給湯器や周辺がガス臭い原因と対処方法とは?ガス漏れで確認すべき点や他の異臭がする場合についても解説
給湯器の使用時や周辺がガス臭い理由には、ガス漏れや不完全燃焼など、さまざまな理由があります。特にガス漏れは、放っておくと爆発や引火などの恐れがあるので非常に危険です。
また、給湯器や周辺からガス臭だけではなく別の異臭がする場合にも注意が必要です。状況によっては、命に危険を及ぼすことがあります。
この記事では、給湯器がガス臭い時の原因、異臭がする時の対処方法、確認すべきことなどについて解説します。
給湯器を使用した際にガス臭い原因
給湯器の使用時などに室内や周辺がガス臭い場合、主に以下のような原因があります。
- ガス漏れ
- 不完全燃焼
- プロパンガスの残量不足
ガス漏れ
給湯器の運転中や停止中にガス臭がする場合は、ガス管やガス配管接続部などでガス漏れが発生している可能性が高いです。
ガス漏れの原因を特定し、修理・修復することは専門家以外にはできないため、必ず業者に依頼しましょう。
機器の経年劣化やガス管の破損など原因は様々です。事故につながるため、部品の交換や修理、給湯器本体の交換をする必要があります。
不完全燃焼
給湯器で不完全燃焼が発生している場合にも、ガス臭いことがあります。不完全燃焼とは、燃焼に必要な酸素が不足していて燃焼が不十分な状態です。
主に給湯器内部の水漏れ、給湯器内部の詰まり、給排気口などの閉塞が原因で不完全燃焼を引き起こします。水漏れによる不完全燃焼は、経年劣化などによっても発生します。
不完全燃焼が起こると、危険なガスである一酸化炭素が発生します。吸い込むと、一酸化炭素中毒など命にかかわる事故につながるので注意が必要です。
給湯器などで不完全燃焼が起きている場合には、次のような状態になるので、不完全燃焼発見の目安としてください。
- 炎がオレンジ色
- 異臭がする
- 目に刺激を感じる
- 炎が不安定
- 黒い煙が出る
上記のような症状に気づいたら、給湯器を使い続けることは非常に危険です。機器を停止するなど安全を確保した後、必ず業者に依頼しましょう。
プロパンガスの残量不足
プロパンガスを使用している家庭では、残量不足になった場合にもガス臭いことがあります。ガス漏れや不完全燃焼とは違い、危険なわけではありません。
もともとプロパンガスは無臭ですが、ガス着臭剤によって臭いが付けられており、人間が気付ける状態になっています。プロパンガスの残量が少なくなってくると、ボンベ内は着臭剤濃度が高くなるため、普段より臭いを強く感じることも多いです。
ガス漏れなどとの判断がつかない場合は、契約中のガス会社や業者に連絡しましょう。プロパンガスの残量不足であれば、ボンベ交換を行うことで症状が改善されます。
給湯器使用時にガス臭い場合の対処方法・確認箇所
ガス漏れが疑わしい場合、換気扇や送風機による換気は絶対に行わないでください。機器のスイッチを入れて通電した際に火花が出て、ガスに引火する恐れがあります。
給湯器の使用時に、室内や周辺がガス臭い場合の主な対処手順は、主に下記のとおりです。
- 給湯器などガス機器の使用を止めて元栓を閉める
- 室内でガス臭が発生している場合、部屋を換気する
- 換気などで安全を確保してガス会社に連絡をする
- 給湯器本体の状態に異常が起きていないか確認する
- 給湯器の給排気口が塞がれていないか確認する
部屋の外からガスの臭いが入ってきている場合は、全ての窓を閉めてガスの侵入を防いでください。
給湯器などガス機器の使用を止めて元栓を閉める
ガス漏れの疑いがある場合、まずは給湯器などのガス機器の使用を止めて、同時にガス栓とガスメーターにある元栓の両方を閉めてください。
また、換気扇のスイッチを入れたり、近くでタバコを吸うような引火につながる行為は絶対にしないでください。
室内でガス臭が発生している場合、部屋を換気する
室内でガスの臭いがしたら、すぐに部屋の窓を開けて換気してください。換気を促進するために、窓を2つ以上開けて空隙を作るとよいでしょう。
扇風機や電動送風機で換気をしたくなるかもしれませんが、発火の原因になって危険ですので絶対にやめましょう。
換気などで安全を確保してガス会社に連絡をする
基本的に、室内や使用中の給湯器周辺からガスの臭いがしたら、窓を開けて十分な換気を行い安全を確保した上で、契約しているガス会社に連絡をしましょう。
ガス臭の原因が給湯器の可能性もありますが、ガス管やガスメーターの劣化によってガス漏れが発生することも考えられます。ガス漏れの疑いがある状況下では、できるだけ早く業者に連絡することが重要です。
原因がはっきりしないまま素人が応急処置を行うと、後で命にかかわるような事故につながることもあります。修理点検はプロの専門業者に依頼しましょう。
給湯器本体の状態に異常が起きていないか確認する
給湯器の本体が変形していたり、黒いススがついている場合は、内部で異常発火などの不具合が起きている可能性があります。
また、焦げたような臭いがする、本体が振動しているなど、普段は見られない異常がないか確認してください。
ある程度、状況説明できるように確認を済ませた上で、給湯器メーカーや給湯器業者に連絡してください。
給湯器の給排気口が塞がれていないか確認する
何らかの原因で、給湯器の給排気口が塞がれている場合に、不完全燃焼が起こることがあります。
枯葉やゴミのほか、鳥の巣や積雪などでふさがれている場合もあるので、問題がないか確認してください。給排気口が塞がっているようなら、遮蔽物を取り除きましょう。
閉塞を改善しても状況に変化がなければ、安全のためにもメーカーや給湯器業者に連絡してください。
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給湯器や周辺でガス以外の異臭がする場合の原因と対処方法
給湯器で発生する可能性がある異臭は、ガス臭のほかにもいくつか存在しています。これらの異臭は、それぞれ発生する原因が異なりますが、いずれも異常や故障のサインです。
給湯器から発生するガス臭以外の異臭には、主に下記のようなものがあります。
それぞれの異臭が発生する原因と対処方法について解説します。
生臭い臭いの原因
給湯器から生臭いような異臭がする場合は、給湯器内部に溜まっている水の腐食が原因として考えられます。
通常、給湯器は使用時に内部で水が循環するように設計されています。しかし、給湯器を長期間使用しない場合などの状況下で、内部に溜まっている水が腐食することがあります。
対処方法
ほとんどの場合、給湯器の底にある排水栓から溜まった水を排出することで改善されます。ただし、使用しなかった期間が長い場合は、内部の部品が腐食している可能性があります。不具合が発生するようなら修理点検が必要です。
焦げ臭い臭いの原因
給湯器から焦げ臭いにおいがする場合は、不完全燃焼や発火が起こっていることが原因として考えられます。爆発する可能性などもあるため、大変危険な状態です。
不完全燃焼は、給湯器内部にたまったホコリや汚れが原因であることが多いです。ホコリや汚れを放置して使い続けると、一酸化炭素中毒・爆発・火災などの大事故につながる可能性があります。
対処方法
給湯器から焦げ臭いにおいがしたら、機器の運転を停止させてください。安全を確保した上で、業者に修理点検を依頼してください。
酸っぱい臭いの原因
給湯器から酸っぱい刺激臭がする場合は、外装や本体内部の金属部品などの腐食が原因として考えられます。
金属部品の腐食を放置してしまうと、侵食した部分からガス漏れが発生する可能性があります。
対処方法
給湯器内部を確認して対応する必要があるため、使用している給湯器メーカーや給湯器業者に連絡して修理点検を依頼してください。
また、刺激臭や目にしみるような感覚がある場合は、一酸化炭素が発生している可能性があります。換気を行い、業者が来るまでの間に安全を確保しましょう。
ニンニクのような臭いの原因
一般家庭で使われているプロパンガスや都市ガスは本来は無臭ですが、ガス漏れ発生時に人間が分かるようガス着臭剤で臭いが付けられています。
ガス着臭剤による不快な臭いは、腐ったニンニクの臭いに例えられます。給湯器や周辺から不快感を感じるニンニクのような臭いがする場合は、ガス漏れが発生している可能性があります。
対処方法
ガス漏れは、一酸化炭素中毒・爆発・火災など大事故の原因になります。速やかに給湯器やガス機器の使用を中止して、安全を確保した上で契約中のガス会社に連絡してください。
給湯器や機器周辺が臭い場合の相談先
給湯器や周辺などが臭い場合の相談先として挙げられるのは、契約中のガス会社、使用している給湯器メーカー、給湯器業者の3つです。
- 契約中のガス会社
- 使用している給湯器メーカー
- 給湯器業者
給湯器からの異臭は、ガストラブルが関係していることが多く、重大な事故につながる可能性があります。ガス機器の作業には資格が必要なので、自分で対処せず業者に依頼しましょう。
契約中のガス会社
賃貸住宅にお住まいの方でも、使用している部屋や給湯器の近くで明らかにガス臭がする場合は、ガス会社に連絡して状況を報告することをお勧めします。
ガス臭の原因が給湯器本体という可能性がありますが、周囲のガスメーターやガス管などの劣化もガス漏れが発生する原因のひとつです。
ガス漏れの原因が給湯器本体ではなく、ガス管やガスメーターにある場合は、ガス会社以外の業者では対応できません。
使用している給湯器メーカー
給湯器内部で発生した不具合によるガス漏れの可能性が高ければ、使用している給湯器メーカーのサービスマンでも対応可能です。
使用している給湯器メーカーの保証期間内であれば、故障などがあったとしても無償対応を行ってもらえることがほとんどです。
周辺のガス管がガス漏れの原因だった場合は、ガス会社への連絡が必要です。また、メーカーの保証期間を過ぎてしまっている場合は、給湯器業者に依頼した方が安く済みます。
給湯器業者
ガス漏れの原因がガス管などではなく、給湯器本体や給湯器の周辺にある場合は、給湯器業者でも対応可能です。
点検の結果、給湯器の修理や本体交換を依頼することになった際に、最も費用が抑えられます。ただし、ガス管などが原因だった場合は、契約中のガス会社に連絡することになります。
給湯機器に関するガス臭でよくある質問
不完全燃焼の見極め方は?
酸素が不足したり、物質が十分に酸化されないことを不完全燃焼といいます。具体的には、ろうそくの炎を想像してください。ろうそくが不完全燃焼を起こすと、炎から黒い煙「すす」が出ます。
煤は、ろうそくの中の炭素が酸化されずに残ったものです。完全燃焼では炭素は二酸化炭素に変わりますが、不完全燃焼では炭素として放出されるため黒い煙が出ます。
ガス給湯器も同様で、気体燃料に含まれる炭素が十分に酸化されず、不完全燃焼となります。この場合、一酸化炭素が発生してススが出ないので危険です。
ガス漏れ時のNG行為は?
ガス漏れ時のNG行為ですが、照明や換気扇などの電源には絶対に触れないようにします。理由としては、通電した際に着火の原因となる火花が発生する可能性があるからです。
また、部屋の中でマッチやライターを使ったり、タバコを吸ったりしないようにしてください。
ガス漏れ発生時の修理費用は?
ガス漏れ発生時の修理にかかる費用目安は、平均3~5万円程度です。ただし、設置場所や購入年数によってはさらに高額になる可能性があります。
賃貸物件の給湯器でガス漏れが発生した際の対処方法は?
住まいが賃貸物件の場合は、まず契約中のガス会社へ連絡してください。その後、管理会社や大家に状況を報告することをおすすめします。
なお賃貸物件では、アパートやマンションそのものだけでなく、その中の備品もすべて貸主の所有物であり、借主は一時的に借りているに過ぎません。入居時にすでに備え付けられていた電化製品などは、家主の所有物であり、壊れたら大家が修理する責任があります。
故意に壊した場合は、もちろん借主に修理代がかかりますが、通常の使用で壊れた場合に借主は修理代を支払う必要はありません。
隣家のガス漏れが疑われる時には?
隣家のガス漏れが疑われる時には、ガス会社に通報しましょう。また、集合住宅の場合は管理会社にも同時に知らせておくと良いでしょう。
まとめ
ガス臭がしたら機器の停止と元栓を締めて換気をしよう
今回は、給湯器の使用中にガス臭い場合の原因、ガス臭や異臭がする場合の対処方法、確認しておく箇所などについて解説してきました。
給湯器や周辺から発生するガス臭や異臭は、主にガス漏れが関係していることが多く、重大な事故につながります。まずは、機器の使用を止めた後、ガスの元栓を締めて換気を行いましょう。
ガス機器の作業には資格が必要なので、自分で対処せずプロの専門業者に依頼する必要があります。ガス漏れや異臭など、給湯器の症状で不安がある場合は、契約中のガス会社や給湯器メーカー、給湯器業者に相談しましょう。