなっています。
給湯器内部などで凍結した配管が破裂したことにより、水漏れが発生する場合があります。凍結が原因の水漏れの場合は、修理での対応は難しく、給湯器本体の交換対応になることが多いです。
凍結する可能性がある配管は、以下のとおりです。寒冷地などでは、凍結しにくくするような対応が求められます。
給水管(水道管)
最も凍結する配管の一つです。給水管(水道管)はその名の通り、水の中を通っているため外気温の影響を受けやすく、水温が下がりやすく凍結する頻度が高いです。
給湯器本体内の配管部分
給湯器本体の内部でも、給水管(水道管)に接続する部分が金属でできているため、凍結することがよくあります。
給湯配管部分
配管は湯を運ぶため、水道管よりも水温が高く、凍結速度は水道管(水道管)や給水管(水道管)よりも遅くなり凍結する頻度が低くなります。
追い焚き配管部分
追い焚き配管も外気に触れているため、凍結する可能性があります。
設置時の施工不良、初期不良
給湯器を設置したばかりで漏水することは滅多にありません。設置して間もない場合は、初期不良や業者による施工不良が原因の可能性があります。
所有者側で対応できることはなく、対処方法はありません。早急に設置工事を行った施工業者に連絡してください。
長期間使わなかった
旅行や入院などで給湯器を長期間使用しなかったことが原因で、水抜き栓から水が漏れる場合があります。多くの場合は、故障ではありません。
給湯内部の圧が高まることにより、水抜き栓から水を出して圧を下げようとする機能が働くために発生します。長い期間に及んで給湯器を使用しない場合は、給湯器内部に残っている水を抜く作業が必要です。
給湯器内部の圧力が高まったことにより、減圧処理で水抜き栓から水抜き(水の排出)が発生しているだけなら、基本的には問題ない場合がほとんどです。
給湯器の水漏れを解決する対処方法
給湯器の水漏れを解決する対処方法としては、以下のような方法があります。
給湯器リモコンで電源をオフにして止める
給湯器の水漏れが止まらない場合は、まずリモコンの電源をオフにして給湯器自体の運転を止めてください。
水漏れしたまま給湯器を使い続けると、設備の劣化が早まり、故障などトラブルの原因となります。
また、酸化炭素中毒や電気システムのショートなどの重大な損傷を引き起こす可能性もあるため、損傷を最小限に抑えるために運転を停止しましょう。
水滴を辿り水漏れしている箇所を確認する
電源を切った後、給湯器に水漏れがないか再度確認してください。水滴を辿り、給湯器の水漏れの場所がわかれば、原因の特定に近づきます。
水抜きの発生や結露の場合、特に大きな問題はありませんが、故障やゴムパッキンの損傷などによる水漏れの場合は修理を依頼する必要があります。修理を依頼する際は、可能な限り水漏れの場所や状態を確認した上で連絡するようにしましょう。
多くの場合は、給湯器内部の本体カバーとゴムパッキンの接続部から水漏れする恐れがあります。ここが代表的な水漏れ箇所になるので、まずは確認してみましょう。
故障の内容によってはリスクを伴う修理となります。専門知識がない状態での作業は危険なため、自力での修理は試さないでください。
給水元栓を閉めて給湯器本体の電源を落とす
配管接続部・給湯器本体からの水漏れの発生を確認した場合は、部品の劣化や破損による故障の可能性が高くなります。
安全確保のために給湯器本体の電源プラグを抜き、給水元栓も閉めてください。原因にもよりますが、この応急処置によって漏れを止めることができます。
給水元栓の位置が分からない場合や、定期的に使用しておらず固まって回らなくなった場合は、水道メーターの近くにある止水弁を閉めてください。
メーカーや業者の点検修理を受ける
「給湯器リモコンで電源をオフにして止める」、「水漏れしている箇所を確認する」、「給水元栓を閉めて給湯器本体の電源を落とす」などの対処方法を行った後、メーカーや業者の点検修理を受けるようにしてください。
スムーズな対応にも繋がるため、依頼前に給湯器の使用年数のほか機種情報なども調べておきましょう。
なお、場合によっては給湯器の交換になることもあるため、対応が早く料金も安い給湯器業者に相談すると良いでしょう。
給湯器が水漏れした際はどこに連絡する?
できる範囲で給湯器の水漏れに関する対処方法を行った後、原因を解決するためには専門業者による修理点検が必要です。
修理点検を依頼する際の連絡先としては、以下の選択肢があります。
- 給湯器メーカー
- 給湯器販売業者
- 施工会社・管理会社・大家
- ガス会社
- 家電量販店・ホームセンター
メーカーの保証期間内の場合は、使用しているメーカーに連絡するのが一番良いです。
保証期間を過ぎている場合は、対応が早い上に料金も安く済むことが多い給湯器業者に連絡しましょう。戸建てなどで築浅であれば、施工会社に連絡するのが無難です。
賃貸であれば、ある程度の状況を説明できるようにした上で、管理会社や大家さんに連絡してください。
対応が早く、料金が安いのは給湯器業者
全国各地に営業所があり、自社の施工人員が多数在籍している給湯器業者は、連絡してからの対応も早く料金も安く済みます。
下記の3社は、一部地域は除くものの全国対応しており、施工実績が豊富な給湯器専門の業者です。
24時間、年中無休で受け付けしているため、ほとんどのケースで緊急時に迅速な対応が可能となっています。
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給湯器の水漏れを放置すると危険な理由
給湯器で発生している水漏れを放置すると、以下のような危険が伴います。取り返しのつかない事故が起こってしまう前に対応しましょう。
- 不完全燃焼による一酸化炭素中毒
- 経年劣化の水漏れによる故障
- 水漏れによる電気系統のショート、短絡
- 集合住宅における階下漏水
不完全燃焼による一酸化炭素中毒
一酸化炭素は、ガス給湯器が不完全燃焼を起こすと発生します。通常使用する液化石油ガスは本質的に有毒ではありませんが、燃焼する際に多くの酸素を必要とします。
酸素が適切に供給され、液体ガスが燃焼すると、人体に無害な二酸化炭素(CO2)と水蒸気(H2O)が生成されます。
しかし、換気を怠ると燃焼に必要な酸素が十分に取り込めなくなります。また、給湯器自体に不具合が生じると不完全燃焼となり、毒性の強い一酸化炭素が発生します。
不完全燃焼による一酸化炭素中毒は、空間に充満した無味無臭の一酸化炭素を吸い込むことで起こる事故です。一酸化炭素中毒になると、頭痛や吐き気、耳鳴りなどの症状を起こし、死に至ることもあります。
経年劣化の水漏れによる故障
一般的に給湯器の寿命は10年程度で、長く使うほど劣化・故障しやすくなります。また、ゴムパッキンの磨耗や破損、経年によるナットの緩みで水漏れする場合があります。
経年劣化によって水漏れが発生している場合、放置することで他の部位が故障するリスクが高くなってしまいます。故障による発火などの恐れもあるので、対処が必要です。
一方、給湯器を新設したばかりで水漏れが発生した場合は、経年劣化以外の原因が考えられます。施工不良の可能性もあるため、施工業者に連絡してみましょう。
水漏れによる電気系統のショート、短絡
給湯器の水漏れによって電気系統がショート、短絡してしまうと危険を伴います。場合によっては、感電や発火の原因にもなります。
ショート・短絡すると、給湯器そのものが動作しなくなるため、修理や交換が必要です。
集合住宅における階下漏水
マンションやアパートの階下に部屋がある場合、給湯器の水漏れによって階下が浸水する可能性があります。
過去には、水滴程度の水漏れだった状況下でゴムパッキンが完全に壊れてしまい、ものすごい速度で水が漏れ始めるというケースもありました。
水が飛び散ることもあり、この場合は給湯器周辺だけでなく、環境によっては下の階も相当な被害を受けます。
給湯器に限らず、水漏れを放っておくと状況はさらに悪化します。水漏れを見つけたら、早めの対処と行動を心がけてください。
給湯器が水漏れした際にかかる修理費用の目安
部品の経年劣化や損傷などが原因で、給湯器に水漏れが起こった場合にかかる修理費用の目安を紹介します。
給湯器の水漏れ箇所の修理費用
給湯器が水漏れしている場合、配管からの水漏れなのか給湯器本体からの水漏れなのかによって、費用は大きく異なります。
配管からの水漏れの場合に工事はそれほど大したものではなく、配管の場所にもよりますが10,000円~40,000円程度かかります。
給湯器本体からの水漏れの場合は、劣化した部品の交換や修理であれば15,000円~30,000円程度で修理できます。
水漏れで給湯器交換が必要な場合の費用
給湯器そのものの交換が必要な場合は、給湯器本体の価格が高いため費用がかさみます。種類や大きさによっても異なりますが、最低でも10万円~40万円程度かかります。
修理なのか交換かの見極め方
給湯器を修理するか交換するかの判断は、使用年数によっても左右されます。メーカー保証期間内であれば修理した方が安く、超過して使っていれば交換したほうが安くなります。
10年以上の場合は買い替えを検討
使用年数が10年近い場合は、部品の修理などを行ったとしても別の箇所で不具合が再発生するリスクが高いです。そのため、メーカーや給湯器業者からも給湯器本体の交換を提案されることがほとんどです。
まずは給湯器の使用年数を確認し、修理するか交換するかを決定しましょう。賃貸の場合は、家主または管理会社に連絡してください。また費用が気になる場合は、事前にメーカーや給湯器業者に確認しておきましょう。
給湯器の水漏れは自分で修理できる?
水漏れを自分でDIY修理することはやめるべき
給湯器の水漏れ修理は安くても5,000円、配管の交換などが必要になると数万円かかることもめずらしくありません。
「できるだけ安くすませたい。自分で修理できないだろうか?」と考える人もいるかもしれませんが、基本的にやめておいた方が無難です。
ホームセンターなどに水漏れ修繕テープも売っていますが、そういったものはあくまでも一時しのぎにしかなりません。
また、劣化してしまった部品の交換などの場合は、分解が必要になるので少々危険です。
給湯器の水漏れ修理は専門業者に依頼しよう
修理費用を節約しようとDIYで済ませようとしたら水漏れを余計にひどくしてしまい、結局は給湯器の交換が必要になってしまった例もあります。
給湯器の水漏れを直すには、メーカーや給湯器業者などの専門家に依頼するのが安心・安全です。
しかし、中には悪徳業者もいて簡単なパッキン交換で直る水漏れであるにもかかわらず、適正ではない修理費用を請求をしてくる場合があります。「水漏れを早く止めたい!」と、あせって悪徳業者にひっかからないようにしましょう。
給湯器の水漏れは、給水元栓を締めておけばとりあえずは止まるので、水が漏れ続けて水道代がかさむ心配もありません。まずは水漏れを止めて、信頼できる業者を探しましょう。
給湯器が水漏れし続けた場合の水道代請求
漏水に気付かず長時間経つと高額請求にもなり得る
給湯器から水が漏れ続けると、少なからず水道料金が上がります。水漏れに気づかずに長時間放置していると、多額の請求が発生してしまう場合があります。
なかば事故に近い漏水によって水道料金がかさんだ場合でも、「自分で払うの?」と思う方もいることでしょう。
漏水が自宅ではなく屋外の水道管からだった場合は、自治体にもよりますが水道料金の減額や還付などを受けることができます。
水道料金の減免・還付申請ができる条件
水道料金の減免・還付を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 使用者には過失がない場合(地中にある給水管からの漏水等)
- 自然災害等により水道管が損傷した結果、水漏れした場合
水道料金の減免申請が受けられない例
以下の様な場合は、水道料金の減免・還付を受けられない可能性が高いです。
- 使用者の過失によるもの(蛇口の締め忘れ、締めが甘い)
- 水漏れ発生確認後も該当箇所の修理対応をしなかった
- 漏水前と比較しても水量に大きな変化が確認できない
- 自治体の定めた基本料金内に収まる金額
- 給水機器の故障などによって発生した水漏れ
自治体によっては、他のケースでも減免対象外ということがあるため、お住いの自治体に問い合わせて確認してください。
減免・還付申請ができる条件に該当する場合
減免の申請方法は自治体によって異なりますが、大まかな流れは次のとおりです。
- 給水管に発生した水漏れの確認
- 業者に水漏れしている箇所の修理を依頼
- 水道局漏水軽減請求書に必要事項を記入
- 申請書類を地域サービスセンターに提出
- 水道料金の減免・還付決定を待つ
まず、給水管に生じた水漏れ(水道メーターと蛇口の間)の詳細を確認します。次に業者に水漏れしている箇所の修理を依頼してください。
修理完了後、水道局漏水軽減請求書に必要事項を記入します。修理業者からの請求書と領収書の写しを添付して、地域サービスセンターに提出し、減免・還付決定を待ちます。
実際に使用した水道料も請求書に含まれるため、全額免除されるわけではありません。通常、漏水前2~4ヶ月の平均水量を基準にすると、平均量を超えた部分(50%~70%)が減免・還付されます。
まとめ
今回は、給湯器から水漏れが発生する原因と対処方法などを中心に解説しました。
給湯器を長期間使用していない状況以外での水漏れ発生は、部品の経年劣化や破損などの可能性が非常に高く、業者への依頼が必要になることがほとんどです。
給湯器の水漏れは、水滴程度の量ということが多いので、発生に気付かない場合もあります。給湯器を普段あまり目にしない場所に設置しており、思い当たる節がないのに水道料金の増加があった場合、特に注意してください。
少しぐらい給湯器から水漏れしていても平気ということはありません。給湯器の水漏れは、一酸化炭素中毒を引き起こすことさえある大変危険なサインです。メーカーや給湯器業者への相談が必要な状況の場合は、できるだけ早く連絡して修理するようにしてください。