給湯器の交換や導入で貰える補助金・助成金を解説!制度を活用してお得に買い替え可能

給湯器の交換や導入で貰える補助金・助成金を解説!制度を活用してお得に買い替え可能

給湯器を安く買い替えしたい、性能の良い給湯機器をお得に設置したいという方におすすめなのが、補助金や助成金を利用した導入方法です。

最近では省エネタイプの給湯機器が増えており、環境面だけでなく安全面でも優れた機器が多数リリースされています。高効率給湯器については、国や一部の自治体で補助金や助成金が受けられます。

この記事では、補助金の対象となる給湯機器、給湯器導入で使える補助金・助成金、補助金が受けられる自治体の例などについて解説します。

給湯器の交換や導入で補助金がもらえる理由

給湯器の交換で補助金がもらえる理由
給湯器の交換や導入時に補助金・助成金が貰える理由ですが、国家として温室効果ガスの排出削減を推進するためです。

日本では、1997年に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択された「京都議定書」に基づき、2012年頃まで温室効果ガスの排出削減に取り組んでいました。

続いて、2016年11月 パリ協定に批准し、温室効果ガス排出量を削減する目標を掲げました。目標の中で、家庭部門においては約4割という大きな削減が必要とされています。

環境や省エネに優れた高効率給湯器の導入支援目的

時代の流れから、環境配慮や省エネ効果に優れた給湯機器を開発する必要があったため、高効率給湯器としてエコジョーズやエコキュートを始めとする製品が誕生しました。

温室効果ガス削減目標を達成するため、国や多くの自治体では、エコジョーズやエコキュートなどの導入支援となる補助金や助成金制度が設けられました。

なおエコジョーズは、2010年頃まで国の補助金制度がありましたが、現在は各自治体で設けられている補助金・助成金制度でのみ受給が可能となっています。

補助金の対象製品となる給湯機器

ECO補助金の対象となる給湯器

給湯機器であれば、どの製品でも補助金・助成金制度の対象になるという訳ではありません。

実際に補助金や助成金を受けるためには、基本的に「環境に配慮されており、地球に優しい」高効率給湯器と呼ばれる製品を導入する必要があります。

補助金・助成金制度の対象製品となる高効率給湯器は、主に家庭用燃料電池・ハイブリッド給湯機・ヒートポンプ給湯機の3種類が該当しています。

製品 分類 燃料 発電 給湯 費用 補助金 主メーカー
エネファーム 家庭用燃料電池 ガス(水素) 130~280万円前後 パナソニック・アイシンなど
エコワン・ユコアHYBRID ハイブリッド給湯・暖房システム ガス・電気 × 60~80万円前後 リンナイ・ノーリツなど
エコキュート 家庭用ヒートポンプ式給湯機 電気 × 40~70万円前後 パナソニック・三菱電機など
エコフィール 潜熱回収型石油給湯機 灯油 × 30~50万円前後 × コロナ・ノーリツなど
エコジョーズ 潜熱回収型ガス給湯機 ガス × 30~50万円前後 × リンナイ・ノーリツなど

エネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)

エネファームは、家庭用燃料電池に分類される製品です。給湯・暖房と発電を行えるため、電力の購入を減らせて節電に繋がる、おうち専用の小さな発電所のような省エネ設備です。

仕組みとしては、都市ガスやLPガスから電気と熱を作り出すことができます。燃料電池(発電)ユニットのスタックで、ガスから抽出した水素と装置によって供給される空気中の酸素で化学反応を起こし、電気を発生させます。この時、同時に熱も発生します。

電気を作り出す際に発生する熱を有効活用し、排熱でお湯を沸かします。沸かしたお湯は、貯湯ユニットのタンクに貯めておくことで、給湯・暖房用途で使用可能な状態にしています。貯湯タンク内のお湯が不足した場合や追い焚き時は、バックアップ熱源機が作動してお湯が切れるのを防ぎます。

また、作り出した電気は家電製品などに使える上、排熱で沸かしたお湯はキッチンやシャワーへの給湯のほか、床暖房や浴室暖房にも利用できます。現状だと導入費用は非常に高額となっていますが、普及率が上がるに連れて値段も下がってくるでしょう。

エコワン・ユコア HYBRID(ハイブリッド給湯機)

エコワンやユコア HYBRIDは、ハイブリッド給湯機に分類される製品です。ハイブリッド給湯機とは、電気とガスを併用する給湯器のことで、湯沸かしや暖房にも使えます。

ハイブリッド給湯機は、電気とガスの両方を使ってお湯を沸かすことが可能です。基本的に電気で効率よくお湯を沸かし、ガスは短時間でお湯を沸かすといった仕組みになっています。

特徴は状況に応じてお湯の沸かし方を変えられることで、効率的かつ迅速に水を沸騰させることができます。電気を利用したヒートポンプで沸かしてタンクにお湯を貯めますが、お湯がなくなるとガスを使って素早く沸かして給湯します。

ハイブリッド給湯機なら、無駄なくお湯を沸かすことが可能なため、家計と環境の両立が実現できます。お湯の使用量が急に増えても対応できるので、どんな場面でも便利にお湯を使えます。

エコキュート(家庭用ヒートポンプ式給湯機)

エコキュートは、家庭用ヒートポンプ式給湯機に分類される製品です。正式名称は、自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機です。

エコキュートは、ヒートポンプ技術により、空気の熱を利用してお湯を沸かす家庭用温水システムです。最大の特徴は、空気中の熱を利用してお湯を作る点にあります。

コストの安い夜間電力を使って効率よくお湯を沸かすので、従来からの一般的なガス給湯器よりも省エネ性能に優れています。

このようなサイクルを繰り返して、沸かしたお湯を温水タンクに貯めており、ガス給湯器よりもランニングコストが安いという理由で注目されています。そのため、エコキュートへの買い替えを検討する人も増えています。

補助金対象外の給湯機器(一部例外あり)

潜熱回収型ガス給湯機に分類されるエコジョーズなどは、過去に補助金制度が設けられていましたが、現在は多くの場合で対象外となっています。理由としては、ある程度普及が進んだことで導入費用も抑えられてきたためです。

なお、潜熱回収型石油給湯機・潜熱回収型ガス給湯機については、各自治体の方で補助対象としていることがあります。導入を検討している方は、居住地域の自治体で確認すると良いでしょう。

エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯機)

エコジョーズは、潜熱回収型ガス給湯機に分類される製品です。高温に達する排熱を有効利用しており、少ないガス消費量で効率よくお湯を作ることができます。

従来の給湯器よりも効率が良いため、ガスの使用量が少なくガス代が節約できる、環境にやさしい高効率給湯器です。

潜熱回収型給湯器と呼ばれるエコジョーズは、これまで無駄にしていた約200℃近い廃熱を再利用し、効率よくお湯を作る仕組みの給湯器として知られています。

瞬間型の湯沸かし式なので、コンパクトな見た目で置き場所を選ばず、必要な時に使う量だけお湯を沸かすことができます。

エコフィール(潜熱回収型石油給湯機)

エコフィールは、潜熱回収型石油給湯機に分類される製品です。排気ガスの熱を回収・再利用し、熱効率を高めた新しいタイプの石油給湯器です。

熱効率を95%まで高めてパラフィンの消費量を削減し、CO2排出量も抑えているため、環境にやさしい石油給湯器として知られています。

お湯を沸かす際に発生する約200℃の排熱を二次熱交換器で回収し、水を加熱することで熱効率を83%から95%に大幅に向上させています。

エコフィールを使うことでCO2排出量は197kg(年間)削減されており、省エネ性能だけでなく地球環境に優しい給湯機器として評価されています。

給湯器の導入や交換で使える補助金・助成金制度

国や各自治体では、環境に優しく省エネに優れている高効率給湯器の導入を支援する補助金、助成金制度が設けられています。2023年3月から、「給湯省エネ事業」という補助金制度が始まります。

以下では、主な補助金制度について紹介します。

高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金

制度の概要

一般家庭など、消費者による高効率給湯器の導入を促進し、設備導入にかかる費用の一部を補助する制度となっています。

対象となる製品

  • 家庭用燃料電池
  • ハイブリッド給湯機
  • ヒートポンプ給湯機
家庭用燃料電池

一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)に登録されている製品。家庭用燃料電池には、エネファームなどが該当します。

参考リンク:機器登録リスト | 燃料電池普及促進協会(FCA)

ハイブリッド給湯機

一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)で、年間給湯効率が108%以上の製品。ハイブリッド給湯機には、エコワンやユコアHYBRIDなどが該当します。

ヒートポンプ給湯機

エネルギー使用の合理化等に関する法律施行令(昭和54年 政令第267号)第18 条第26号に掲げる電気温水機器。ヒートポンプ給湯機には、エコキュートなどが該当します。

補助される金額

製品の分類 製品の例 補助金額
家庭用燃料電池 エネファーム 15万円/台
ハイブリッド給湯機 エコワン 5万円/台
ヒートポンプ給湯機 エコキュート 5万円/台

補助金の申請について

本事業の補助金申請者(補助対象者)は、条件に適合する高効率給湯器を導入した所有者です。

申請については、導入した給湯器の所有者ではなく、給湯器導入に係る工事契約を締結した事業者(施工業者)が代行手続きする「予定」となっています。※工事依頼者の方で申請することができない

あらかじめ給湯省エネ事業に登録を行った事業者のみ、補助金の申請手続きを代行することができます。そのため、給湯器を導入する際に国の補助金を活用したい方は、事業者登録を済ませている施工業者に依頼する必要があります。

補助金の受け付け

令和5年3月下旬開始予定

申請に必要な書類などの詳細は、下記の資源エネルギー庁ホームページから確認してください。なお、国が実施している補助金制度のため、予算上限に達した時点で急遽終了する場合があります。

参考リンク:令和4年度補正「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」について|資源エネルギー庁

参考リンク:給湯省エネ事業(事業者向け)

その他、自治体の補助金・助成金制度

エコジョーズなどの潜熱回収型ガス給湯機に対する国の補助金は廃止されましたが、ごく一部の自治体は補助金を出し続けています。なお、家庭用燃料電池・家庭用ヒートポンプ式給湯器・ハイブリッド給湯器などであれば、補助金の対象となる自治体は更に多くなります。

温室効果ガス排出量の削減や地球温暖化防止を目的とした補助金・助成金ですが、自治体によって名称や内容が異なっています。例としては、以下のような名称で各々の自治体が補助金制度を設けています。

上記で紹介したのは一部となっていますが、そもそも補助金や助成金制度がない自治体がほとんどです。制度がある場合は利用した方が導入費用を抑えられますので、お住まいの市区町村の自治体のホームページなどで制度があるのかを確認してみましょう。

制度があるものの、補助金・助成金の対象に該当するのか不明な場合は、お住まいの自治体に直接問い合わせをしてみてください。

秋田県小坂町

小坂町新住宅リフォーム支援事業

工事費の20%(上限200,000円)

参考リンク:小坂町新住宅リフォーム支援事業補助金交付要綱

岩手県遠野市

スマートエコライフ推進事業

一律30,000円

参考リンク:スマートエコライフ推進事業について – 遠野市

茨城県常陸太田市

太陽光発電設備及び高効率給湯器設置費補助金

一律72,000円

参考リンク:太陽光発電設備及び高効率給湯器設置費補助金 – 常陸太田市

埼玉県桶川市

桶川市住宅用新・省エネルギー機器設置費補助金

一律30,000円

参考リンク:桶川市住宅用新・省エネルギー機器設置費補助金のご案内

東京都新宿区

新エネルギー及び省エネルギー機器等導入補助金制度

一律100,000円

参考リンク:新エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和4年度)

静岡県川根本町

クリーンエネルギー機器導入促進事業費補助金

対象経費の50%(上限50,000円)

参考リンク:令和4年度クリーンエネルギー機器導入促進事業費補助金

愛知県扶桑町

扶桑町環境にやさしい住宅改善促進事業補助金

対象経費の20%(上限200,000円)

参考リンク:扶桑町 環境にやさしい住宅改善促進事業補助金

滋賀県大津市

大津市定住促進リフォーム補助金

対象工事費の10%(上限200,000円)

参考リンク:大津市定住促進リフォーム補助金のご案内

大阪府泉大津市

泉大津市高効率給湯器設置補助金

上限20,000円

参考リンク:(設置後に申請)高効率給湯器設置に補助金を交付します

兵庫県加東市

加東市エコハウス設備設置補助制度

30,000円

参考リンク:令和4年度 加東市エコハウス設備設置補助制度について

岡山県西粟倉村

低炭素なむらづくり推進施設設置補助金の制度

対象経費の4分の1(上限100,000円)

参考リンク:低炭素なむらづくり推進施設設置補助金の制度 – 西粟倉村

愛媛県八幡浜市

八幡浜市移住者住宅改修支援事業費補助金

対象経費の3分の2(上限2,000,000円)

参考リンク:八幡浜市移住者住宅改修支援事業補助金のお知らせ

鹿児島県肝付町

肝付町住宅用高効率給湯器導入補助金

一律20,000円

参考リンク:高効率給湯器(エコキュート)導入補助金制度 – 肝付町

沖縄県沖縄市

沖縄市住宅用太陽光・省エネ設備設置補助金

一律30,000円

参考リンク:令和4年度沖縄市住宅用太陽光・省エネ設備設置補助金のご案内

給湯器の補助金申請から受取までの流れ

自治体によって多少違いはありますが、給湯器導入に関する補助金の申請から受取までの大まかな流れは、以下の通りです。

  1. 居住地域の自治体等に補助金があるか調べて、担当部署に申請方法を確認する
  2. 自治体の担当部署から指定された申請に必要な書類を準備して提出する
  3. 事前審査の結果、自治体から申請の承認を得られたら、高効率給湯器の導入工事を開始する
  4. 施工完了後、給湯器の導入工事を終えたことを自治体に報告する
  5. 自治体の担当部署による審査や現地確認(自治体による)、補助金が振り込まれる

各種必要書類を提出し、補助金・助成金の申請が承認されると「交付決定通知書」が届きます。なお、補助金の受領確認、補助金の振込完了の通知は行われないことが多いため、各自確認が必要です。

給湯器導入の補助金申請に必要な書類【例】

高効率給湯器の導入に活用できる補助金申請に必要な書類は、高効率給湯器の種類の違いや制度によって多少異なります。

一例ですが、エコキュートやエコジョーズの導入・買い替え補助金の申請には、以下のような書類を用意します。

  • 給湯器の補助金交付申請書
  • 給湯器導入にかかる費用の見積書
  • 給湯器導入に係る契約書の写し
  • 導入予定の給湯機器の仕様書・図面・カタログ
  • 給湯機器を設置する予定場所の配置図
  • 住民票、本人確認書類(運転免許証等)
  • 税金の滞納がないことを証明する書類(運転免許証等)

あくまでも例ですので、自治体や機器の種類によっては別途追加書類や証明書が必要な場合もあります。不明点があれば、補助金制度を設けている各自治体の窓口に相談してください。

まとめ

今回は、給湯器の交換や導入で補助金が貰える理由、補助金の受取対象となる給湯器の種類、給湯器の導入で使える補助金制度などについて解説してきました。

国家として温室効果ガスの排出削減を掲げているため、環境に配慮した高効率給湯器を導入することで、補助金や助成金の対象となることが分かりました。

ただし、国の補助金制度は予算上限に達した時点で終了となります。そのため、高効率給湯器の導入を予定していて各種条件を満たせる場合は、早めに行動することをおすすめします。

また、各自治体では補助金や助成金制度を設けていることがあります。自身が居住する地域の自治体に補助金・助成金制度があるかどうかも工事前に確認しましょう。

給湯器業者の場合は、自治体の補助金や助成金制度に詳しいことが多いため、交換を検討しているようなら相談すると良いでしょう。

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