給湯器のファンモーターが故障した場合の対処方法と修理費用の目安

給湯器のファンモーターが故障した場合の対処方法と修理費用の目安

給湯器は毎日の生活に欠かせない機器ですが、使用中に変な音がすることはありませんか?特にファンモーターから聞こえる音の種類によっては、不具合や劣化の兆候である可能性が高く、放置すると事故や故障を招く恐れがあります。

また、給湯器のファンモーターが正常に動作しなくなると、お湯も使えずエラーコードがリモコンに表示されて運転が一時停止します。ファンモーターについて理解を深め、前兆に気付けるようにしましょう。

この記事では、給湯器のファンモーターとは何か、異音がする場合の原因と対処方法、故障した場合の対処方法、修理費用の目安などについて解説します。

給湯器のファンモーターとは?

給湯器のファンモーターとは、給湯器内部にある換気扇に似た部品で、お湯を沸かす燃焼を行う際に回転します。ファンモーターに不具合が出ると、燃焼できないためお湯が使えなくなります。

ファンモーターの役割

ファンモーターには、お湯を沸かすための燃焼に必要な酸素を取り込み、燃焼後の排ガスを外に送り出すなど重要な役割があります。給湯器が安全かつ効率的に燃焼できるようにしています。

給湯器が点火すると、ファンモーターが回転を始めます。回転力を利用して酸素を送り込むことで、空気とガスの混合比を適切に調整し、お湯を沸かす燃焼効率を高めています。なお、燃焼が停止した後も数分間はモーターが回転し続けます。

ファンモーターの場所

ファンモーターは給湯器本体内部にあります。一般的には、給湯器本体上部から排気筒へつながっている箇所にあります。

給湯器内部にあるファンモーター画像出典元:小金井市・西東京市・小平市の給湯器交換屋さん|福田設備

給湯器から、「ブーン」「ブイーン」「ウィーン」などの音が聞こえてくる場合、ファンモーターが正常に回転している音なので問題ありません。

一方、ファンモーターに何かしらの異常が発生すると、「ピー」「ピー」「ヒュー」などの甲高い笛のような音が鳴ることがあります。

ファンモーターが故障したら何が起こるのか?

ファンモーターが故障したら何が起こるかは、故障の程度や原因によって異なります。最悪の場合は、事故を引き起こす可能性もあります。

ファンモーターが正常に動作しないと、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • お湯が出なくなったり温度調節できなくなったりする(エラーコード点灯)
  • 不完全燃焼などを起こして火災、一酸化炭素中毒などの危険性が高まる
  • 異音や振動が発生して騒音や振動被害を招く
  • 給湯器本体の故障や状態悪化で修理対応ができなくなり、交換が必要になる

給湯器で発生するファンモーターのエラーコード内容

ファンモーターに不具合が発生すると、給湯器が正常に動作しなくなったり、危険な状態に陥ったりする可能性があります。その場合は、給湯器リモコンに内容を示すエラーコードが表示されます。

以下では、リンナイなど主要メーカーの給湯器で表示されるファンモーターのエラーコードを紹介します。

エラーコード61*系統

エラーコードはメーカーや機種によって異なりますが、一般的には「61」から始まるコードがファンモーターの異常を示しています。

エラーコード 内容 発生原因
610 燃焼用ファン異常 燃焼用ファンモーター故障・接続不良・配線損傷等
611 給湯燃焼ファン異常 給湯側のファンモーター故障・接続不良・配線損傷等
612 ふろ燃焼ファン異常 ふろ側のファンモーター故障・接続不良・配線損傷等
613 暖房燃焼ファン異常 暖房側のファンモーター故障・接続不良・配線損傷等

同じ燃焼ファンの異常でも、発生した場所に応じて「61」以降のエラーコードは異なります。

対処方法

給湯器リモコンの運転スイッチを切ってしばらく待ち、再度入れてください。改善しない場合は、メーカーや給湯器業者に連絡することをおすすめします。

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給湯器のファンモーターから聞こえる異音の種類と発生理由

ファンモーターから異音がする理由は様々ですが、主なものは以下の通りです。

  • ファンモーター自体の故障や劣化で回転数や回転バランスが乱れている
  • 機器内部や排気箇所に異物(ほこり・ゴミ・虫・小動物など)が混入
  • 外部から強風や雨風などの影響で負荷がかかる

事故などの発生を避けるためにも、ファンモーターの正常な音と異常な音の違いを知り、異音の発生に気付けるようにしておきましょう。

正常な音

「ブーン」「ブイーン」「ウィーン」などの音が聞こえてくる場合、ファンモーターが正常に回転している音なので問題ありません。

また、給湯器における正常な音には以下のようなものがあります。

  • ブーン、ブイーン、ウィーン
  • クックックー
  • グワン、ウーン、キュルキュル
  • ジュージュー、シューッ
  • ピヨピヨ、ピロピロ
  • カタカタ、ガタガタ

異常な音

一方、ファンモーターに何かしらの異常が発生すると、「ピー」「ピー」「ヒュー」などの甲高い笛のような音が鳴ることがあります。

また、給湯器における異常な音には以下のようなものがあります。特に、ボンッ!という爆発音が発生している場合は、早急な対応が必要です。

  • ボンッ
  • キーン、カーン、ドン、ガン
  • ピー、ピーピー、ヒュー
  • ゴーッ
  • ポコンポコン

ファンモーターの故障や劣化、機器内部への異物混入などが原因で異音が発生している場合は、メーカーや給湯器業者への対応依頼が必要です。

給湯器のファンモーターが壊れた可能性を示す症状・対処方法

給湯器のファンモーターが壊れた可能性を示す症状

給湯器のファンモーターが壊れた可能性を示す症状には、以下のようなものが考えられます。

  1. お湯が出ない
  2. 異音が発生
  3. エラーコード表示

これらの症状は、ファンモーターの故障だけでなく、他の部品や外的要因によっても起こり得る場合があります。

お湯が出ない

お湯が出ない場合は、ファンモーターなどにおける部品の故障、経年劣化による給湯器本体の故障や、給湯器の寿命が近づいている可能性があります。

原因

不具合や故障によってファンモーターが回転しない・ガスメーターが遮断しているなどが主な原因です。

対処方法

ファンモーターが回転しない場合は、まず給湯器リモコンの電源を入れ直してみてください。これでも改善しなければ、給湯器のコンセントを抜き差しするのも一つの方法です。対処後に改善するようなら、一時的な不具合の可能性があります。

ファンモーターが回転する音はしていても、お湯が出ない場合は、ガスメーターの復帰ボタンを押すなどしてみてください。ガスの供給が遮断されて止まっている可能性があります。

対処しても改善しない場合は、メーカーや給湯器業者に点検・修理を依頼してください。

異音が発生

異音が発生した場合は、危険な音か正常な音なのかを聞き分ける必要がありますが、破裂するような音や爆発するような音は「非常に危険な状態」を表しています。ファンモーター自体や別の箇所に不具合が発生している可能性があります。

原因

ファンモーターの経年劣化や故障・ファンモーターや周辺に異物が混入・排気閉塞などが主な原因です。

対処方法

危険性がある異音が発生している場合は、メーカーや給湯器業者などに修理や交換を依頼してください。

参考リンク:給湯器のファンモーターから聞こえる異音の種類と発生理由

エラーコード表示

ファンモーターの不具合や異常を検知すると、給湯器リモコンにエラーコードが表示され、発生している内容を示します。エラーコード「61*」が表示された場合は、ファンモーターの不具合によるエラー停止です。

原因

燃焼用ファンモーター故障・給湯側のファンモーター故障・ふろ側のファンモーター故障・暖房側のファンモーター故障・接続不良・配線損傷などが主な原因です。

発生した場所によって三桁目の数字は変わりますが、「610」などのエラーコードが表示されます。

対処方法

給湯・暖房リモコンの電源オン・オフ操作を試しても改善しない場合は、メーカーや給湯器業者などに点検を依頼してください。

参考リンク:給湯器で発生するファンモーターのエラーコード内容

寿命の可能性もある

給湯器の寿命は、10年から15年程度と言われています。長く使った給湯器のファンモーターで不具合が起きた場合は、他の部品も劣化している可能性が高いため、買い替えを検討することをおすすめします。

給湯器のファンモーターを点検・修理・交換する費用目安

対応 出張料 技術料 部品代 費用合計
点検 3,000~6,000円 4,000~8,000円 7,000~14,000円
修理 3,000~6,000円 6,000~12,000円 状況により追加発生 9,000~18,000円
交換 3,000~6,000円 4,000~8,000円 8,000~16,000円 15,000~30,000円

点検費用の目安

点検費用はメーカーや業者によって異なりますが、ファンモーターに限らず点検には5千円~1万円程度かかります。点検費用には出張料や技術料などが含まれます。

また、設置場所や作業時間などによっても費用は変わりますし、修理対応や部品交換が必要な場合は追加費用が発生します。

メーカー保証期間内であれば、給湯器を無償で点検・修理してもらえる可能性があります。ただし、不注意や自己修理などで故障した場合は対象外です。

修理費用の目安

故障箇所や部品代、作業時間等によって異なりますが、ファンモーターの修理費用は1~2万円程度かかります。修理費用には出張料や技術料、部品代などが含まれます。

交換費用の目安

対応箇所や部品代、作業時間等によって異なりますが、ファンモーターの交換費用は1万5千円~3万円程度かかります。交換費用には出張料や技術料、部品代などが含まれます。

ただし、ファンモーター以外にも故障箇所があったり、本体全体の劣化が進んでいたりする場合は更に高額になる可能性があります。給湯器が古いと、修理しても故障するリスクが高くなっているため、場合によっては本体を買い替えた方が出費を抑えられるでしょう。

まとめ

今回は、給湯器におけるファンモーターの役割、ファンモーターの故障を示唆する内容、対処方法、ファンモーターの修理や交換を依頼する際の費用目安などについて解説してきました。

給湯器におけるファンモーターは、燃焼効率を高めるために空気を送り込む重要な部品です。ファンモーターが故障すると、給湯器そのものが正常に動作しなくなります。ファンモーターの故障の兆候としては、異音や振動、エラーコードの表示などがあります。

ファンモーターの故障や前兆に気づいたら、すぐに使用している給湯器メーカーまたは給湯器業者などに点検や修理を依頼しましょう。

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