給湯器の法定点検や定期点検は必要?どこに頼むのか、実施までの流れなども解説

給湯器の法定点検や定期点検は必要?どこに頼むのか、実施までの流れなども解説

給湯器を長く安全に使用するには、定期的に点検を受けることが求められます。

また、給湯器にはメーカーが推奨する定期点検のほか、法定点検と呼ばれる、長期使用製品安全点検制度に準じて行う点検があります。

エラーコードが発生して復旧できない場合などにも、状況に応じてメーカーや給湯器業者に点検修理を依頼する必要があります。

この記事では、給湯器における点検の必要性や手順、点検費用などを中心に紹介しますので、参考にしてください。

給湯器の点検は主に2種類ある

  • 法定点検
  • 定期点検(あんしん点検)

法定点検

長期使用製品安全点検制度に準じた基準の点検

法定点検とは、「長期使用製品安全点検制度」という制度に則って行われる点検のことです。

この制度は、一般家庭で使用される家電製品の事故を防止するために作られたもので、給湯器や湯沸かし器など、特定の製品が対象となっています。

当初は石油温風暖房機や電気式浴室乾燥機など5製品も対象でしたが、2008年8月1日の改正で対象外となったため、2023年1月現在、上記2製品のみが対象になっています。

所有者と製造者に課せられる責任

所有者の責務は、事故防止のための点検を実施することです。

製造者の義務には、必要な点検を実施しなければならない期間を特定し、適切な時期を所有者に通知することが含まれています。

法定点検の費用

メーカーによって多少異なりますが、一般的には「1万円前後」の点検費用がかかります。法定点検の結果、修理や交換が必要になった場合は、追加で費用がかかります。

定期点検(あんしん点検)

定期点検・あんしん点検は、給湯器メーカーが有償で行う自主点検です。定期点検は製造からの年数に関係なく受けられ、いつでも給湯器の状態を確認できます。

法定点検は「石油給湯器」のみですが、定期点検は「ガス給湯器」でも行うことができます。そのため、法定点検対象外の給湯器であっても、定期点検を受けていれば安心して使い続けることができます。

長年同じ給湯器を使い続けると、故障の危険性が高まります。そのため、メーカーによる定期点検をできるだけ頻繁に実施し、リスクを早期に発見することが重要です。

あんしん点検はメーカー独自の点検制度

給湯器のトップメーカーであるノーリツとリンナイには、独自の点検制度「あんしん点検」があり、いずれも法令に基づき実施され、経年劣化による事故を未然に防ぐことを目的としています。

点検は日本ガス石油機器工業会(JGAAP)が定めた内容に基づき、メーカー(ノーリツ製品はノーリツ、リンナイ製品はリンナイ)が有償で実施します。

法定点検と同様に、点検時期が近づくと通知が届きます。

定期点検(あんしん点検)の費用

メーカーや業者によって多少異なりますが、一般的には「1万円前後」の点検費用がかかります。定期点検(あんしん点検)の結果、修理や交換が必要になった場合は、追加で費用がかかります。

法定点検や定期点検が必要な理由

  • 重大な事故を未然に防ぐため
  • 法定点検は製品の所有者・メーカーや販売店の責務

重大な事故を未然に防ぐため

法定点検制度は、給湯器や湯沸かし器の事故を未然に防ぐために設けられています。

給湯器は経年変化による故障や劣化で、ガス漏れや一酸化炭素の発生など危険な事故を起こすことがあります。

このような事故を防ぐため、製造から一定期間が経過した給湯器には点検が行われ、不具合がないかどうか確認が行われます。

法定点検は製品の所有者・メーカーや販売店の責務

長期使用製品安全点検制度では、使用者(製品の所有者)と製造・輸入・販売者の双方が、製品の点検・整備を行う責任を負っています。

法定点検は、製造から9~11年に1回行われます。法定点検は定期点検ほど頻繁には行われず、製造から一定期間が経過した後に1度だけ行われます。一定期間とは、給湯器の製造から9年~11年の間です。

給湯器を安全に使うことができる目安は約10年で、この前後は経年劣化による故障や不具合が見つかりやすいため、この時期に法定点検を行います。

法定点検制度に罰則はない

経済産業省のガイドラインによると、法定点検制度は「義務」ではなく「責務」と定義されています。なお、従わない場合の罰則はありません。

法定点検は制度の一部として規定されていますが、点検作業の料金は所有者の負担となります。点検の料金や出張費の有無は、点検を行うメーカーなどによっても異なります。

法定点検期間中に給湯器の点検を行わないと、給湯器の重大な不具合を見落とす可能性があります。安心して給湯器を使い続けるためにも、制度に基づいた適切な対処をおすすめします。

給湯器の法定点検を実施する流れ

石油給湯器の法定点検は、一体どのように行われるのか。本章では、石油給湯器の購入から法定点検までの流れを解説します。

  1. 購入時に販売者から説明を受ける
  2. 給湯器の所有者登録を行う
  3. 点検時期近くに通知を受ける
  4. 通知に従い点検を申し込む
  5. 法定点検の実施
  6. 法定点検の結果

購入時に販売者から説明を受ける

石油給湯器を店頭で購入する場合、販売元から製品の「設計期間」や「法定点検の時期」について説明を受けます。

消費者保護安全法により、特定のメンテナンス製品の販売者は、所有者に対して法定点検の説明をすることが義務付けられているためです。

設定の期間は安全に使用できる期間であること、設計期間が近づくにつれて異音や異臭に注意すること、異変に気づいたら使用を中止することなどが説明されます。

給湯器の所有者登録を行う

購入後、石油給湯器の「所有者」として、氏名、住所などをメーカーに登録します。製品には所有者登録用のハガキが付属しているので、必要事項を記入して郵便局に持っていきます。

一部の石油給湯器では、購入時にその場で直接ハガキに記入し、担当者に渡すことも可能です。ハガキを使わない場合は、インターネット上の給湯器メーカーのホームページで、所有者情報を記入することもできます。

点検時期近くに通知を受ける

法定点検期間が過ぎると、メーカーからハガキやメールなどで点検の案内が届きます。石油給湯器の設計標準使用期間は10年なので、購入後ある程度時間が経過しているはずです。

所有者登録をしていることを忘れてしまっているかもしれませんが、通知が届いたら必ず法定点検を実施しましょう。

給湯器によっては、点検時期をお知らせする機能があり、点検時期になるとリモコンやランプにエラーメッセージが表示されます。

通知に従い点検を申し込む

検査通知書の指示に従い、ハガキ、ホームページ、電話などで強制検査の申し込みをしてください。法定点検の当日は、自動車の所有者として立ち会う必要がありますので、在宅の予約をしましょう。

法定点検を依頼する際には、給湯器の製品名と製品番号を確認して、故障がないことを確認することも大切です。製品名と製品番号は、給湯器本体に貼られているシールに記載されています。

法定点検の実施

法定点検当日は、メーカーや子会社の専門業者が機器の点検に来ます。検査員資格制度で選任された有資格者が、法定点検を担当します。

法定点検では、省令で定められた項目やメーカーが独自に定めた項目など、約30項目を確認をします。

検査後に責任者から「適合」「不適合」の結果が通知され、今後使用するための「宣言書」が渡されます。検査は通常1時間程度で終了します。

法定点検の結果

検査で異常が見つかった場合、給湯器を修理するか別途交換する必要があります。修理や交換について気になることがあれば、検査当日に検査担当者に連絡するとスムーズです。

給湯器の定期点検(あんしん点検)の流れ

給湯器のメーカーは、定期的な点検(あんしん点検)を推奨しています。これは、メーカーによるいわゆる自主点検です。

本章では、給湯器の定期点検(あんしん点検)の流れについて解説します。

  1. 定期点検を申し込む
  2. メーカーと日程調整
  3. 定期点検(あんしん点検)の実施
  4. 定期点検(あんしん点検)の結果

定期点検を申し込む

あんしん点検は、法律で義務づけられているものではありませんが、長期間使用した給湯器の安全性を確認するために、法律で定められた試験基準に基づいて実施されます。

あんしん点検の対象製品は、屋外用ガス給湯器、ガス専用給湯器(室内機・室外機)です。

所有者が登録済みの場合:点検のお知らせに同封されているハガキ、または電話にて申し込みます。オーナー登録は電話でも申し込めるケースが多いです。

メーカーと日程調整

メーカーと点検を実施する日時を調整します。なお、あんしん点検の費用と点検時間について給湯器メーカー各社は、安全点検のために点検料を徴収しています。点検料金は各社で異なりますが、法定点検と同じく1万円程度が目安です。

定期点検(あんしん点検)の実施

定期点検(あんしん点検)当日は、メーカーの有資格者が機器の点検に来ます。検査時間は、およそ60分程度かかります。

また、検査後の修理や交換について疑問点があれば、予め検査前に担当者に相談してください。

定期点検(あんしん点検)の結果

検査で何らかの異常が見つかった場合、給湯器を修理するか本体交換する必要が生じます。修理や交換の必要がある場合、費用面や今後のリスクなどを加味した上で対応を検討しましょう。

あんしん点検を依頼するタイミング

あんしん点検のタイミングは特に決まっていません。しかし、法律で定められた製造後10年程度を目安に点検することが望ましいとされています。

できれば10年の保有期間が満了する前に給湯器メーカーで点検を行い、劣化している場合は部品の交換ができるようにしておくとよいでしょう。

給湯器をセルフ点検する方法

一般の家庭でもできる簡単な給湯器のセルフ点検方法があります。むしろ、定期的な点検を行うことで、給湯器の大きなトラブルや事故を回避できる場合もあるほどです。

自分でできる主な点検方法は、目視と音で異常がないかを確認することです。給湯器を点検して小さな異変に気付けば、修理を依頼する際にも焦らずに対処することができます。

以下は、定期的に実施したい主な点検ポイントです。途中で異常を発見した場合は、すぐに専門家による点検を手配してください。

定期的に確認したい給湯器の点検箇所

  • 給湯器の入口と出口の吹き出し口に、ほこりや異物、ススが付着していないか
  • 運転中に大きな振動音や「ピーピー」「キーキー」などの異音がしないか
  • 給湯器から水や油がもれていないか
  • ガス漏れなどの異常な臭いがしていないか
  • 給湯器から焦げ臭いにおいや煙は出ていないか
  • 給湯器の近くに燃えやすいものがないか
  • 温度設定は正しく、お湯の温度は正常か

上記のほか、給湯器の表面が錆びていないかなども確認します。表面が錆びていると内部部品も錆びている可能性があり、故障の原因になります。

自己点検して何かしらの問題があった場合

給湯器の修理については、自分で行ってはいけません。給湯器は構造が複雑で、電気・ガス・水とつながっています。そのため、知識や資格がなければいくらDIYが得意でも修理は不可能です。

プロ以外が自己流で修理を試みると、今以上に状態が悪化する恐れがあります。特に電気回路等に関わる作業には、電気工事士の資格が必要です。無資格で作業を行った場合、30万円以下の罰金または1年以下の懲役に処せられます。

給湯器の対応には多くの資格が必要

無資格者が修理を行うと、逆に状態が悪化するだけでなく、火災など他の災害が発生する可能性もあります。このようにリスクが大きいため、無資格者が給湯器の修理などを行うことは非常に危険です。

給湯器の修理を依頼する場合は、まずその業者が有資格者かどうかを確認するようにしましょう。近年では、要資格の作業を無資格の技術で行ってしまう業者が増えてきており、注意が必要です。

実際に給湯器の修理に来てから「無資格」であることが判明した場合、時間を無駄にしたことになりますし、無資格であることを理由に断っても出張料金を支払わなければならないこともあります。

給湯器点検の結果、修理ではなく交換をお勧めするケース

給湯器の状態にもよりますが、修理ではなく交換をお勧めするケースは以下の2つです。

  • 給湯器の寿命が近い、または古い場合
  • 修理より交換の方が安く済む場合

給湯器の寿命が近い、または古い場合

給湯器の寿命は、一般的に10年程度と言われています。不具合の内容によっては修理で直らないこともあります。

不具合が発生したということは他の部品も劣化しているため、短期間で再度修理が必要になる可能性も高いです。修理して再び動作するようになったとしても、他の部品の劣化が顕著な場合は、交換を余儀なくされます。

また、生産中止品であれば部品の取り寄せに時間がかかり、交換よりも時間がかかる可能性は否めません。そのため、修理よりも交換の方が早く改善できる判断した場合、業者から交換を提案されることもあります。

修理より交換の方が安く済む場合

製品の生産が終了しており、代替部品の調達が難しい場合などは、修理費用は高額になることがあります。修理が高くなる場合は、給湯器本体を交換する方が割安になることが多いです。

ただし、給湯器のメーカー保証が残っている場合は、交換よりも修理の方が安価な場合が多く、無料になることがほとんどです。また、交換部品があれば即日修理が可能なため、手間がかかりません。

まとめ

給湯器の点検には、石油給湯器の製造者・所有者に義務付けられた法定点検と、メーカーなどが任意で行う定期点検(あんしん点検)がありました。

給湯器の点検を受けた結果、機器の修理や交換を提案された場合には、使用年数によっては安全に使用できるよう機器の買い替えを検討しましょう。基本的には、点検をして何らかの問題がある場合、修理よりも給湯器本体の交換をすすめられます。

突然給湯器が作動しなくなってしまい、お湯が出ない!という状況を避けるためにも、定期点検は受けるようにしておきましょう。

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