シャワーのお湯が水になった場合の対処方法と給湯器側の原因などを解説
シャワーからお湯が出ないと、特に寒い季節にはびっくりしてしまいますよね。
シャワーから出ているお湯が急に水になった場合、直接の原因はシャワー部分ではなく、給湯器の不具合や部品が故障している可能性があります。
古い給湯器を使用していないのに発生した際は、シャワーの温度調整を行うサーモスタットユニットの故障などが考えられます。
この記事では、シャワーのお湯が水になる原因、給湯器周りで確認すべき箇所、水になった場合の対処方法などについて解説します。
給湯器のせい？シャワーのお湯が水になる原因
使っていたシャワーから急にお湯が水になったという状況は、決して珍しくありません。
例えば、地震などが原因でガスの供給が止まっていたり、何らかの理由で給湯器の燃焼が止まってしまった場合には、シャワーからお湯が出なくなります。
ガス以外の問題でシャワーのお湯が出ない場合、考えられるのは給湯器の不具合や故障です。シャワーのお湯が水になる原因は、主に以下の4つです。
冷水サンドイッチ現象の発生
シャワーを一旦止めて暫く経ってから再び出した時、最初はお湯で温かいのに突然冷たい水になり、その後は温度が戻っていくことがあります。このような症状が発生した場合、給湯器起因による冷水サンドイッチ現象が起きています。
冷水サンドイッチ現象とは？
冷水サンドイッチ現象とは、お湯を断続的に使用した際に「お湯、水、お湯」のようにバラバラな温度で出て安定しない現象のこと。
給湯器の不具合のようにも思うかもしれませんが、冷水サンドイッチ現象は故障ではありません。
冷水サンドイッチ現象が起こる理由
給湯器がお湯を作る際、内部の熱交換器を通じて水を温めます。給湯を止めると、給湯器の停止後も内部の熱交換器には熱が残ります。
そのため、次にお湯を出そうとすると既に温められていた水がお湯として出てきます。しかし、動き出した後の水が温まってお湯に変わるまでは時間がかかり、結果としてお湯の次に冷水が流れてきてしまいます。
冷水サンドイッチ現象は、古い給湯器を使っている場合に起こりがちな現象です。ただし、比較的新しい給湯器でも起こることがあります。
ガスメーターの遮断
何らかの理由によってガスメーターの遮断が発生することで、お湯から水に変わってしまうことがあります。ガスメーターの主な遮断理由としては、以下が挙げられます。
- ガスの長時間使用
- 過流量の検出
- 震度5相当の地震が発生
- ガスメーター連動の警報器が鳴った
- ガス管の圧力低下
多くの場合は、ガスメーターの復帰ボタンを押すことで、約1分後に復旧します。復旧しなければ、ガス漏れなどが発生している可能性も考えられるので、契約中のガス会社に連絡してください。
参考リンク：東京ガスネットワーク ： ガスメーターの復帰方法
給湯器の故障や不具合
シャワーや蛇口から冷水を暫く出し続けてもお湯に変わらなければ、給湯器自体の不具合や故障などの疑いがあります。
リモコン部分にエラーコードが表示されている場合、原因に応じた対処方法を行っても復旧しなければ、メーカーや給湯器業者に依頼が必要です。
給湯器の使用年数が10年超に達しているようなら、機器自体の経年劣化による故障の可能性が非常に高いです。この場合、故障箇所の修理や部品の交換を行ったとしても、別の箇所で不具合が発生しやすいため、給湯器本体を交換する方が安く済みます。
サーモスタット混合水栓・給湯混合弁・サーモユニットの故障
設定した温度でシャワーのお湯が出ない場合、給湯器の不具合以外にサーモスタット混合水栓・給湯混合弁・サーモユニットの故障も原因のひとつとして考えられます。
出湯のお湯と水を混ぜる部品である給湯混合弁で不具合が発生している場合は、動作異常によって水しか出ない可能性に加え、非常に高温のお湯が出る危険性もあります。給湯混合弁における異常を検知すると、エコキュートなどでは「H59」のエラーコードが表示されます。
給湯混合弁の故障については、専門業者への依頼が必要になるため、速やかにメーカーや給湯器業者などに連絡してください。
混合水栓・給湯混合弁の役割
サーモスタット混合水栓や給湯混合弁とは、シャワーの蛇口付近や水栓の中にある、温度を調節するための部品です。蛇口の形状や種類によって異なりますが、一般的にはお湯と水を混ぜて、特定の温度のお湯を作る仕組みになっています。
サーモスタット混合水栓や給湯混合弁が正常に作動していないと、シャワーだけでなく蛇口からもぬるま湯や冷たい水しか出てきません。
給湯混合弁の交換費用目安
混合弁を交換する場合ですが、型番などによって費用は大幅に異なります。最も一般的な混合弁であれば、価格帯は2万円～3.5万円程度となっています。
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複数業者へ依頼フォームから同条件にて相見積もりをすることで、費用面の高い安いはもちろん、最短でいつまでに工事対応が可能なのか等が分かるため、希望条件で依頼しやすくなります。なお、無料で見積もりを行える上、優良業者なので押し付けがましい営業はされず安心です。
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冷水サンドイッチ現象の対処方法
冷水サンドイッチ現象は給湯器の故障ではありません。冷水サンドイッチ現象の対処方法には、大きく分けて2つの方法があります。
- Q機能搭載の給湯器に交換する
- 蛇口をサーモスタット式に交換する
基本的には機器の構造自体の問題なので、Q機能搭載の給湯器への交換やサーモスタット式の蛇口に交換することで対処可能です。
Q機能搭載の給湯器に交換する
冷水サンドイッチは「給湯器のQ機能」で解消できます。そのため、現在使用中の給湯器がQ機能に対応していない場合は、対応機種へ交換することで対処可能です。
Q機能とは？
給湯器のQ機能とは、冷水のサンドイッチ現象に対応するために各給湯器メーカーが開発している技術のこと。
メーカーによってQ機能の仕組みは異なりますが、冷水サンドイッチ現象による温度差を少なくし、お湯が出るまでのタイムラグをできるだけ短くするように設計されています。
ちなみにQ機能が使えるのは、ノーリツ、リンナイ、パーパスなどのメーカー製の給湯器です。Q機能がまだ搭載されていない機種もあるので、購入前に調べておくと良いでしょう。
蛇口をサーモスタット式に交換する
Q機能に対応した給湯器への交換以外には、2ハンドル式やレバー式水栓の蛇口をサーモスタット式（サーモスタット混合水栓）に交換する方法でも対処可能です。
サーモスタット混合水栓とは？
サーモスタット混合水栓とは、水の温度を自動的にコントロールできる機能を持った蛇口のこと。
寒冷時の温度差などでも、出てくる水の温度を自動的にコントロールできる機能を搭載しており、環境によって左右されやすい温度を調節できます。
シャワーのお湯が出ない時に給湯器関連で確認すべきこと
シャワーでお湯が出ない場合には、何が起こっているのか状況を正しく把握していく必要があります。給湯器業者に依頼する場合、現在の状態をある程度は正しく伝える必要があるので、以下のポイントをおさえて確認しておきましょう。
いつからお湯が出なくなったのか
給湯器の不具合が関係しているのか判断するためにも、いつからお湯が出なくなったのか、使えなくなったタイミングを思い出してみてください。
タイミングを理解することで、何が理由でお湯が出ないのか原因を絞ることができます。
キッチンや洗面所でお湯は出ているか
給湯器が正常に作動していない場合、確認したいのがキッチンや浴槽のお湯は使用できているかという点です。
シャワーなど特定の場所ではお湯が出ず、別の場所だとお湯が出てきているのであれば、使用設備に関する部分的な不具合が考えられます。
リモコンにエラーコードが表示されていないか
シャワーからお湯が出ない、ぬるま湯や水しか出ないという場合、給湯リモコンにエラー表示されていないか確認してください。リモコンにエラーコードが表示されていると、お湯が使えないことが多いです。
給湯リモコンの液晶表示部にエラーコードが点滅していても、故障ではない場合がほとんどです。まずは、リモコンのオンオフ操作でエラー表示をリセットしましょう。再度、オンにしてエラー表示が消えていても正常に動作しなければ、業者への依頼が必要です。
給湯器のリセット方法
給湯器のエラーコード表示をリセットするには、次の復旧手順を試してください。
- 給湯機器の使用を全て停止する
- リモコンの電源を切る
- リモコンの電源を入れる
- 画面からエラーコードが消えたことを確認
給湯器のエラーコードは様々で、メーカーや機種によって内容もそれぞれ異なります。各エラーコードの内容や対処方法は、以下のページで確認できます。
給湯器やシャワーヘッドの使用年数・保証期間
シャワーのお湯が出ない時は、給湯器やシャワーヘッドの使用年数・保証期間を確認しておくことも重要です。保証期間であれば、メーカーや設置した販売店に修理対応を依頼できる可能性があります。
また、使用年数なども予め確認しておくことで、経年劣化による寿命の可能性も想定できます。
シャワーのお湯が水になった場合どこに頼む？
給湯器のせい？シャワーのお湯が水になる原因を確認して原因の目星がついた場合、どこに頼めば良いのか確認しておきましょう。
使用している給湯器メーカー
給湯器の故障や不具合が濃厚な状況で、尚且つ製品の保証期間内だった場合は、使用している給湯器のメーカーに依頼するのが最適です。
管理会社・大家さん
賃貸の場合は、自身の所有物ではないので勝手に対処することができません。まずは、契約中の物件を管理している管理会社、もしくは大家さんに連絡してください。
給湯器工事の専門業者
給湯器の故障や不具合が濃厚な状況で、製品の保証期間を過ぎている場合は、給湯器の専門業者に依頼するのが最適です。
水回りの工事業者
サーモスタット混合水栓、給湯混合弁、サーモユニットの故障などの場合は、日頃から浴室内の設備なども対応している水回りの業者が最適です。
契約中のガス会社
ガスメーターの遮断が発生しており、復帰手順を試しても改善しない場合は、契約中のガス会社に依頼するのが最適です。
原因が不明な場合
シャワーのお湯が水になる原因を確認したが全く分からないという場合もあると思います。そのような場合も、まずは使用している給湯器メーカーに連絡してみましょう。
まとめ
シャワーのお湯が水になる主な原因は冷水サンドイッチ現象
今回は、シャワーを使用中にお湯が水になる原因、給湯器関連で確認すべき点、どこに頼めば良いのか、などについて解説してきました。
シャワーのお湯が水になってしまうのは、冷水サンドイッチ現象が主な原因で、給湯器の故障ではありませんでした。
冷水サンドイッチ現象が発生しないようにするには、機能搭載の給湯器に交換するか、シャワーの蛇口をサーモスタット式に交換すれば改善されます。
原因が不明な場合は、自己判断せずに使用している給湯器メーカーや給湯器業者のほか、状況に応じて水回りの工事業者や契約中のガス会社に相談しましょう。
