給湯器の漏電には要注意!漏電時の症状と原因、対処方法などを解説
給湯器は毎日の生活に欠かせない設備ですが、時々不具合が起こることがあります。その中でも漏電は、給湯器の性能や安全性に影響するだけでなく、火災や感電の危険もあります。
漏電すると、給湯器のリモコンにエラーコードが出たり、ブレーカーが落ちるなどの症状が現れます。漏電が発生した場合は、早急に原因を特定し、修理や交換を行う必要があります。
この記事では、給湯器の漏電時に起きる症状や原因、漏電発生時の対処方法などについて解説します。
給湯器の漏電とは?主な原因は5つ
給湯器の漏電とは、給湯器の内部や外部の電気が本来の通り道から外れて漏れ出してしまう現象のことです。
給湯器が漏電すると、感電や火災などの危険な事故に繋がるリスクが高まります。また、給湯器の性能が低下したり、故障する可能性もあります。
では、給湯器が漏電する原因は何でしょうか?給湯器が漏電する原因は、主に以下の5つがあります。
- 給湯器の水漏れ
- 給湯器内部に溜まった埃やゴミ
- 各種配線などの劣化や損傷
- 漏電ブレーカーの劣化や損傷
- 電源コンセントの緩み
給湯器の水漏れ
給湯器が水漏れすると、精密な部品に水がかかってショートしたり、錆びたりすることがあります。水漏れの原因は、給湯器の部品の劣化や破損、配管の緩みや裂傷など様々です。
水漏れは目に見えない場所で起こることもあるので、定期的に点検を受けることが大切です。配管や給湯器内部に原因がある場合、給湯器メーカーや給湯器業者に修理・点検を依頼してください。
給湯器内部に溜まった埃やゴミ
給湯器の内部に埃やゴミが溜まると、発熱や発火の原因になることがあります。また、埃やゴミが精密な部品に付着すると、絶縁性能が低下して漏電する可能性もあります。
給湯器の内部をはじめ、狭い空間には埃やゴミが溜まりやすく、湿気を帯びることで漏電の原因になります。定期的な清掃と業者による給湯器の点検を行うことが大切です。
各種配線などの劣化や損傷
各種配線類は経年劣化しますが、ネズミや昆虫などの小動物が配線をかじることによって断裂し、いつの間にか損傷している場合があります。
その場合、各種配線類において断線やショートが起こって漏電に繋がっている可能性があります。
漏電ブレーカーの劣化や損傷
給湯器は漏電ブレーカーという装置で保護されています。漏電ブレーカーは、給湯器から異常な電流が流れた場合に自動的に電源を遮断します。しかし、漏電ブレーカー自体も劣化や故障することがあります。その場合、給湯器からの漏電を検知できなくなったり、過剰に反応してしまったりします。
電源コンセントの緩み
一般的なガス給湯器は、電源コンセントから電気を供給されています。一方、エコキュートや電気温水器は電源コンセントではなく、分電盤から直接電気を供給しています。一部のガス給湯器では、分電盤から直接電気を供給している場合もあります。
給湯器の電源コンセントが緩んでいると、埃やゴミが溜まりやすくなってしまい、結果的に漏電が発生する可能性が高まります。緩んだ電源コンセントに溜まった埃やゴミは、湿気や雨の水分などで濡れてしまうことで、気づかぬ内に漏電しやすくなります。
また、漏電の程度が非常に大きいと、トラッキングと呼ばれる発火を起こし、場合によっては住居を焼失させるなど、重大な被害をもたらすことがあります。
給湯器が漏電した際の症状・確認方法
給湯器において漏電が発生すると、以下のような症状が現れることがあります。
- エラーコードが出る
- リモコンが正常に動作しない
- ブレーカーが落ちる
- 電気代が高くなる
- 給湯器が動作しない
エラーコードが出る
給湯器には、異常が発生した場合にエラーコードを表示する機能があります。エラーコードは、給湯器の操作パネルやリモコンに表示されます。
リモコンにエラーコードが表示されている場合は、その内容を確認してください。エラーコードによっては、回路のショートや漏電を示すものがあります。
エラーコードが表示された場合、電源オン・オフ操作を行えば正常に戻ることがほとんどです。もし、エラーコードが頻繁に表示される場合は、漏電などの問題が起きている可能性が高いです。
リモコンが正常に動作しない
リモコンにエラーコードが表示されていない場合でも、リモコンが全く反応しない、操作しても給湯器が反応しない、リモコンの表示がおかしいなどの症状があれば、漏電の可能性があります。この場合は、給湯器のブレーカーを確認してください。
給湯器のリモコンが正常に動作しない場合は、故障やリモコンケーブルの断線・漏電など、複数の可能性があります。
ブレーカーが落ちる
給湯器から大量の漏電が発生すると、過負荷やショートを防ぐためにブレーカーが落ちて全体的に停電することがあります。
給湯器の漏電ブレーカーが落ちた場合は、漏電の可能性が高いです。漏電ブレーカーは、漏電を検知すると自動的に電気の流れを遮断する装置です。
ブレーカーを入れ直してもすぐに落ちる場合は、給湯器から電気が漏れていることを示しています。
電気代が高くなる
給湯器の利用頻度や設定温度などに変化がないにもかかわらず、電気代が以前より大幅に高くなった場合は、漏電している可能性があります。漏電すると、本来使うべき電気が漏れてしまい、漏電分を補うためにより多くの電気を消費することになります。
電気代の明細を見て、急激に増えたり、異常に高かったりした場合は、漏電の可能性を疑ってみましょう。もし大きな差があれば、漏電している可能性があります。
給湯器が動作しない
給湯器が漏電すると、お湯が出なくなることがあります。これは、漏電ブレーカーが作動して電源が遮断されたためです。また、給湯器の内部でショートが起こってお湯を沸かすことができなくなった場合もあります。
給湯器が漏電すると、追い焚きできなくなることがあります。お湯が出ない、追い焚きもできないということは、給湯器に異常があり正常に作動していないことを意味します。
給湯器が漏電した可能性がある場合の対処法
給湯器で漏電が発生している疑いがある場合は、以下の手順で対処しましょう。
湿気の影響で漏電ブレーカーが作動している場合、漏電ブレーカーのリセットを行うことで電源が復旧することがあります。
漏電ブレーカーの場所を確認
漏電ブレーカーは、給湯器の近くや内部にあることが多いです。しかし、場所は製造された時期やメーカーなどによって異なります。内部に取り付けられている場合、そもそもカバーを開けること自体が危険なので、基本的には自身で開けるのはやめた方がいいでしょう。
給湯器内部の漏電ブレーカー
漏電ブレーカーは、白や黒などの無地の箱で、表面に「漏電ブレーカー」と書かれています。
こちらは、古いタイプのものになりますが、給湯器内部に設置された漏電ブレーカーです。左側がリセットボタンで、右側がテストボタンになっています。
外付けされた漏電ブレーカー
外付けされているタイプの漏電ブレーカーの場合、分電盤の真ん中に配置されていることが多いです。
出典元:漏電ブレーカーが落ちた時の対処方法について^^ – サンエス設備機器株式会社
左側がアンペアブレーカーで、過電流や漏電などが原因で契約容量以上の電力を使った時にアンペアブレーカー(リミッター)が落ちます。
右側にあるものが安全ブレーカーで、漏電箇所を特定する際に役立ちます。安全ブレーカーのいずれかのスイッチを入れたタイミングで漏電ブレーカーが落ちたら、該当回路が漏電の原因だと特定できます。
漏電テストスイッチで確認して漏電箇所を特定
給湯器内部の漏電ブレーカー
給湯器内部の漏電ブレーカーには、テスト用のボタンが付いています。このスイッチを押すと、故意に漏電を起こしてアンペアブレーカー(リミッター)が落ちるどうかを確認できます。他の機器の電源はオフにしたままテストを行うことで、給湯器からの漏電かどうかを判断できます。
テスト用のスイッチは、「TEST」などと書かれています。テストスイッチを押すと、アンペアブレーカーが落ちて電源が遮断されます。その後、ブレーカーを元に戻すと電源が復旧します。この時、給湯器から発生している漏電であれば、再びブレーカーが落ちます。
給湯器以外から発生している漏電であれば、アンペアブレーカーは落ちません。※他の機器は電源オフのままでテストした前提
外付けされた漏電ブレーカー
外付けされた漏電ブレーカーが配置されている分電盤などには、漏電箇所を特定できる安全ブレーカーが付いています。おおまかには、以下のような手順で漏電が発生している回路を特定できます。
- 全てのブレーカーのスイッチを「切」って落とす。
- アンペアブレーカー(リミッター)だけスイッチを「入」れる。
- 漏電ブレーカー(漏電遮断器)だけスイッチを「入」れる。
- 分電盤の右側に位置する安全ブレーカーのスイッチを1つずつ順番に「入」れる。
手順3の時点でブレーカーが落ちた場合、漏電ブレーカー自体が不具合の原因です。手順4で、いずれかの安全ブレーカーのスイッチをを「入」れてブレーカーが落ちた場合、該当回路が漏電発生している原因の元です。
原因となる回路のみブレーカーのスイッチを「切」ったまま、他のブレーカーのスイッチは「入」れていくことで、問題発生している場所以外の電気は使用可能になります。
漏電ブレーカーのリセットを行う
給湯器内部の漏電ブレーカー
給湯器内部の漏電ブレーカーの場合、リセットボタンそのものが配置されていることが多いです。リセット用のスイッチには、「RESET」などと書かれています。リセットスイッチを押すとリセットされます。
外付けされた漏電ブレーカー
外付けされているタイプの漏電ブレーカーの場合、分電盤の真ん中に配置されていることが多いです。給湯器からの漏電でないことが確認できたら、漏電ブレーカーのリセットを行います。
リセットは、漏電ブレーカーを下げ「切」、上げ「入」するだけです。ただし、一度に複数回行わないようにしましょう。また、漏電ブレーカーのリセット後も症状が改善しない場合は、使用を停止してメーカーや業者に点検を依頼してください。
使用を停止し点検修理を受ける
給湯器から漏電が発生していることが確認できた場合は、給湯機器の使用を停止しましょう。完全に使用を停止するには、給湯器リモコンの電源を切るだけでなく、コンセントを抜くなどする必要があります。
使い続けると感電や火災の危険が高まるほか、給湯器の故障や性能低下を招くこともあります。使用を停止したら、自分で修理対応しようとすることは止めてください。
漏電箇所が特定できていたとしても危険が伴いますし、電気工事士などの国家資格を有していない場合、違法な対処に該当する可能性もあるので、有資格者が在籍している専門業者に相談してください。適切な専門知識と技術をもって対処することが大切です。
給湯器関連の漏電が直らない場合
給湯器の漏電が原因で不具合が直らない場合は、専門業者に点検・修理を依頼する必要があります。点検をした結果、部品交換や簡単な手順で修理対応できる場合と、給湯器本体の寿命で交換するしかない場合に分かれます。
給湯器の寿命が原因の漏電なら交換が必要
給湯器の寿命は一般的に10年~15年程度と言われていますが、使用頻度やメンテナンス状況によって異なります。給湯器が古くなると、部品の劣化や腐食によって浸水するなどして漏電が起こりやすくなります。
漏電ブレーカーが作動している場合は、給湯器本体の内部や配線などに問題がある可能性が高いです。逆に作動していない場合は、漏電ブレーカー自体が故障しているか、他の機器で不具合が発生している可能性があります。
給湯器関連の漏電修理にかかる費用の目安
給湯器関連の漏電修理にかかる費用の目安は、以下の通りです。
項目 | 費用目安 |
---|---|
出張費・技術費 | 1万円~2万円 |
部品代 | 1万円~3万円 |
部品の交換などが必要な場合は、3万円~5万円程度の費用がかかることもあります。
しかし、費用は不具合の状況や業者によっても多少異なります。明朗会計で技術力も伴っている業者を選びましょう。
有資格の給湯器専門業者に修理や点検を依頼
給湯器関連の漏電は、自分で対処するのは危険ですし、作業内容によっては電気工事士など複数の資格が必要です。感電や火災などの事故を防ぐためにも、必ず有資格の専門業者に修理や点検を依頼してください。
給湯器専門業者は、給湯器の種類やメーカーに関係なく、幅広く対応してくれます。また、迅速かつ丁寧な対応やアフターサービスも期待できます。
給湯器専門業者を選ぶときは、以下のポイントに注意しましょう。
- 施工実績が豊富であること
- 見積もりが明確であること
- 保証期間が長いこと
- 口コミや評判が良いこと
給湯器関連の漏電は、放置すればするほど危険度が高まります。不具合に気づいたら、すぐに専門業者に相談しましょう。
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給湯器の漏電に関するよくある質問
給湯器の漏電はどのくらい危険ですか?
給湯器が原因の漏電は非常に危険です。漏電状態を放っておくと、感電や火災などの重大な事故につながる可能性があります。
気付かず火災になると、給湯器だけでなく家屋や周囲の物にも被害が及びます。
給湯器の漏電を自分で修理することはできますか?
給湯器の漏電を自分で修理することは難しい上、危険を伴うので絶対にやめてください。給湯器は高圧・高温・高湿度などの環境下で動作する精密機器です。
また、不適切な修理をすると、給湯器の性能や寿命に影響を与えるほか、違法な行為に該当することもあります。
給湯器の漏電はどのように予防できますか?
給湯器の漏電を予防するためには、定期的に給湯器を点検してもらうことが大切です。点検では、水漏れやゴミの除去などを含め、給湯器本体の状況確認も行ってもらえます。
また、自分でできることとしては、給排気口や電源コンセント周りを清潔に保つことや、水漏れなどの異常がないか定期的に確認することなどがあります。
まとめ
今回は、給湯器における漏電の原因、漏電した際の症状や確認方法、漏電時の対処方法などについて解説してきました。
給湯器に関連する漏電は、水漏れやゴミの蓄積、コンセントの緩み、ケーブルの損傷などが原因で起こります。
漏電が起きると、給湯器が正常に動かなかったり、ブレーカーが落ちたり、リモコンにエラーコードが表示されます。また、電気代が高くなったり、感電や火災の危険性も生じます。
漏電を確認するには、漏電ブレーカーをテストする方法がありますが、自分でできる場合でも安全に注意して行ってください。内部に取り付けられている漏電ブレーカーは、カバーを開けること自体が危険なので業者に連絡してください。
給湯器の漏電は放置しておくと大変な事故につながる可能性があるため、資格を有する専門業者に依頼しましょう。